2017年4月の社長就任以降、小西は「世界に通じるクラブにする」という想いの下、グランパスの陣頭指揮を執ってきた。
クラブ経営の内側に迫るべく、『INSIDE GRAMPUS』では、連載企画として小西のインタビューを敢行。
第4回では、7月20日から始まった「鯱の大祭典」をテーマに話を聞いた。
社長就任から3年目となった今シーズンは、事業としてどのような目標を設定して臨んでいるのでしょうか?
小西 さまざまな目標がある中で、最も大きな目標として設定しているのが「主催試合で50万人のお客さまにご来場いただく」ことです。昨年末のインタビューでもお話しした通り、過去2年間で石垣はできたと感じておりますから、今シーズンはその上に城を築いていくということで、“50万人”という数字を達成したいと思っております。
昨シーズンの目標が40万人であったことを踏まえると、クラブとしてチャレンジングな数値設定かと思います。
小西 はい、かなり高い目標だと思います。この数字を達成するためには事業サイドとチームが一体となって取り組まなければいけません。スタッフが一丸となって頑張ってくれていること、そしてなによりもお客さまが、苦しいチーム状況でも常にスタジアムで選手を後押ししてくださることもあり、7月20日のガンバ大阪戦を終えた時点では順調ですね。そしてここからもう一段ギアを上げていくために、秋に向けて勢いをつけていくために、「鯱の大祭典」を開催していくということです。
今シーズンはすべてのホームゲームで冠イベントを行っています。実施に至った経緯を教えてください。
小西 スタジアムにご来場いただいたすべてのお客さまに「来て良かった」と思っていただきたいから、ですね。お客さまの中には、すべての試合を観に来てくださる方もいれば、1年に一度しか来られない方もいらっしゃいます。もし、年に一度の観戦でスタジアムイベントが開催されていなかったとしたら、思い出として残らないかもしれませんよね。その人にとって「なにもない1日」で終わってしまえば、それがそのままグランパスに対するイメージとなってしまう可能性もある。やはりそれではいけませんよね。どの試合にお越しいただいても「楽しかった」と感じてスタジアムを後にしていただきたい。「1分の1を大事にしていこう」という想いから、すべてのホームゲームで冠イベントを実施することにしました。
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