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大森征之スポーツダイレクター 7月20日ヤクブ シュヴィルツォク選手移籍加入囲み取材

207月
7月20日(火)、ヤクブ シュヴィルツォク選手の移籍加入について、大森征之スポーツダイレクターがオンラインでの取材に応じました。取材の模様をテキストでお届けします。

大森征之スポーツダイレクター


今日リリースをさせていただきましたとおり、ヤクブ シュヴィルツォク選手、ニックネームがクバ。クバと呼んでいただければいいと思うんですけど、彼(の加入)が決まりました。クラブとしてずっとFWをリストアップしなければいけない中で何人かリストアップして、その中で必ず獲らなければいけない選手というところで、最終的に獲得できました。ゴールというところは期待されると思いますけど、特徴は彼の万能なFWとしての能力。技術やフィニッシュにおけるところもそうですけど、あらゆるテクニックというところ、ヘディングの強さもそうですし、技術だけに限らずフィジカルの強さも兼ね備えています。常に落ち着いていて、闘うという強いメンタリティも持っています。探すのに本当に苦労しましたが、このような形で獲得できたので非常に期待しています。


ー予想していなかったところからの加入でした。彼を見つけた経緯やいつから追いかけていたのかなど、獲得の経緯について詳しく教えてください。

年初にもお話させていただきましたが、チームとしてFWが補強ポイントでもありました。ただ、誰でもいいわけではないので、リストアップも非常に難しいところがありました。昨年の年末からずっとスカウティングしてきた中で、さまざまな選手がリストアップされてくるんですけど、我々のプレースタイルであったり、監督が求めているもの、チームが求めていること、加入することによるほかの選手とのいい効果など、いろいろなことを加味しながらずっとFWを探していました。具体的にはだいたい5月に入ったくらいから交渉のところで情報交換をしながら、なんとか今日に至ったというところです。


ー当然監督からのリクエストもあったと思います。どのような要望があったのでしょうか?

細かいところはあまり言えないので、そこは監督に聞いていただければと思います。FWというところで言うと、攻守に渡るハードワークがより高いレベルでできなければいけないし、さまざまなFWをリストアップ、スカウティングするのですが、やはり我々が求めているものだったり、監督がチームを作る上で必要なものを備えていないといけないというところも含めて、ハードルがかなり高かったです。その中でも本当にすごくパワーのあるというか、しっかりとしたFWの選手を獲れたと思っています。


ー来日に際していろいろな措置があると思います。国によって変わる部分もあると思いますが、そういったところも考慮しての選択だったのでしょうか?

そうですね。そこは常にJリーグから情報を共有していただいている中で、我々としてなにができるのかとかも含めて考えました。おっしゃるとおり、国によって状況が違うので、そこもJリーグと常にコミュニケーションを取りながら進めてきました。


ーこれから入国措置を経て合流になると思います。目安としてはいつ頃の合流を見込んでいますか?

そこはまだ未定です。ニュースにありますようにJリーグのバブル等を経て、きちんとした形でチームに合流する予定です。確かなスケジュールが決まり次第、広報をとおして皆さんにご報告させていただけたらと思っています。


ークラブとしては後半戦が始まる8月9日までに来てもらえたら、という想いはありますか?

そうですね。それはより早くチームに合流していただきたいと思いますけど、今、世の中がこういう状況ですから、そこはしっかりと、クラブとしても冷静にJリーグと相談しながら進めていきます。早く合流するに越したことはないですが、日本の気候や今の置かれている状況、オリンピック等もありますし、そういったことも含めて、関係各所と調整しながらいい合流の仕方を考えています。


ー改めて、ヤクブ シュヴィルツォク選手に期待することを教えてください。

彼の特徴から言うと、やはりフィニッシュまで持っていけるスピード感や、技術力の高さ、ペナルティエリアでのシュートに至るまでの判断とか、そういったところに非常に特徴があると思います。右足や左足、ヘディングの技術が高く、しっかりとしたポストプレーやチャンスメイクを高いレベルでできる選手だと思います。先日のユーロ(UEFA EURO 2020/ヤクブ シュヴィルツォク選手はポーランド代表として出場)では(ロベルト)レヴァンドフスキがいるので試合に出たり、出なかったりがありましたけど、彼と組んだ時にはいいものを見せてくれていたと思います。そういった部分でも非常に期待しています。


ー彼の能力の中で重視していたところは?

