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明治安田生命J1リーグ第9節 大分戦 前日監督会見

104月
4月10日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、11日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第9節の大分トリニータ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー序盤戦の調子の良さ、守備力の強さが目立つ中、2試合連続スコアレスドローに終わったことで、世間では「攻撃をどのようにしたらいいのか」という議論もあります。グランパスがそのように見られていることについてどのように感じていますか?

そのように言われる立場になれたということと、世間の方は長い期間のことを記憶していないのかなと、最近2週間のことしか覚えていないのかなということを思いますね。6連勝のあとの2連続引き分けでいろいろと言われているという質問でしたが、6勝したのに「そうですよね」ではありません。2019年のあの状態で監督に就任したのに「そうですね」という答えになります。本当にいい意味でも受け入れなければいけないことで、2019年の最終節であれだけのブーイングをいただいて、私に向けられるべきものなのかという思いもありながら、このチームはそのようなことを求められている、そのようなことを得られないのならば満足してくれないのだなと。「結果を出せ」と尻を叩いてくれるファミリーの皆さんに囲まれている、支えられているのはありがたいことです。それを常に支えにしてやってきている中、今は結果を出しながら、次の課題に取り組んでいます。なにも変えずに突き進むだけだと思います。去年あれだけの結果を出したのは誇りに思うべきことですし、喜びを分かち合える結果を出せたと思います。ただ、選手も含め一人もクラブの中から「満足している」と言っている者はいません。さらに結果を出すためにどうするか。何事もすべてがいい方向にいくわけではありませんから、いろいろなものを改善しながら、なにかにトライして、さらに違うやり方をしていこうと。「結果を出しながらそういう取り組みをできているのはいいことです」と言った直後に引き分けの試合があっただけです。言われているからなにか変わってしまうような安っぽいものではありません。どの期間について触れているかは違いますけど、私も同じような感覚を持っています。3、4年、5、6年掛かって、今の名古屋グランパスに戻せるのが普通なのかなというくらい落ち込んでいたところから、この短期間で私だけがなにかしたわけではなく、選手たちもすさまじい努力をしてくれました。1年で結果を出して、今年も引き続きそういった戦いをできています。自分たち自身が取り組み方、結果に自信を持っているので、なにを言われても構わない状況です。最高の質問をしてくれてありがとうございます。


ー負けてはいない状況ですが、序盤戦で壁というか、越えるべき機会が訪れたことをどのように感じていますか?

先ほどのやり取りを聞いてもらったら、この質問を聞く必要はないと思います。壁というものを感じていないことも先ほど言ったので、なんの壁の話をしているのかわかりません。お互いの立場がありますので、私は監督として質問をいただいて、メディアの皆さんを通してファミリーの皆さん、世の中にメッセージを伝えていただいています。お互いにリスペクトの関係を持ちたいと思いますので繰り返し言いますけど、100パーセント文句のつけようがないことをやっているとは一切思っていないですし、常に努力して改善しようと思っています。今のこの状況でなにか小さなことがあった瞬間に、突かれるべき状況で我々が作業しているのかなと。イタリアでは毎日のように友人や知り合いの知り合い、関係のある方が亡くなるくらいの状況で、気持ちも辛い中で日本という土地で働いていますが、それを言い訳にせずにこれだけの成績を出せるように取り組んでいます。毎日のように話をする皆さんからのこの質問は嫌がらせに近いような質問だと思います。「一緒に闘ってくれる」という気持ちがないなら、皆さんと日々コミュニケーションを取る必要がどこにあるのかなという捉え方になってしまいます。であるならば、皆さんとこういう仕事を通して知り合いになれたことはすごくうれしいので、その関係がなくなってしまうことは惜しいので、今後一切、仕事の話をしない関係になって、友人として皆さんと関係を続けていけるだけの方がいい人生を送れるのではないかなと。お互いにプロとしての関係を持ち続けるなら、お互いにリスペクトして、私の立場を理解してもらえたらと思います。これで我々が壁にぶつかっているなら、ほかのチームはなににぶつかっているのかなと。声を荒げていますけど、怒っているというより残念な気持ちです。6勝2分けという結果で、川崎フロンターレが1試合多い状態ですばらしい成績を残していますけど、完全に置いていかれたという状況ではないと思います。この状況で私が言い訳を言ったり、説明したり、謝罪したりする方向にもっていくような質問をぶつけてくるのは、こちらの気持ちが良くなるものではないと思います。2年前だったらその質問をしてもらってもいいですけど、今はそのような質問をされる筋合いはないと思います。


ー過密日程での試合が続きます。選手をローテーションする意味で、例えば阿部浩之選手や森下龍矢選手の起用についてはどのように考えていますか?

