10月10日(日)、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021 WESTの第14節が行われました。名古屋グランパスU-18はトヨタスポーツセンター(人工芝)でセレッソ大阪U-18と対戦し、1-0で勝利。試合結果、コメントをお届けします。
[開始時間]
13:00
[試合会場]
トヨタスポーツセンター(人工芝)
[試合結果]
名古屋グランパスU-18:1-0:セレッソ大阪U-18
[名古屋グランパスU-18メンバー]
GK:宮本 流維
DF:吉田 温紀、葉山 新之輔、伊藤 康太
MF:加藤 玄、佐藤 大晴、宇水 聖凌、鈴木 陽人
FW:真鍋 隼虎、貴田 遼河
64分 鈴木 陽人→豊田 晃大
85分 佐藤 大晴→牧嶋 波亜斗
85分 貴田 遼河→松本 皐誠
90+3分 宇水 聖凌→西 凜誓
[得点]
42分 貴田 遼河
※名古屋グランパスU-18のみ
古賀聡監督
ー試合の振り返りをお願いします。
先週は選手18人がチームの代表として強い想いを持ってピッチの中で闘うことができなくて、土俵にも上がれませんでした。それが結果に顕著に表れてたことを共有して、彼ら自身もおごりがあったというか、隙があったと理解して、ここからがスタートだと臨みました。今日はそういう意味では土俵にはしっかりと上がれたのかなと。内容に関してはまだまだ攻撃的にいくところが足りないと思いますが、粘り強くプレッシャーを掛けて相手の攻撃を阻んで、そこから少ないチャンスをものにして勝利できたので選手たちを評価したいと思います。
ー前半は相手が後ろからつないでくる中で相手のミスを逃さずにうまく拾えていたような印象です。狙っていたのでしょうか?
そうですね。今シーズン、セレッソ(大阪)さんと対戦するのは3回目ですので、やってくることは想定できました。剥がされることもありましたけど、粘り強く行き続ければ必ずミスが出たり、精度が下がるので、ボールを奪える瞬間が出てくるというところは彼ら自身が一番よくわかっていたと思います。
ーここ2試合は貴田遼河選手がスタメンで出場しています。どのようなところを評価しているのでしょうか?
得点を取る能力がありますし、どん欲にゴールを目指す、フィニッシュまで持ち込む意識が非常に強い選手です。真鍋(隼虎)のようにチームを勝たせられる存在になりたいと先輩の背中を追いかけてやっていますので、非常に頼もしくなってきたと思います。守備のところでも献身的にプレッシャーを掛けにいこうとするところは良くなっているので、攻守で関われる時間が長くなってきていると思っています。
ー前線の2人はいつも激しく前からプレッシャーを掛けていますね。
そうですね。オールコートプレス、オールコートアクションというのはチームが成長するための絶対条件なので、それは誰が出ても求めていきたいですし、もっともっと磨きを掛けていきたいと思っています。
ー吉田温紀選手をボランチで起用しています。それは伊藤康太選手がいいプレーを見せているからでしょうか?
そうですね。伊藤は今日も安定した守備で、ビルドアップも適切にしていて非常にすばらしいパフォーマンスを見せてくれました。あとは齊藤(洋大)がケガをして、あと1カ月くらいは掛かるので、そういったところでボールを前進させる力があるというところで吉田を選びんでいます。彼自身も将来的にはボランチで勝負をしていく意識があるので、そういう意味で経験を積ませながらという意図もあります。
ー加藤玄選手ではなく、吉田選手をボランチにしているのはボランチでやりたいという意識が強いから?
加藤もチーム事情はありますけど、ボランチとしてできるのはわかっているので、センターバックとしての幅を広げながら、次の大学でのステージではセンターバックもボランチもできるようにと。サイズがある選手ですし、的確にビルドアップができて、ボールを前進させられるというように、次のステージを見据えて成長させるために今のポジションを選択しています。
ー後半はプレッシャーが掛かりづらくなって押し込まれる時間が増えたと思います。その中でGKも含めて後ろの選手が頑張っていたと思いますが、彼らの評価はいかがですか?
