NGE

明治安田生命J1リーグ第12節 川崎F戦 前々日監督会見

218月
8月21日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、8月23日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第12節の川崎フロンターレ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー12日(水)に行われた川崎Fとの試合後に「自信になった」とおっしゃっていました。今のチーム状況と、最近の川崎の試合を踏まえて今の自信のほどはいかがでしょうか?

サッカーでは、2つのチームの対戦が短い期間で続いたとしても、同じような試合展開になることは珍しいと思います。ただ、前回対戦時にはクオリティがともなったプレーを多く見せられたと思いますし、アグレッシブなプレーをできたと思います。そのクオリティとアグレッシブさがベースになるような戦い方を準備しなければいけないと思っています。


ークオリティという点では前回対戦時に「ボールを持つことが重要」ともおっしゃっていました。そこが試合のポイントになることに変わりはないでしょうか?

おっしゃるとおり、クオリティというのはボールを持つ時間をどれだけ長くすることができるかということもそうですし、ボールを持つことを怖がらず、自分たちのしたいゲーム展開に持っていくために、ボールを持っている時にどれだけのことができるかということもです。前回のカップ戦での試合ではゴールを奪えましたし、フィニッシュさえ決まればというシーンもありました。始まった直後は我々の時間が続いていましたので、そういう展開になることを目指さなければいけないと思います。


ー常に先手を取れたことが大きかったと思います。最近では相手を見ながら慎重に入ることもありますが、川崎F戦に向けて試合の入り方で意識していることは?

キックオフからどんな展開になるかというところまで筋書きを書くことはできません。やり方によってある程度、少し勢いよくスタートしようということはできますが、サッカーは計算できるものではありません。慎重に入ろうとしても逆に相手がミスをすることによってこちらが早い時間に得点を奪って、「スタートから一気にいきましたね」と言われることもあります。相手がいることなので、こちらが先手を取ろうとしても相手がそれを上回る勢いでくることもあります。そこに関しては、ここまで公式戦13試合を終えて、どの試合でもそこまで入りが悪かったという試合はなかったと思います。慎重に入るべくして入ったというよりは、どの試合も毎回慎重にしっかりやるということをやった上で、対戦相手に合わせて、少し重たいスタートになったり、いいスタートになることがあると思います。どちらにしても、試合全体をとおして主導権を握りたいというベースは変わらないので、この試合では入りの部分をどうしようと準備することはありません。


ー前節の湘南戦では選手の疲れが見える内容でした。疲労への対策とケガ人の状況を教えてください。

シーズンの目標として上位にいきたいという目標がありますし、それを目指すチームの指揮を任されています。その中で「今年は降格がない」などの周囲の雑音に方向性を左右されないように、我々は結果を出すことを目指してやっています。経験があり、計算ができる選手しか使わないというわけではありません。出るべき若い選手にチャンスをしっかり与えながら、実際に昨シーズンまで出場機会がなかった選手も何人か出ていますし、そういった選手は将来的にこのチームの中心にならなければいけないという思いも込めて起用をしています。ほかにも上位に進出しようとしているチームがある中で、我々のほうがレギュラーで使うべき選手のケガが多かったかなと。そういった中で疲れているから休ませるというよりは、選手たち自身も疲れていてもできるところまではやりたいという気持ちでプレーしてくれています。チームとしてそういう方向性で、クラブ自体が目標を変えずに取り組んでいるのなら私も現場を指揮する立場として、一番勝つ可能性が高い方法を取らなければいけません。選手が疲れていることはわかっていますし、負担があることもわかっています。このメンバーで結果を残していくための采配をし続けなければいけません。その中でこのクオリティで闘うことで多くの試合に勝って、結果がついてくるという現場での采配の仕方を継続して見せることで、どういう人員が足りないかであったり、疲労している選手を使わなければいけないとなった時には、選手の数を増やすなどそういう動きもしていかなければいけないのかなと。自分の役割を果たすことに集中した上で、クラブともコミュニケーションを取りながらいい関係でやっていきたいと思います。


