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明治安田生命J1リーグ第19節 清水戦 前日監督会見

259月

9月25日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、26日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第19節の清水エスパルス戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


―試合前々日の昨日をオフとした意図を教えてください。

完全にオフというよりも、ゲームに出たメンバーにオフを与えた形です。頭を休ませたかったという意図でした。普段のトレーニングでも、ゲームに出たメンバーは10分から15分くらいのジョギングぐらいしかやらないということも踏まえて、こういった設定にしました。


―本日のトレーニングでオフを与えた効果を感じられましたか?

気になる人が多いと思うので先に言っておきますが、前節では打撲系の故障しかありませんでした。長期的なケガは一切ないのですが、中2日で試合を迎えますので、試合の直前まで待って(メンバーを)決めようと思います。ほかの選手たちはすごくいい状態、気持ち的にも充電してきてくれたように見えました。


―連戦の中で、中2日の試合に向けた準備をどのように考えていますか?

プレー内容については触れずに結果について話すと、勝って負けての繰り返しになっています。そういう意味ではいいコンディションで戦えていないという影響があり、日程の厳しさが結果に出てしまっていると思います。特に米本拓司、阿部浩之、前田直輝、吉田豊の4人は次の試合に出場できるかわからない状況から準備をして、なんとか間に合ってプレーしてきた、という状況が続いてしまっています。前節で金崎夢生も良くない形で打撲をしています。試合中には打撲とは判断できず、検査をした上で打撲だったので、状況によっては次も起用できる状態です。こういったように、やりくりが苦しい部分はあります。


―清水戦でポイントとなるのはどのようなところでしょうか?

まずは誰がどのくらいの時間、プレーができるのかを直前まで見なくてはいけません。最初から使える選手、途中から使える選手の状況を総合的に見て、どういう戦い方をするかを考える必要があります。当たり前ですが、勝つために試合をします。選手たちともそういった話をしています。清水と具体的にどういう試合をするかという点について話すと、清水はなかなか勝ちがついてきていないという中ですが、特長はしっかりと持っているチームです。スピードを生かしたカウンターなど、危険となる形や選手を持っているチームですね。相手の良さを出させない、相手の良さに対応できる人選を考えて準備をしなければならないと考えています。


―前節を踏まえて、今後もやり続けていくべきことはどのようなことでしょうか?

映像を見せながら、続けていくべきことについて選手たちと話しています。前節も点を取れる気配が全くないようなゲームかというと、明らかにそうではありませんでした。ただ、前半で決めきらなければなりませんでした。決めきれるだけのものは作れていましたから。前半を終えてロッカールームに戻る時に、「なんで1点しか入らなかったのか」と思うような試合で、攻撃の形を作れていました。一方でホームでプレーしているガンバがほとんどなにもできておらず、なんとかシュートとしてカウントされる程度のシュートしか打てていませんでした。なぜ、そういった展開を90分続けられなかったかを考えなくてはいけません。ガンバが3選手を交代してきたところから、体力的に少しきつくなってきて、最後は守るだけになっていたところで失点しました。「後半はなにもできなかったのでは」と数名から聞かれたのですが、決してそういうわけではありません。前回の会見ではあえて「バカなゴール」という表現をしましたが、あの失点がなければ1-0で気持ち的にも優位で、2点3点と決めて試合を終わらせる展開になっていたと思います。「あの時間帯には絶対に失点してはいけない」という気持ち的な強さを感じ取れると良かったのですが。なぜ90分続けられなかったかを突き詰めるためには、見たくないシーンこそ受け入れて、プロとして何回も見て振り返るべきです。自分で見て原因が理解できるまで見ようと。良かった部分のハイライトだけ見ていても成長しません。もちろん、自信を持てる部分はありますけどね。選手にはそういった取り組み方をしようと今日のトレーニングで伝えました。今後成長していくためにはそういった見方をしていく必要があると思います。