伊藤と加藤のセンターバック2人が声を掛け続けて、サイドバックの佐橋(杜真)と葉山(新之輔)は前節、彼らのところをやられて悔しい想いをしているので、そういう意識は高かったです。あとはボランチの宇水(聖凌)が入ったことで、広い範囲をカバーする力がある選手なので、吉田と共に最後のところを割らせない守備をできていました。もちろん最後は宮本(流維)が1つ、2つセーブをしたのもありますし、やらせないという意識は強かったと思います。
ーリーグ戦が混戦の中でここで勝ちきれたのは大きかったかなと思います。
全試合消化することは難しいと思うので、勝率で勝者を決める形を取る可能性もあると思います。そうなるとより1試合の重みが増します。1試合勝つことで勝率はすごく上がります。消化試合数が違い、ガンバ(大阪)さんが5試合で4勝しているので、実質的にはガンバさんがトップだと思います。そこに追随できるようにしていきたいです。次は大津高校さん、その次にガンバさんと闘うので、息もつけない強豪たちとの戦いが待っていますが、うれしいプレッシャーだと感じています。
ー選手たちにとっても成長するいいチャンスですね。
本当にそのとおりです。ようやくプレミアが再開して、前節負けたことで本当の意味で開幕したと感じています。それまではなんとなく勝ててしまったり、結果が出てしまったりして運が良かった部分がありました。もちろん彼ら自身は頑張ってはいたんですけど、結果的に勝てたり引き分けたりしてしまっていたので、そういう意味でようやくスタートしたかなと。先週1週間はみんながストレスを感じていたので、ようやくストレスの掛かる状態になったかなと。
ー厳しく声を掛けたのでしょうか?
前節の試合後には声を掛けました。サブの選手も含めて、いい準備ができていなくて、想いを持って入れていなかったので。
ー練習から意識は変わっていましたか?
何人かの選手は前回の試合で自分の弱さを知って、それをみんなの前でさらけ出して伝えてくれたので変わってきています。
吉田温紀選手
ー今日の試合では、前節の敗戦から生かせた部分もあったのかなと思います。
前節は2−0で勝っている状態から3−2に逆転されて、どこかで「勝てるんじゃないか」という甘い部分があったと思います。今週は今日のプレミアに向けてやっていこうと思ったんですけど、練習のところでもまだ自分たちが変われない部分があって、土曜日に3年生で話し合いました。自分たちが目標とするファイナル進出に向けて、もっと自分たちがやっていかないといけないと話しました。18人の登録メンバーに選ばれていない選手のためにも中途半端なプレーはできないと思いますし、自分たちが覚悟と責任を持ってやっていこうと話し合って、まだまだ足りなかったですけど、前節と比べれば90分間全員が気持ちの入ったプレーをできたのかなと思います。
ー守備面では前から行きつつ、球際で頑張ったことがパスミスを誘ったのかなと思います。
攻守において自分たちからアクションし続ける中で、前からのプレスは自分たちの特長なのでそれを前半から出せたのは良かったかなと思います。
ー後半は苦しい中でも吉田選手がいいボールを前線につけていた印象です。自身の出来をどのように感じていますか?
(前節の)ヴィッセル戦ではあまりボールに関われなかったと思っていて、今日の試合では自分からボールを前に配給して、ボールを動かしながら得点に絡んでいこうと意識していました。もっとできたとは思いますけど、前節よりはボールに関われてゴールにも絡めたので良かったかなと思います。
ーボランチに戻ったのはいつから?
チームでは最近なんですけど、代表でボランチをやらせてもらって、そこからボランチで勝負したいと思いました。
ーなぜボランチで勝負したいと思ったのでしょうか?
自分は攻撃に絡んだり、ボールに関わるのが好きなので。得点に絡んだり、スルーパスでアシストをしたり、ボールにたくさん関わって試合を作ったりしていきたいと思いました。
ーセンターバックの経験は生きていますか?
守備のところで成長できたと感じていて、今日の試合でもボールを奪うシーンなどでセンターバックの経験が生きたかなと感じました。
ー世代別の代表では一つ上のカテゴリーに参加したり、トップ昇格が決まったりと充実した1年を過ごしているのでは?
