NGE

明治安田生命J1リーグ第8節 湘南戦 前日監督会見

64月
4月6日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、7日(水)に行われる明治安田生命J1リーグ第8節の湘南ベルマーレ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー前節で開幕からの連勝は途切れましたが、もう一度引き締めるいい機会にもなると思います。選手へのメンタル的なアプローチはどのようなことを考えていますか?

どんな相手と対戦しても闘えるチームを作っていく過程にある中で、今年に入ってからは、どこがどうというわけではなく、全体的に強さを増していかないといけないと、攻撃に関しても守備に関してもあらゆる部分で求めています。その中で最初の一区切りとなる6試合で全勝でき、「そういった作業をしてきた中で連勝できたことは結果としてこれ以上のことはない」という話をしました。ただ、決してその時にどこと対戦しても勝てるような状態で、1試合も落としてはいけないというような位置づけをしたつもりはありませんし、前節のFC東京戦も「勝てなかった」という一言で表現する必要は決してないと思います。逆に言えば東京には昨年も苦しめられましたし、あれだけ攻守において質が高く、チームとしての戦術的なサッカーを全員ができ、すばらしい監督の下でサッカーをしているチームに対して、決して観ていて退屈するような内容ではなく、点が入らない中でもさまざまな場面でチーム単位での駆け引きがあったゲームでした。そういった試合もやれるのだと前向きに捉えていい部分がたくさんあったと思います。メンタル的な部分も含めてこれからどうやっていくべきかということは、なにも変える必要がなく、このまま我々のやり方に自信を持って続けていくべきだと思っています。


ー第2節から続いている連続無失点記録が6試合になり、次節も無失点に抑えればリーグ記録に並びます。記録は意識していないと思いますが、そういった状況についてはどのように感じていますか?

今、私は就任してから3年目と表現されることが多いですが、実際には名古屋に来て作業し始めてから1年半ほど経ったというところです。その中ですべての面において強化していかなければならないと就任当初から言ってきました。決してディフェンス力を上げることだけに傾いた作業をしているつもりはありませんし、結果的に作りたいチームがそういったものだという気持ちもありません。サッカーは攻守で分けられないところもありますし、いろいろな部分での向上をチームに求めた中で、そういうものが徐々に結果として出てきているのかなと。今の時点では守備面でリーグ記録にも並ぶほどのいいところが出ていますが、そういった記録を目指して、そのレベルに強化しようという角度では見ていません。すべての記録は我々の取り組みに対してついてくるもので、自分たちにとってはまたさらに頑張ろうという一押しになるだけという位置づけです。ただその取り組み方としては、対戦相手がいる上でそういう結果を残せたことがものさしにもなりますので、いい意味で捉えた上で、あくまでも我々がやりたいサッカーを準備すること。対戦相手がいて、それがうまくいく時もあれば、いかない時もある。相手によってはやりたいことをそこまでできていないのにできたように見えてしまうこともあれば、逆にすごくできていたのにほぼできていないように見えてしまう。サッカーは相手がいてこそなので、1試合1試合集中しなければいけない部分と、未来を見て長い目でチームの成長を見ています。そういったところでいろいろなアンテナを張り巡らせてやっていかなければいけないと思っています。


ー名古屋の攻撃にとってサイドアタッカーのスピードや突破力が非常に強みだと思いますが、そこに対する対戦相手の対策がより強まってくるとも思います。サイド攻撃以外の、例えば中央を使った攻撃などには改善の余地があると考えていますか?

皆さんがおっしゃってくれていることはもちろんわかっています。ただ、一つの試合を勝ちきれずに終わり、「サイド攻撃を抑えられてダメでしたね」、「そこから点を取るつもりだったんですけどね」というような会話を、まだ今シーズンは皆さんとあまりしていません。東京の守りに対して、こちらもあの手この手と打っていきましたが、東京は対応してきました。多くのチームが我々の攻撃に対策をしてきていると思いますが、サッカーは相手よりも1点多く取れば勝てるスポーツですので、どう点を取ろうというのはいろいろな形で準備します。結果、この形でしか点を取れなかったから、この形で取れたからというのはどうでもいい話です。このような話をすることでどこにたどり着きたいかというのかがあまり見えてこないですね。同時にサイドからも点につながっていてもおかしくないシチュエーションはいくつもあるわけですし、サッカーでは練習で準備していない形で点が入ることもあります。とにかく、我々自身としてはあらゆる部分で質をどんどん上げていけるように、試合を振り返って反省していこうとやっています。相手が警戒してきてもその上にいきたいというところもあれば、相手が警戒しているからあえてそこを通らずに違った道を通るなど、試合によって相手を分析して1試合1試合やっているので、結果として勝てていることが大事かなと思います。


ーささいな話ですが、試合のメンバー表が今シーズンからポジションごとに背番号順に記載されています。昨シーズンまではポジションごとに右から順番に記載されていましたが、心境の変化などがあったのでしょうか?

それは役割の問題で、監督としてはこういうフォーメーションでプレーして、誰がベンチに入ると伝えているだけです。正直、リストの作成をどなたが担当しているかも把握していません。ですからそれはあまりおもしろい話にはつながらないと思いますよ(笑)。もしかしたら担当の方が特別な想いを持ってやっているのかもしれないので、見つけて質問してみてください(笑)。


ー昨シーズンのアウェイでの湘南ベルマーレ戦はギリギリで勝ちました。今シーズンの湘南のイメージと、どういう戦いをしていきたいかを教えてください。

まずはいろいろな試合がある中で、試合前の状態でどちらのほうが優勢なのか。底力やメンバー構成を見て、どちらが強いと見られている状態なのかというのはサッカーの世界ではすべての試合においてあると思います。ただ、そういった点ではJリーグに関しては毎節驚きがあり、1年をトータルで見てもまさかこのチームがこの順位で終わるとは、というところがあったり逆のサプライズもあります。その中で湘南は対戦相手のほうが優勢と見られているようなここ2試合で、しっかりと引き分けを続けていて、結果を出しているチームの状態だと思います。ですから、勝点3を落とさないようにどうするかというような、対戦相手に対して失礼な態度で臨んだら絶対に痛い目にあうと思います。湘南はそういったチームの一つですので、湘南のことをしっかりと見ること。それこそが我々が一番強みにしないといけない、各試合に対して集中するという能力です。その部分で今回もしっかりとやりきった上で、いいゲームをできるように準備したいと思います。そういった感覚は、選手たちも私と同じ温度で共有してくれていると思いますので、そういった厳しい戦いを毎試合積み重ねていかなければいけないと考えています。