試合に向けてその時に調子のいい選手を使ったり、使わなかったりすることがあります。人数も多くいますので、すごく状態が良くても、なかなか試合で起用できない選手もいる状況で今シーズンがスタートしました。阿部は出番が回ってきそうな時にケガをして、ずっと出ていない期間があっただけです。阿部についてはずっと「大事な戦力だ」と言っています。阿部がスタートで出るべき試合になったら、スタートで出します。先日の試合でも途中で、アクセントを加えるところで出てもらいました。森下に関しては練習で、試合の出場機会を作ってあげたいと思うようなプレーを見せてくれています。試合に出れていない中でもすごく成長したと感じることがあります。ポジション的に吉田(豊)、成瀬(竣平)、宮原(和也)がいて、彼らもすごくいいプレーを続けています。彼はポジティブで、すぐにでも自分の出番が来るだろう、いつでも試合に出れますよという姿勢を見せつつ、どうすれば成長できるかという取り組みをしてくれています。その時が来たら試合に出るべきですし、出たらすごくいいプレーをしてくれると思います。彼自身もそのような心配をしていないと思います。いつでも出られるという態度でずっといてくれています。


ー連続無失点が続いています。守備については完成されたものなのか、それともまだ突き詰めていく部分があるのでしょうか?

このような話す機会で何度か言っていますけど、2019年に来て与えられた使命は残留。今実際に続けているプロジェクトは、2020年の頭からチームを任せるから、強いチーム、勝てるチームを作ってくれということ。そのようなプロジェクトに基づいて去年1年やって、今年もそのようなプロジェクトを続けていこうと、チーム、クラブと話しながらやっています。その中でどのようなチームにしなければいけないか。もう一度名古屋グランパスが勝てるチームになるためには、あらゆる意味で堅いチームにならなければいけないと。皆さんもそういった意味で「堅い」と評価してくれています。ディフェンスが堅いだけではなく、なにをやらせても手堅い、どんな隙もないチーム作りを目指しています。あくまでご質問いただいた時に、「こうだからこういうことができています」と言うには、いろいろな数字を使えば便利な時もあります。普段私は何点取って、勝点がいくつあるかということにしか興味がありません。ですが、ゴール前を固め何本もロングボールを蹴って、たまたまうまくつながって1点取れればいいというサッカーをやっているわけではありません。それはポゼッションの数字を見てもそうです。どういう相手に対してどうだったかは、そういった数字から見られると思います。去年の成績を見ても、同じような順位にいたガンバ大阪やセレッソ大阪とはほとんど同じような得点数です。失点数は我々のほうが10点ほど少なかった。私がこだわっている数字も出ました。なにか壁に直面している、前に進めない立ちふさがっているものがあるというより、自信を持てるものがあった上で、実際に努力し、いろいろな形で点を取ることを作り上げました。時間帯によってその作業が終わったら、また自信を持っている守備にウェイトをシフトして、ゴールを優先するよりまずはしっかり守るという試合運びをすること。直近2試合では決めるべきところで決められなかったという課題がありますけど、そこに対して全く可能性を感じることができないメンバー、サッカーの仕方ではなかったと思います。どちらの試合もチャンスシーンが全くなかったわけではありません。我々自身がもっとこうしなければいけないと考え、より強いチームに向かうための作業もしています。立ち止まってなにかというより、「もっとこうしていこう」と取り組んでいるところです。なにか悩んでいる、うまくいっていないと表現をされると、チームにとってはふさわしくないのかなと。選手がどのように取り組んでいるのかは、監督という立場で話す上では悪い書き方をしてほしくないです。どのように書こうが自由ですけど、現状は全くもって悩んでいないです。必死に取り組んでいますし、その先に光があるとわかった上でひたむきにやっています。