特別今年からなにかをやったわけではないですけど、2年生の時からスタメンで出させてもらって、そこから積み重ねてきたことや経験がそういった結果として出たんじゃないかなと思います。
ー自信を持ってやれている感覚はありますか?
トップチームの沖縄キャンプに参加した時に自分のプレーをできたところがあったので、もっと自信を持ってやっていいんじゃないかと思いました。でも、慢心するのではなくて、トップで活躍するために日々の練習から自分の武器だったり足りない部分を意識してやるようにしています。
ーこれからの目標はいかがですか?
自分はプロ1年目からスタメンとして出たいという気持ちがあって、そのためには今の時期、プレミアの試合が大事になってくると思います。チームとしても個人としても、ファイナルに進出して優勝するという目標を達成するために、一つひとつの試合で勝ちきることや日々の練習から自分の武器を磨くこと、短所を武器に変えることなど自分に矢印を向けてやっていきたいです。そうすることが自分の成長につながるし、チームにもいい影響を与えると思うので、練習から意識高くやっていきたいと思います。
貴田遼河選手
ーゴールシーンの振り返りをお願いします。
(鈴木)陽人がボールを運んでくれた時に自分にボールが来ると感じていて、陽人も自分を絶対に観ていてくれていると思っていたので、シュートを打つまでの準備をしていました。あの形は(真鍋)隼虎くんが得意な位置で、自分も自主練で練習していたところなので決められて良かったです。
ー真鍋選手の存在は大きいですか?
シュートを毎試合のように決めているので、そういうところは真似していきたいです。
ー今日は守備の時に前線からセレッソ大阪に食らいついていたと思います。
守備のところも隼虎くんが引っ張ってくれている部分が大きいので、自分からアクションしてプレッシャーを掛けることとかがまだ足りていないので、守備の部分でも自分から引っ張っていきたいです。
ー技術が高い相手に対してどういったことを意識しながらプレスを掛けていたのですか?
自分が意識していたのはまずは真ん中を消すことです。相手の6番がうまいというのは聞いていたので、ボランチのところを消しながら、みんながプレスに行けと言った瞬間に行こうと思っていました。ただ、試合中に隼虎くんから「自分からアクションして行け」と言われて、そういう部分が足りていないと感じました。
ー前半は相手のパスミスを拾えるシーンが多かった印象です。
それも練習から意識しているので良かったです。
ー後半は危ない場面もありましたが、チーム全体でよく乗り越えて、前節から修正できたのかなと思います。
前節はスコアが2−0ということで油断している部分があって、そういうところをなくしていこうと話していました。後ろが中心になって守ってくれて、修正できて良かったと思います。
ー最初の決定機は惜しくも逃してしましました。
トラップまでは完璧で、(佐橋)杜真くんからボールがくるところからイメージはできていました。ただ、点を取っていない焦りが出てしまったのか、もう少し落ち着いて蹴られれば良かったと思います。
ーあのシーンがあったからこそ、得点の場面は落ち着いてコースを狙えたのかなと思います。
そうですね。
ー雰囲気が大人っぽくなったように感じますが、今年1年での変化をどのように感じていますか?
自分は4月から少しずつ試合に出させてもらっていて、出場時間が増えていく中で、もっともっと自分がゴールに向かって仕掛けていくことが相手にとって怖いと感じています。そういう部分をなくしてしまうと自分の良さがなくなっていくので、そういう部分は変えたくないと思っています。
ー中断期間があったり、難しいシーズンを過ごしていると思います。
期間が空くことはありましたが、チームの中ではマイナスではなくてプラスに捉えていました。それをチャンスにして、自分たちが勝てるように練習の強度を上げていこうと話していたので、全員がプラスに考えていました。
ー優勝を狙えるチャンスもあります。残りの試合に向けて意気込みをお願いします。
今日点を取って乗れるかなと思いました。自分がもっともっと点を取ってチームを勝たせられる存在になれるように、プレミアファイナルで点を取れるように、頑張っていきたいと思います。