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マッシモ フィッカデンティ監督 6月13日囲み取材

136月

6月13日(土)、トップチームの全体練習再開を受け、マッシモ フィッカデンティ監督がテレビ電話での取材に応じました。取材の模様をテキストでお届けします。


マッシモ フィッカデンティ監督


ー一時的に中断していた全体練習が今日から再開しました。意識も含めて、今日の練習で変えたことはありますか?

ここまでどういう形でなにがあったかというのは、今後試合をする上でなにも考慮されない情報です。今必要なのは、残り3週間の中で闘える状態にチームを仕上げること、それに向けて集中して取り組むということだけです。それを選手にも理解してもらった上で、やるべきことをしっかりとやっていこうと。今日はそういう感覚で、意識を統一してスタートしました。


ー前回、全体練習が再開したタイミングでは「様子を見ながら上げていく」というような話をされていました。今回はそういった形での進行が難しいと感じますか?

選手の状態を見極めるために、我々はより神経を研ぎ澄ませて観察することが大事です。本来よりも作業に割ける時間が少ない中で仕上げなければならないとなると、リスクは高まると思います。リスクが高まらないように、「この選手は疲労が溜まっているようだ」と我々スタッフが見張りながらやらなくてはなりません。とにかくスピードを上げていくしかないと思っています。


ー今日はどのような練習を行いましたか? また、選手の動き、表情についてはどのように感じましたか?

選手たちはプロであり、この仕事をやっていく上ですべてが必要なトレーニングと理解していると思いますが、彼らも人間です。思ったようにサッカーに取り組めないというメンタル的に辛い時期を経て、今日全員で“1日目”を過ごすことができました。そういう意味で、きつかったり、ボリュームのあるようなトレーニングをするよりも、ボールを使ってサッカーを楽しめるようなメニューを中心にやりたいという考えがありました。ボールを使ったテクニックをやったり、ポゼッションをやったり、ゲームをやったりと、ほとんどのメニューの中でボールに関わるイメージで今日はやりました。選手たちもすごく前向きな気持ちでやる気に満ちていました。「待ち焦がれていたんだ」と感じられ、いい雰囲気の中で練習ができたと思います。


ー今日のトレーニングは長い時間取り組まれたと感じました。やるべきことは多かったですか?

その日にどういう練習メニューをやらなくてはならないのかを考慮してやるようにしています。今日はそれだけの時間を要する内容だったということです。ただ、そこまで長かったとは思いません。


ー前回の取材時には、「毎週、トレーニングマッチを行いたい」と語っていましたが、チームスケジュールの変更により試合数は減るかと思います。リーグ再開までに何試合程度こなしたいと考えていますか?

本来は4試合できていたかと思いますが、計算上2試合しかできないと思います。そこについては、「4」が「2」になるというよりも、「2試合の練習試合を含んだ3週間でどのようにコンディションを作っていくのか」という考えで取り組んでいかなければなりません。もう一度組み立てた上でやっていきたいと思います。もちろん、実戦感覚、戦術の精度を相手にぶつける練習試合の回数が減った分、そこに取り組める回数も減りますが、先ほども言ったようにそれは言い訳になりません。逆にその2回をより生かすためにどうやるかというところに取り組みたいと思います。


ー金崎夢生選手、ランゲラック選手に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを聞いた際、どのような心境でしたか? また、2人に対してどのようなサポートをしていきたいと考えていますか?

自分が専門家としてコロナウイルスとはどのようなものかをしゃべるつもりはありませんが、陽性反応が出てしまったと聞いた時は残念な気持ちでした。なるべく早くいい状態、健康な状態を取り戻してもらいたい、1日も無駄にしないようにチーム全体でサポートしていきたいと感じました。コロナウイルスが世間で蔓延している中で、身近な人の中から出てしまったことに対して驚きはありました。それと同時に、そうなってもおかしくない状況の中で我々は生活しているのだと感じました。スーパーに買い物に行かなくてはいけない状況においても、感染してしまう可能性があるわけです。誰にとっても危険であるという状況において、感染してしまった以上は早く治ってほしいと思うしかありません。それが世界中におけるコロナウイルスの位置付けだと思っています。その中で「こういうものだ」、「今はこう位置付けるべきだ」、「なにが安全なのか」と私が言うのは、無責任なメッセージになりますし、世間に伝えたくはありませんから、今は感想だけを述べさせてもらいました。まとめると、「驚いたけど早く戻ってきてほしい」ということです。


ー選手たちのメンタル面に対してはどのように働きかけましたか?

今、名古屋グランパスが置かれている状況を考えると、再開に向けた期間が短く、もしかしたらほかのチームよりも準備の面で難しさがあるかもしれません。とはいえ、いつものシーズンに比べて多くのことができない中で、選手たちはこの仕事をできる喜びを感じながら、グラウンドからサポーター、スポンサーの方々に対して感謝の気持ちを表現していこうとしています。このチームにはそういうエネルギーがあります。「この期間で準備をして試合をしなければいけない」と考えるのではなく、「最高の準備をして最高のゲームをできるように、一人ひとりが努力した上で、最初の試合に向けてやっていこう」と伝えました。ケアと言うより、そういった前向きな呼びかけをした上で練習を始めました。


ー今シーズンは総力戦になります。その中で5人交代制というルールは、メリットとして捉えているのでしょうか?

私個人としては、リクエストに対して応えてほしいという意味で、全員に高い競争力で争ってもらいたいと思っています。そういった争いを実現してくれた際には、誰を使ったらいいか、すごく悩ましくなるでしょう。今回、1試合の中でさらに2人多くプレーチャンスを与えられるというのは、「呼びかけに対して頑張った分、試合でも頑張ってくれ」と場所を提供できるのでうれしく思っています。その中で、選手たちもメカニズムとして理解してほしいです。つまり、それ(交代枠)を生かして、勝利に近い状況を作り出せる可能性の高い選手が優先的に試合に出るということ。一つの試合の中でも、交代枠はなるべくフルに活用するとして、「最後までやりきるのではなく、疲労が溜まっているから交代した」と受け入れてもらうと。もちろん、その逆の立場になることもありますし、あるいはプレーに関わらずにその試合を終えることもあるでしょう。ほかのチームにも適用される中で、我々としては一番フレッシュな状態で毎試合、一番勝利に近い形で闘うということを選手がわかってくれるといいかなと思います。


ー金崎選手、ランゲラック選手は本調子であればスタメン争いに関わってくる選手かと思います。どの時期での復帰を見込んでいるのでしょうか?

見通しに関しては、検査の結果や日数の経過など、いろいろな条件があるので、曖昧なことは言えません。プロトコルに沿っていく形でそれぞれが対応しています。戻れる状況になったら戻り、そこから全力でプレーしていくだけです。私の立場から曖昧なインフォメーションをするわけにはいかないので、このような回答で理解していただけたらと思います。