スキルの部分で言うとやはりフィニッシュですね。


ーそこが最初から重視していた能力ですか?

しっかりとフィニッシュまで持ち込めるとか、チャンスメイクして周りを生かすとか、チームの1人としてはフィニッシュだけという選手では困ります。攻守に渡ってしっかりと活躍する中で、一番特徴のあるフィニッシュには彼もこだわりを持っていますし、我々にとっても、彼が点を決めることでいい結果をもたらしてくれると思います。一番の特徴はフィニッシュではないかと思います。


ージョアン シミッチ選手以来の外国籍選手の獲得となります。ご時世的に難しい中でも海外から選手を呼んでくるに至った理由を教えてください。

チームがフィニッシュの部分で非常に苦労しているのもありましたし、そこはシーズン当初から重要なポイントでもありました。ただ誰でもいいわけではありません。おっしゃるように今の世の中の事情を含めても獲得を望んでいるという、強い想いをクバに伝えました。私が今まで経験した中で一番難しい交渉になったんじゃないかと思います。当然彼も日本というヨーロッパから離れた場所に来ることは、それなりにトライだと思いますし、そのほかにもいろいろな話があった中で、最終的に日本で、グランパスで活躍するんだという想いになってくれたというところで、それくらいパワーのある交渉にもなりました。そういう想いで獲得しました。


ーFWの選手が加入した会見でお聞きしづらいですが、ほかにも補強ポイントはあると思います。補強についての見通しや現在の状況を教えていただけますか?

皆さんご存知のとおり、シーズンの途中に丸山(祐市)選手、キャプテンが大きな負傷を抱えてチームを離れました。この後、ルヴァンカップやリーグ戦、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)、天皇杯とすごく大きなチャンスがあるので、そういった意味でもセンターバックの補強は非常に重要なポイントになってくるのかなと考えています。


ー補強を考える上で、今いる選手との相性などについても考えると思います。ヤクブ シュヴィルツォク選手と今いる選手との相性などで考えていることはありますか?

そこは監督に聞いてもらえればと思います。当然それはいろいろイメージしますけど、実際に使うところは監督がどのようなポジションで、どのようなシステムで、どういう役割かというものを彼に与えるはずなので。いろいろと考えられていると思うので、監督に聞いていただければと思います。


ー現役のポーランド代表選手を獲得することはJリーグにとってもエポックメイキングなことだと思います。グランパスで活躍するかは本人次第ではありますけど、ワールドカップを目指してもらったり、A代表として活躍してもらうことも一つの成功だと思います。そういったところのビジョンはいかがですか?

今回のユーロの選出も含めて、2017年からA代表選出経験がある中で、遠い日本に来てどれだけの情報がポーランドに入るかというところを非常に不安がっていました。(トーマス)フェルマーレン選手(ヴィッセル神戸/ベルギー代表)がヴィッセル神戸でプレーしながら、代表で活躍しているという話も含めて、日本のサッカーの状況、今までとは違って情報が行き渡るというところも出てきているということを彼に伝えました。彼も代表は関係ないということではなくて、ポーランド代表としての誇りがありますし、代表に入りたい、代表で活躍したいと言っていますので、そういう想いも背負いながら、日本でプレーしてくれると思います。


ー当然今回の補強はグランパスがタイトルを獲るため、よりいい成績を残すための補強だと思います。ただ、Jリーグのことを考えると、(キャスパー)ユンカー選手がセリエAのチームからもオファーがある中で浦和レッズを選んだ流れもあり、グランパスのようなクラブがこういった選手を獲得するのはJリーグにとっても大きなことだと思います。

そこは彼の活躍次第でどういう評価をされていくかというところはあると思うんですけど、やはりグランパスがこういったパワーのある選手を獲得して、今後のJリーグにとってもいい影響があってほしいと思います。ユンカー選手が浦和でプレーして、いいパフォーマンスを見せてゴールを決めていますし、人間的にもいいところが情報として出ていると思うので、そうやって引っ張っていってくれる存在であってほしいと思います。