充実の中断期間を経て、チーム状況は一転した。
一時はリーグ戦15試合に渡って白星から遠ざかり、最下位に沈んでいたクラブは、
破竹の7連勝で今や上位争いにも名乗りを上げようとしている。
反転攻勢の礎となった今夏の選手補強は、いかにして実現したのか——。
チーム統括部の大森征之スポーツダイレクターに話を聞いた。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
―第25節で磐田を下し、リーグ戦7連勝を飾りました。現在のチーム状況をどのように見ていますか?
大森 開幕当初から積み上げてきた選手たちと新加入選手の歯車が噛み合ったことで、7連勝という結果につながったのだと思います。一人ひとりが攻守に渡ってハードワークをし、それぞれが自分の特長、良さを出すことができている。一丸となって戦えていることも含め、内容と結果を示せるチームになってきたという感覚がありますね。
―現在のチーム状況とは対照的に、前半戦はリーグ戦15試合勝利なしと苦しい戦いが続きました。改めて当時を振り返っていただけますか?
大森 開幕2連勝と滑り出しは良かったのですが、その後は負傷者や体調不良を訴える選手が続出し、次第に勝ち点を積み上げられなくなっていきました。シーズン中に起こり得る様々な事態に備えて、強化スタッフは動いておくものなのですが、昨シーズンにJ1昇格プレーオフに出場したこともあり、プレシーズンに十分な戦力を確保できなかったという側面もあります。翌シーズンの予算が見えない中で、補強が制限されてしまう部分もありましたから。
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