グランパスへの加入が決定した野上結貴選手に加入後初となるインタビューを実施。移籍の経緯や自身のプレースタイル、そして来シーズンへの想いなどを語ってもらった。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
グランパスへの加入が決まった今の心境はいかがですか?
野上 新しいチームに入る不安はありますけど、ビッグクラブでやれる楽しみが大きいです。
不安と楽しみだと楽しみのほうが大きいですか?
野上 いや、半々ですね(笑)。
サンフレッチェ広島のリリースには「広島での1年目は白髪だらけになった」というコメントもありましたね。
野上 そうなんです。人見知りで、あまり自分からガツガツいけないので……。でも、広島の人はみんな向こうから来てくれたのでありがたかったです。広島加入時と比べると年齢が上がっていますし、若い子たちはガツガツ来にくいと思うので、僕から話し掛けていかないといけないですね。
グランパスからのオファーをどう受け止めました?
野上 素直にうれしかったです。年齢が上がってきている中でもオファーがくるというのは選手として評価されていると感じました。
オファーを受けた時には、クラブのビジョンや評価されているところについてはどんな話がありましたか?
野上 まずは来シーズン、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の出場権をつかみたいという話でした。僕個人としてはいろいろなポジションをできるところと、ビルドアップについて言っていただきました。器用な選手が少ないのでうまくボールを動かしてほしいということでした。
対人守備やユーティリティさ、足元の技術、空中戦などいろいろな特長がある中でも特にビルドアップだったと。
野上 特に、というわけではないですけど、いろいろなことができるというところや経験値というところも言っていただきました。藤井(陽也)選手をはじめ若い選手がいる中でポジショニングやコーチングの部分を伸ばしていってほしいということも言われました。グランパスに今いる選手は一芸に秀でているというか、特長を持っている選手が多い中でオールラウンダーは少ないという話でした。
2022シーズンの広島では3バックの右や右ウイングバックでの起用が多かったですが、ポジションについての話はありましたか?
野上 3枚のどこかという話でしたけど、個人的には真ん中をやってみたいと思っています。広島に加入した時は真ん中をイメージして入って、実際に真ん中をやっていた時期もありました。ただ、塩谷(司)選手が移籍したことで右ができる選手がいなくなって、器用ということもあってそこで起用されることが多くなりました。城福(浩)さんの1年目は4バックの真ん中でしたし、J2から行った時も4バックの真ん中でした。個人的に真ん中は自信を持っているポジションです。サイドというよりは真ん中から組み立てるのが好きですね。
真ん中だと組み立てもそうですし、カバーエリアの広さもより生きそうですね。
野上 そうですね。スピードは自信がないわけではないですし、予測というところも長けていると思うのでおもしろいのではないかなと思います。
6年半在籍した広島を離れることに悩みもあったのでは?
野上 かなり悩みました。(ミヒャエル)スキッべ監督とも何度か面談をして、「まだ一緒にやりたい」という話をしてもらっていました。ただ、個人的にはもう1回、ポジション的にも3バックの真ん中とか、4バックとか、そういうところで勝負したいという思いが強かったです。思い入れのあるチームから一緒にやりたいと言っていただいていたのですごく悩みましたけど、最終的にはこの年齢で勝負したいポジションにチャレンジできるということで決断しました。
誰かに相談したりしましたか?
野上 名古屋の雰囲気はゴロー(稲垣祥)に聞きました。ゴローは「いいチームだし、入りやすい」と言ってくれました。目標も高くて、チャレンジするにはいいチームかなと感じました。チームのこと以外にも町並みというか暮らしやすさなど私生活についても聞きましたが、ネガティブな言葉はなかったですね。
稲垣選手は親身になって聞いてくれそうですね。
野上 本当にいいヤツですよ。高校時代から知っていますし、広島で一緒にやって、また名古屋でプレーできるのはすごくうれしいです。
グランパスの選手やチームの印象はいかがですか?
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