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【インタビュー】杉本恵太氏「アジアを知る男」

186月

6月22日に幕を開けるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージを前に、2005年から2010年にかけてグランパスでプレーしたクラブOBの杉本恵太(現春日井クラブ選手兼GM)氏にインタビューを実施。グランパスが初出場した2009年大会をはじめ、対戦国情報、チームの現状、さらに自身の取り組みについて話をうかがった。


インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部


2009年にグランパスはクラブ史上初めてACLに出場しました。大会前に自身が最も意識したことを教えてください。

杉本 ACLはアジアの強豪チームが集まる大会で、グランパスが初出場する前にほかのJリーグのチームが結果を出し続けていました。ですので、僕らも「日本を代表して闘いにいく」という気持ちを持って、大会に臨みました。


2009シーズン開幕前のオフにポルトガルへ武者修行に行っていたようですね。現地での経験がACLでも生かされたと感じる部分はありましたか?

杉本 グランパスと契約を結んだあとに、武者修行という形でポルトガルのチームに練習参加させていただくことになりました。Jリーグでは主に日本人と対峙していたので、実際に現地に行くと「日本人はこういうプレーをするけど、外国籍選手はこういうプレーをするんだ」と思いました。また、日本よりもポルトガルのほうが、スピードのある選手が優遇されるとも感じましたね。ポルトガルに行ったことで、自分にできること、自分にできないことがはっきりしました。そこでの経験がACLで海外の選手と対峙する際にも生かされたと思います。


2009年のACLは初出場ながらベスト4という成績を残しました。大会を振り返ってください。

杉本 Jリーグでの試合と並行してタイトなスケジュールで試合をこなさなければいけなかったので、チーム全員で大会を闘わなければ難しいなと。Jリーグの試合に絡んでいる主力選手だけがACLの試合にも出続けていたら、結果は出ないと思います。また、その国々によって、文化や宗教などの違いがあります。夜中の3時か4時くらいに、いきなり音楽が鳴り出して、お祈りを始めるとか。そういったことは、日本ではなかなか感じられませんよね。前日にどれだけいい準備をしていても、アウェイでは予期せぬことが発生します。大会を通じていろいろなことを経験できました。


アウェイの洗礼を受けたこともあるのでは?

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