どんな相手と対戦する時も、ある程度の形は変えずにやっていくべきであり、それはできています。ガンバ戦でも同点とされた後、今日はどのような試合をするのかというメッセージを伝えるためにも、攻撃的な選手を投入しました。「ここから勝ちに行く」というメッセージをピッチ上の選手たちに送り、そして対戦相手にも「我々は引き分けでは満足しない、もっと攻める」というメッセージが伝わったと思います。もう一度試合を観ていただければ、多くの人が言うように後半になにもできなかったわけではなく、前線にもう少し違ったアイデアがあればゴールの匂いのするシーンが作れていた、ということがわかると思います。試合終盤まで相手はカウンターでしかチャンスを作れておらず、我々がしっかりとボールを持つことができました。あえて自分たちがゆっくりボールを回して、自らリスクは作らないようにと。なにもできずにチンタラとボールを回しているように見えたら、それは我々の狙いとは違った解釈です。(後半も)チームとしては全く死んでいなかった、ということも付け加えてお伝えしたいと思います。


―前節では監督と同年代の三浦知良選手(横浜FC)が先発出場していました。イタリアで同時期にプレーされていたと思いますが、彼についてどのように見ていますか?

私と同じような年齢で、「まだプレーしたい」と思うパッションがすごいと思います。また、それを実現するだけのフィジカルがあることもすごいと思うと同時に、羨ましいなと。誰もがそれを望み、実現できるものではないと思うので。実際に、あのようにプレーできていますからね。1試合だけ、プレゼントとしてプレーしたわけではないと思いますし、試合を闘う11人の1人としてプレーしていたと、皆さんも観られたと思います。同じような年齢でまだプレーできていて、羨ましいなと思いました。彼にとっても素晴らしいことだと思います。表の部分しか言っていませんが、彼がそのためにどれだけの努力をしないといけないのかということは、同じような年齢ですし、同じサッカー選手を経験していますので、良くわかります。すべては努力から来るのかなと。


私の人生を大きく分けると二つの章があります。子どもの頃からサッカーをプレーしてきて、30代半ばでサッカー選手としての第一章が終わりました。今は監督という第二章を歩んでいます。どういった第三章になるかはわかりませんが、今は監督という第二章に集中しており、長く続けられることを願っています。そんな中、彼は私と同じような年齢でまだ人生の第一章を過ごしていて、それはとてつもないことですよね。


―成瀬竣平選手の状況はいかがでしょうか?

成瀬はいなくなっていないので心配しないでください(笑)。元気に、とても集中してサッカーに取り組んでいます。以前にターンオーバーについて聞かれて、その時に答えていないかもしれませんが、まず、グランパスのユニフォームを着てプレーする権利を勝ち取るためにどのように取り組んでいるかは、本人たちがよくわかっていると思います。何試合かメンバーから外れた時に、「最近、成瀬はどうしているのか。出ないのか」と質問をいただいてもおかしくないだけの活躍を、成瀬はしてくれました。我々が成瀬を評価していることは本人もよくわかっています。まだシーズンは半分しか終わっていません。これから自分たちの戦力をしっかりと把握して、どう闘っていくのか。吉田豊のところに太田宏介を使ったりと、サイドバックは幸い、まだ全員を使いきれていないぐらい交代できるポジションです。できれば全選手を限界を超える前に交代させて、うまく回していきたいと思っていますが、選手たちも絶対に結果を出さなくてはいけないと考えています。「今年はこういうシーズンだから、この成績でいい」なんていうことは一切考えていません。一つでも多くの勝利を応援してくださる方へ届けたいという想いで、命懸けでやってくれています。疲れてきたから誰かと交代するという考え方ではなくて、「疲れていても絶対に俺のほうがいいプレーをするから使ってくれ」という想いでプレーしています。その中で、回せる部分は回して、それ以外は気持ちを込めて闘ってもらっています。サイドバックに関しては幸いにも回していく可能性を与えてもらえました。成瀬はU19日本代表の活動もあり、ここ最近は試合に出ていませんが、次の試合でスタメンで出ても問題ないと考えています。


質問はされていませんが、宮原和也についても話をします。やっといろいろなものを乗り越えて、ものすごく集中して練習してくれている姿を見ています。サイドバックは多くいますが、絶対に出場機会は得ていくと思います。今のまましっかりと取り組んでいけばいいということを本人もわかっていると思います。サイドバックはいい形でこの試合数を回していけると思います。