グランパスの一員として戦っているのは、選手やコーチ陣だけではない。『INSIDE GRAMPUS』では、裏方としてチームを支える用具係にフォーカス。20年以上に渡ってエクイップを務める林田一明と北野眞一にインタビューし、日々の業務や裏方ならではのこだわり、今後の展望を聞いた。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
お二人がエクイップとして働き始めたのはいつからですか?
北野 僕がグランパスに入ったのは1994年です。林田さんはJリーグ開幕前からですよね。
林田 1992年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)の時からなので……今年で26周年ですね(笑)。
北野 「そんな人いるんだ」っていうぐらいに長い(笑)。
林田 25周年を迎えたJリーグよりも長いんですよ。本当にありがたいことですけどね。
現職に就いた経緯を教えてください。
林田 僕らは名鉄運輸株式会社という運送会社の引っ越し部門に在籍していて、当時僕はドライバー、北野くんは営業として働いていました。1993年にJリーグが発足するということで、グランパスに関わりのあった上司からエクイップの仕事を紹介されたんです。サッカーが好きだった僕は、単純に「カズさん(三浦知良)をはじめ、いろいろな有名人に会えるかもしれない」と思い、「ぜひやらせてください」と(笑)。華やかなプロサッカーの世界に対して、憧れのようなものがあったんです。
北野 僕の場合は、林田さんが何かの用事で出勤できないことがあって、代わりに業務を手伝いに行ったことがきっかけでした。
林田 結婚式の前撮りがあったんじゃないかな。
北野 そうでしたね。その後も何度か林田さんの代わりに行くうちに、「やってみないか?」という話をいただいて。サッカーのプレー経験がなく、知識もないような状態でしたけど、純粋に楽しそうだと思って飛び込んでみることにしました。
林田 当時は今のように、深くまでチームに入っていなかったんですよ。試合前日の練習終わりに荷物の積み込みをして、試合当日は荷物を下ろして待機、試合後に荷物を持ってスポーツセンターに戻る、というような流れでした。ただ、しばらくして当時からエクイップとして働いていた金原(剛)さんから、「人手が足りないから手伝ってくれ」と声を掛けられて。上司からも「名鉄の仕事はいいから、金原さんの手伝いをしなさい」と指示を受けて、本格的にグランパスの業務に携わるようになりました。チームに深く入っていくようになったのはそれからですね。
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