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明治安田生命J1リーグ第33節 神戸戦 前日監督会見

2310月
10月23日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、24日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第33節のヴィッセル神戸戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー明日からタフでシビアな試合が続く1週間が始まります。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)で敗退したショックもあると思いますが、選手たちをどう立ち直らせてチームの力を引き出していきたいと考えていますか?

(韓国から)戻ってきてからもずっと隔離生活が続いていて、チーム全員で一緒に過ごさなければいけないという状態です。もちろんどの試合も大事ですが、今おっしゃられたように大事な試合がこの1週間に凝縮されているというこの日程の中では、敗戦のあとということを考えても、みんなが一緒にいることをすごくいい方向に持っていく必要があると思います。すごく大きな敗戦でしたけど、1週間でそれだけ大事な試合を3つもできる状態にまだありますし、我々にはまだ「今シーズンはいいシーズンだった」と言えるチャンスがあるということ。それだけの戦いをここまでやってきたことが大事だと思うので、この1年間やってきたことをそこで完結させたいと思っています。もちろんその先もありますが、まずはこの1週間でだいぶ変わると思うので、しっかりやりたいと思っています。


ーこういう時は詰め込みすぎてはいけないなど、いつもと少しやり方を変えたりしますか?

どういう形で試合に向けて準備をするかというベースがこのチームにはあります。日程を見ると明日のリーグ戦の神戸戦から中2日で天皇杯の準々決勝があり、さらに中2日でルヴァンカップの決勝と進みます。より仕事の質を高いレベルで保つということを考えると、もっと日程がほしいと少し嘆く部分もありますが、結局日数が短くてもやるべきやり方というものは我々のスタイルがあるので、今までどおりのことをやっていくということをみんなが理解しています。


ー少し前から米本拓司選手が登録メンバーから外れることが続いていて、浦項戦では長澤和輝選手が欠場しました。コンディションに問題があるのでしょうか?

長澤は少し発熱してしまい、ちょうどあの試合にぶつかる形でそういった問題がありました。今はトレーニングをしていますし、コンディション的には問題ない状態ですが、浦項戦を欠場したのはそういった理由です。米本は膝の故障がありまして、そこについて改善を試みている段階です。まだ4週間か5週間程度は掛かるかと思います。2人が最近出ていなかったことについてはご質問いただくくらい皆さんも気にしていると思いますが、私としても韓国での大事な一戦に中盤の2人の選手が出られないというのが重なってしまった影響はすごく大きかったと思っています。


ー以前、監督は「チームの時間以外でもフル回転でチームのことを考えている」とおしゃっていました。こういった時間が少ない時に監督自身としての準備で大切にしていることや時間の使い方で意識していることがあれば教えてください。

こういった時にものを言うのはチーム力、どれだけ一つになれているかというところだと思います。私の感覚としては常に向上心を持つこと。私自身はこういった日程で厳しい中でも「これくらいをキープしておけばいい」ではなくて、「もっとよくできるところはないか」ということを常に求めるタイプですし、そういったことに対して選手たちがいいレスポンスをしてくれていますので、いい関係を築けていると思います。そういった取り組み方をこういう日程でも継続できているというのはすごくありがたいと思っています。


この日程の中で、ということに関して、先ほど米本と長澤のことをご質問いただきましたがもう一つ付け加えさせてください。これはグランパスだけではなくてほかのチームも同じことですが、この日程の中でずっとサッカーを続けるということが、どれだけ選手たちの寿命を縮めることに直結しかねないか、この日程で選手をプレーさせている環境がケガのリスクを高めているのではないかということです。直接的にケガにつながるというところでは一つのプレーがきっかけになることもありますが、コンディションをずっと保つというところには絶対に影響があるということを常に頭の中に入れて置かなければいけません。残念ながら(米本と長澤の)2人だけではなくて、阿部(浩之)も手術をするレベルのケガをして、今は復帰に向けて努力をしているというところです。山﨑(凌吾)も試合から遠ざかっている背景にはコンディションの問題があり、(戦列に)戻ってきてもなかなかしっくりこないというのもあったりします。グランパスがどうこうという言い訳として言っているわけではなくて、そういったものの影響もあるということを言っておきたいと思います。


ー明日対戦するヴィッセル神戸は今夏に大迫勇也選手やボージャン クルキッチ選手、武藤嘉紀選手を獲得して大型補強を行いました。監督は武藤選手のことをよく知っていると思います。監督が指導されていた時から6年経った彼をどう見ていますか?

おっしゃっていただいたように武藤選手はよく知っている選手です。彼がサッカーに対してどう向き合っているのか、プロとしての取り組み方やグラウンド以外での部分も含めてどこに行っても自分の力を出せる取り組みをできているとわかっています。年齢的にもこれだけのことをやって当然ですし、そういうものを日本に帰ってきてからもすぐにグラウンドで示していると思います。相変わらずすばらしい選手だという感覚です。大迫選手に関しては先ほどの自分たちだけではないというところにつながりますが、サッカー界では対戦相手であっても他人のケガを願うことはありません。彼は日本代表の選手で、代表もすごく大事な時期ですのですごく残念に思っています。明日は恐らくプレーできないと認識していますが、まずは早く彼がプレーできる状態に戻ることを願っています。ボージャン選手はキャリアの最初ほど、そこから期待されていたほどの実績をここ2、3年くらいは積めていないと思いますが、プレーを見ていると、相変わらずプロとしてプレーし始めた頃のすばらしい彼の印象というものが随所に見えるところがあります。すでにすごく強かった神戸にその3人が加わったことは大きいと思います。明日のゲームは勝つために相当難しい思いをするところがあると思いますが、我々も韓国で浦項とやった試合も含めて、今シーズンやってきた戦い方をできています。浦項戦も1時間ほどはほぼ我々がいい形でプレーをしていたというのがありますので、どこで注意を欠いてはいけないか、あとは試合をとおしてどう振る舞うべきかということをやりきれるかというところにこだわりながらやっていけば、我々自身には実力がある。そういったゲームをやりきるということにこだわって、明日のゲームにトライしたいと思います。


ー今の話にもつながりますが、神戸が大型補強を行ったことで3月のリーグ戦での前回対戦の時とは違うチームになっていると思います。監督から見てどういうところがより手強くなったと感じていますか?

先ほどの補強の部分で考えた時に、Jリーグでも実績がある選手と、サッカーというスポーツ自体をよく知っているベテランと言っていい選手が加わったというところで、(チームとしての)ベースがあった上に、さらに勝つためにどうやるかという方向によりチームを持っていけたのかなと感じています。それが前回のリーグ戦で対戦した時との神戸の違いだと思います。大きくやり方が変わったというよりは、そういったメンタル面での影響でより自信を持って取り組めているような印象が強く残っています。ただ、試合の勝敗を分ける要素としてはあらゆるものがあります。先ほど触れた互いのケガ人がもしいたら、いなかったらというところもありますし、どういった日程なのか、あるいは1つ前の試合、2つ前の試合の結果がどうで、それを受けた上でこの試合にどう向かうのかなどさまざまなことが関係します。サッカーはそういったものをすべて含めながら次の試合に向けて準備をするので、そういった要素もうまく相手を読み切ることが明日の試合に影響を強く与えると思っています。