2月24日にJ1リーグ戦デビューを飾り、4月6日にプロ契約を締結。17歳ながらプロの舞台で活躍する菅原由勢は、これまでにどのようなキャリアを歩んできたのか。『INSIDE GRAMPUS』では、菅原のジュニアユース加入、指導に尽力した坂本亮史にインタビューを実施。菅原の中学時代にフォーカスし、プロ選手に至るまでの成長過程を探った。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
飛び抜けていた二つの才能
菅原由勢を初めて見たのは、2012年春のことだった。リーグ史上2番目の若さでJ1開幕スタメンを飾り、大きな注目を集める菅原だが、小学6年時の彼は決して特別な存在ではなかったという。
「すごくいい選手でしたよ。でも、あくまで優秀な選手のうちの一人であって、“スーパー”ではなかったです」
こう振り返るのは、名古屋グランパスのU−12スカウトを務める坂本亮史だ。自身が抱いた菅原への印象は、その他のスタッフ陣、他クラブの指導者たちも同様に抱いていたものだと語る。しかしわずか数カ月後、坂本は菅原の獲得をクラブに直談判することになる。菅原の持つ二つの才能に将来性を感じたからだ。
「キックの質はずば抜けていました。とにかく綺麗にボールを蹴るんですよ。そして何よりメンタリティが優れていたこと、これが大きかったですね。自己主張ができて、リーダーシップも取れる。才能が突出していなくても、強いメンタル面を備えていれば、選手として高いレベルまで到達できる可能性があります。現在は日本代表として活躍する吉田麻也(グランパスユース出身・サウサンプトン)も優れたメンタリティの持ち主で、彼に通ずるところもありました」
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