“名古屋の金崎”を見られる日が、
少しずつ、近づいてきている。
新型コロナウイルス感染症罹患は、
その日を少し遠ざけたかもしれない。
それでも彼は、力強くピッチへと舞い戻るだろう。
あらゆる経験を“進化”へと変えられる人間だから。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
※本インタビューは5月28日(木)に実施しました。
※記事の最後にインタビュー動画を掲載しています。
2012年以来、8年ぶりにグランパスでプレーすることになりました。まずは金崎選手の“進化”をテーマに聞いていきたいと思います。現在はFWとしてプレーしていますが、プロ入り当初は中盤のプレイヤーだったのですよね?
金崎 もともとはボランチで、いわゆる“潰し役”の選手でした。プロに入ってから徐々に前線のポジションをやるようになって、今ではFWとしてプレーさせてもらっています。FW歴自体は4、5年くらいです。ポルティモネンセSC(ポルトガル)時代から本格的にセンターフォワードとしてプレーするようになりました。鹿島に移籍した時は中盤でプレーすることもありましたけどね。
チームの状況や監督の要求に応える形で、ポジションを変えながらキャリアを築いてきたのだと思います。最初にポジション変更を伝えられた時に抵抗はなかったのですか?
金崎 自分の中で軸というか、根っこの部分があるんです。どんな時でも譲れないもの、変わらないものというか。それと同時に、変化することもすごく好きなんですよね。自分自身、変化しながら成長してきたという感覚があります。なので、なにかを変えることに対して悪いイメージはありません。ただし、自分が納得できていることが前提です。「このポジションでプレーしてほしい」と言われた時に、自分の考えと一致しているかどうか。そこで同じ方向を向いていたら、どんどん新しいチャレンジをしていきたいと考えるタイプです。「本当にこれでいいのかな」と納得できないままだと、必ず中途半端なプレーになってしまいます。中途半端なプレーをしていたら成長はありません。芯のところをぶらさずに変化していくのが自分のスタイルだと思っています。
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