古賀聡監督
前半は、相手の“最短最速”の攻撃に後手を踏み、準備をできていない状況が数多くありました。そこで失点を喫してしまいました。ただ、前半の途中から、ボール保持者が常にゴールへ向かい続けながら、ボールの受け手も相手の逆を取って、相手を外してボールを受け、ゴールに厚く迫っていくサッカーを示し、そして素晴らしいゴールが生まれました。選手たちを誇りに思っています。
ー青森山田高校のハイプレスは予想していたものでしたか?
特に、前から来ているという印象は(なかった)。こういう試合を数多く経験してきましたし、後ろの選手が慌てることもありませんでした。選手たちの想定した範囲内だったと思います。
ー相手チームは名古屋のサイドバックを目掛けてロングボールを使い、 コーナーキックやロングスローを狙ってきたように思います。
スローインに関しては、準備が間に合っていませんでした。また、キーパーからの長いボールに対してもDF、中盤の選手を含めて準備が遅かった。それは間違いないと思います。
ー今日の試合には敗れたものの、クラブユース選手権、Jユースカップ、プレミアリーグWESTとタイトルを獲得しました。1年間のチーム、選手たちの成長をどのように捉えていますか?
シーズン当初に自分たちで「三冠を獲る」と。これは僕らからの発案ではなく、彼ら自身が決めたことです。そこに向き合い、苦しい状況でも逃げずに高め続けてきました。その証として、ここまで登り詰められたのだと思います。プレーヤーとしての成長はもちろんありますけども、人間的な部分での成長を強く感じられるシーズンだったと思います。3年生を中心に、それぞれがリーダーシップを発揮して下級生を巻き込んで、三冠に向けて逃げずにブレずに自分たちのサッカーを貫き通してここまで来ました。正直、「すごいな」という想いで見ていました。
ータイトルを獲り続けたことは、名古屋グランパスU-18にとってどのような財産になっていくのでしょうか?
負けなしの試合を続けて多くの記録を打ち立てることでクラブの歴史が変わるというか。どんなにいい成績を残しても、後輩たちはきっとそれを追い抜こうとして必死になってもがいて、登り詰めようとします。そういう意味で本当に大きな財産を残してくれたと思います。
ー試合後、選手にどのような声を掛けましたか?
まだロッカールームに戻っていないのでしっかりと声を掛けられていません。ただ、選手たちには「顔を上げて胸を張って堂々と表彰式に臨もう」と伝えました。
ー選手たちにはどういった言葉を伝えますか?
今年、「ユース年代の史上最強で最高のチームになることを目指そう」と臨み、最後の最後で三冠を成し遂げることができなかったわけですけども、“最強最高のチーム”になるチャンスはこれからもあると思っています。トップチームに昇格する選手以外は、ほどんどが大学に進んでいきます。大学1年生から公式戦で活躍して、1年生、2年生の時から強化指定選手としてグランパスのトップチームに戻ってくる。そういった選手が何人出てくるのかというのが本当の意味での勝負だと思っています。それができれば、“最強最高のチーム”であると言えると思っています。