8月7日(水)、相馬勇紀が鹿島アントラーズに期限付き移籍することが発表された。移籍の決定を受け、クラブハウスで囲み取材を実施。移籍の経緯や新天地での意気込みを語った。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
相馬勇紀選手
―鹿島アントラーズへの期限付き移籍が決定しました。
すべては成長のためという理由で決断させていただきました。今の気持ちとして、移籍するのは初めてになりますし、名古屋には去年の特別指定から育ててもらったりと、いろいろ考える部分はありました。活躍することが一番の恩返しになると思っています。成長を求めて決断させていただきました。
―鹿島への期限付き移籍はどういう成長を求めて決断したのでしょうか?
向こうに行っても、こっちでも、最後に出場できるかできないかを勝ち取るのは、自分だと思います。(鹿島から)評価していただいているという点もあります。環境を変えることも、今は大切かなと思いました。
―鹿島からどのような起用法を考えていると伝えられていますか?
詳しくはまだですけど、おそらく4−4−2の左のワイドであったり、たまに右のワイドもやるのかなと想像しています。
―このオファーが届いた時の率直な感想は?
単純に評価していただいているという面で考えると、うれしさはありました。だけど、それでなにかが変わったわけではありません。移籍が決まるまでは、毎日の練習で成長しようと思っていましたし、すべて名古屋の勝利のために闘おうと思っていました。そこは変わらなかったです。
―特別指定選手の期間も含め、グランパスではどのようなことを学びましたか?
本当に大きかったと思います。風間監督のところに入りたいと言ってから、基本的な「止めて、蹴る」の部分から始まり、相手を外す動きなど、いろいろなことを学ばせていただきました。
―今回の期限付き移籍は、東京オリンピックへの出場という目標を意識していた決断だったのでは?
そうですね。当たり前ですけど、森保(一)さんは試合に出場していない選手を選ばないと思います。とはいえ、代表のために移籍するわけではありません。試合に出場するのは最低限のベースだと思います。代表のことを大きく考えての移籍というわけではないです。選手として成長するために、という理由で選ばせていただきました。
―鹿島に行って、どのような成長を遂げたいですか?
大きく分けると、ここでは「止めて、蹴る」といった技術的な部分を学びました。自分の得意な部分はフィジカルやスピードだと思います。特長とは逆のことのレベルアップを求めて、これまでやってきました。まだまだ完璧だとは思わないですけど、本当に学んで成長したことがありました。自分の持ち味ではない部分がどれだけできるようになっているのかということ。その一方で、なかなか自分の特長をチームのスタイルに合わせられなかったという気持ちがあります。そこで環境が変わった時に、それをどれだけ爆発させられるかというのが、一つの楽しみだと思います。
―トゥーロン国際大会ではスピードを生かした推進力を披露していました。ああいったプレーを鹿島で見せていきたいと。
苦手なことをちゃんとできるようにすることも必要です。また、得意なことをどれだけ絶大なものにするか。僕はそこで育ってきたので、そこの特長をさらに磨くことになるのかなと、今の段階では思っています。
―さまざまなオファーがあったと思います。その中で海外への挑戦という選択肢はありませんでしたか?
正直、海外には行こうと思っています。タイミングや状況があるので、いつかは決まっていません。今はこれがベストの決断だと思って決めました。
―監督とはどのような会話をしましたか?
僕からは「ありがとうございました」と。監督は普通に送り出してくれました。
―名古屋での時間はポジティブなものでしたか?
ここに来て良かったと思っています。自分の成長を考えて名古屋に来る決断をしました。選手のみんなには仲良くしてもらって感謝しています。大森(征之)スポーツダイレクターが僕をグランパスに呼んでくれたところから、自分のプロサッカー選手人生が始まりました。去年の夏から、グランパスで試合に出場できる環境を整えてくれたのは、強化部を含めたクラブスタッフの皆さんにおかげです。支えてもらったすべての人に感謝したいと思います。グランパスから離れてしまうことで、応援してもらえることは少なくなるかもしれませんが、僕はいつまでも応援される選手、愛される選手でありたいとずっと思ってやってきました。(鹿島に)行くからには、活躍して結果を残したいと思うので、そこを見ていてほしいと思います。
―大森スポーツダイレクターから慰留されたのでは?
そうですね。本当に、大森さんには感謝しています。
―鹿島について気になることはありますか?
鹿島には同級生の小池(裕太)がいます。大学選抜で一緒にプレーしたこともある選手です。三竿健斗も中高生の頃から知っている仲ですね。なので、ある意味やりやすいのではないかと思っています。チームに早く馴染めるといいですね。
―鹿島でのポジション争いをどのように捉えていますか?
やることは変わりません。自分の特長を最大限に出して、練習や試合で結果を出して認めてもらうだけです。
―名古屋とはリーグ戦の最終節で対戦します。
出場はできませんが、名古屋に来て、みんなにあいさつできればと思います。そこまでに結果を出していきたいと思っています。入団した時は自分が半年で移籍するとは思っていなかったですけど、この決断をしたので。鹿島に評価をしていただいたことを自信として持ちつつ、謙虚に闘っていきたいと思います。
―ファミリーへのメッセージをお願いします。
僕が名古屋を大好きなことはこれからも変わりません。このクラブでプレーしたいという想いもありましたし、大好きなクラブですけど、プロサッカー選手としての人生を考えた時にこういう決断となりました。期限付き移籍ということで、今年いっぱいは鹿島の勝利のために、全力で闘って結果を出したいと思います。半年が終わって帰ってきた時に、二回りくらい大きくなって、たくましくなった姿を見せられるように頑張りたいと思います。