そういった中で固定して出続けている特にDFや中盤の選手は、負担が大きい中でも毎回最後までやりきってくれているので褒めることしかできません。逆に複数名いてポジション争いをしながら試合に出ている前線は、幸い阿部(浩之)以外の選手は起用できる状態にあります。そういった選手たちは出る機会があった時に自分の良さをチームのために最大限生かすというスピリットを持って取り組めていると思います。それぞれが、自分が今この瞬間にチームのためになにができるかというところをバランス良くできていると思います。それが結果につながっていますので、このままやり続けるべきだと思っています。


ー前回のカップ戦での対戦時には起用できなかった選手もいました。

金崎(夢生)とオ ジェソクのことだと思いますが、オ ジェソクも試合に出れる状態で、湘南戦でもプレーする機会を作れました。前回の対戦よりも選択肢が増えたということはありますが、層の厚みという点では米本(拓司)と阿部はもう少し時間が掛かるかなというところです。彼らももう間もなく合流できそうで、試合に出れる状態になるのは来週あたりかなと思います。この試合もそういう状況の中ですが、選手を信頼していますし、今いるメンバーでどういう試合をするかという準備して挑みたいと思います。


ー前回対戦時の失点のシーンについて「注意力が欠けていた」と指摘されていました。そこは改めて強調しましたか?

ゴールはミスから生まれることが多いと思います。その中で川崎戦でこういう失点をしたから次の川崎戦でも気をつけようという直結した振り返り方はあまりしません。毎回試合が終わったら、二度とこういうことを繰り返さないように、次の教訓にしようという位置づけで、チーム全体で振り返り、分析して修正するという作業をしていきます。前回の川崎戦の失点もそういうようなやり方でチームとして取り組んできました。ペナルティエリアの中で少しでも隙を作ってしまうとしっかりゴールを奪ってくるのが川崎だと思います。どちらのゴールも防ぎようがあった、あのようなシーンを作らずにすんだ失点だったのでより引き締めた状態で、川崎はほかのチームよりもそういった部分で優れているというのを頭に入れてプレーするべきだと思います。


ーセットプレーは得点を挙げる上で重要だと思います。セットプレーでの得点の確率を上げるために監督として準備できることはどんなことでしょうか。

今シーズンはセットプレーからゴールが生まれるシーンを何度か作れています。セットプレーの練習では、相手がきっとこうやってくるだろうと分析をし、どこに隙があるかを想定した上で準備をします。相手がそのとおりにやってこないこともありますが、そういった取り組みが結果として表れているので、選手も取り組む価値を感じていると思います。我々がどんなに研究して確率を上げるための用意をしても、選手が練習の時点で真剣に取り組んでくれなければ本番ではできません。また、セットプレーでは優秀なキッカーがいないとこちらが準備したとおりにできませんが、我々にはいいキッカーがいますし、中にも強い選手がいます。今のところ結果が出ているので、相乗効果で今後もいい準備をし続けることができると思います。


ーどの試合でも勝てば勝ち点3ということに変わりはないですが、このまま川崎に勝ち続けられると難しくなるという気持ちもあると思います。タイトル獲得に向けてこの川崎戦の重要性をどのように感じていますか?

グラウンドでいいプレーをしたからといって勝ち点が与えられるというものではないのがサッカーですが、今回の試合に関してはグラウンドで素晴らしかったチームが勝ち点を得るゲームになるのではないかと見ています。前節対戦した湘南は「こんなところまで追いかけてくるのか」と思うくらいグラウンドのどこまでもしっかりと走ってききました。走るという意味で我々は多くのチームに対して分がある試合展開が多いので、普段はあまり感じないような走り疲れてしまう感覚もありました。川崎はこれをやらせてしまっては危ないと警戒している中でも、それでもやってくるというようなうまさや強さ、なによりも連勝し続けているので自信を持ってやってきます。試合中にうまくいくまでしつこく続けてくるというくらい自信を感じる武器を持っていますので、そういったものをなるべく出させないようにすることが大事だと思います。質問の意図とは少しズレるかもしれませんが、そういった連勝中のチームに対してこちらがどう取り組んでいくべきかというのはそういうところだと思います。


※以上の監督会見の動画(一部のみ)は会員さまのみご覧いただけます。

(残り: 601文字 / 全文: 4472文字)

この続きをみるには

この記事の続きは会員限定です。
JリーグID登録と購読手続が
完了するとお読みいただけます。