ピッチ内外における選手たちの変化が、
シーズン半ばにして一つの結果を生んだ。
クラブ史上初の「クラブユース選手権」のタイトルはいかにしてもたらされたのか。
主体性を強く求める指揮官のアプローチに迫った。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
監督就任から2年目を迎えました。今シーズンはどのような目標を持って臨んだのでしょうか?
古賀 選手たちとともに、「頂点を獲る」という決意を持って臨みました。昨シーズンは「頂点を目指す」という目標を設定して挑み、クラブユース(日本クラブユースサッカー選手権大会)でベスト8、プレミアリーグWEST(高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ WEST)で3位という成績に終わりました。その結果を受けて、今シーズンは目標を変えたんです。目標を達成するために、選手たちの主体性をどのように高めていくかという話をし、選手主体でチームを運営していこうと。主将、副主将、グラウンドマネージャー、新人監督、寮長、地域貢献担当という役割を分担した上で、シーズンに入っていきました。
昨シーズンも役職を置いていたかと思いますが、今シーズンはさらに役割を増やしたのでしょうか?
古賀 新人監督、地域貢献担当は、今シーズンから新たに取り入れたものです。また、ピッチ内ではトレーニンググラウンドマネージャーという役職も新設しました。ウォーミングアップやトレーニング後のダウン、フィジカルトレーニングといったところの質を、スタッフとともに向上させていくという役割です。それぞれの役割を明確にし、一人ひとりが責任感をより強く持つようになったことで、いい循環が生まれてきていると感じていますよ。
昨年のプレミアリーグWESTは3位という結果でした。プレミアリーグ復帰1年目の結果として、どのように評価していましたか?
古賀 頂点を獲るに値する力を持った選手が多く在籍していただけに、成長スピードを上げることができていれば、タイトルを獲れていたのではないかと感じています。最後は6戦負けなしと、“負ける気がしない”という状態まで持っていくことができたものの、シーズン当初や後半戦の序盤に力を出すことができなかった。成長速度が足りなかったと捉えています。
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