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【インタビュー】杉森考起「成長の、その先へ」

18月

「今は考えながら、ひたすらに練習している」

無慈悲に流れるの流れの中で、

たとえどれだけ打ちのめされようとも、

杉森考起の戦いは続いていく。

前半戦を振り返った若き俊英の視線は、

たしかに前だけを向いていた。


インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部



シーズン前のインタビューでは「今シーズンは名古屋で頑張りたい」と、グランパス復帰に対する強い想いを語っていました。今回は前半戦を終えて、自分自身に対する評価、今後に向けての想いを聞かせてください。まずは、ここまで公式戦9試合に出場し、2アシストをマークしています。この数字についてはどのように評価していますか?

杉森 数字に関しては、決して満足できるものではありません。正直、試合にはなかなか絡めなかったと感じています。ルヴァンカップでは自分にチャンスがあった中で、得点という結果を残せなかった。それが自分自身の課題の一つだと思います。まず第一にFWとして起用してもらっている以上、ゴールという結果を出さないといけません。前半戦ではその結果を残せていないので、やっぱり満足することはできませんし、自分自身に対して悔しさを感じています。


試合に出ていた時のパフォーマンスについてはどのように評価しているのでしょうか?

杉森 自分のプレー内容に関しても、試合によって大きく出来が変わってしまう。継続的に納得できるプレーができていないと感じています。


それでは個人的に手応えを感じた試合について教えてください。

杉森 すごく良かったと言える試合は、正直ないのかもしれないです。感覚的にネガティブではない試合は、ルヴァンカップのアウェイで戦ったセレッソ戦(ルヴァンカップ グループリーグ第3節)。54分で交代した大分戦(ルヴァンカップ グループリーグ第4節)。あとはリーグ開幕の鳥栖戦と、ハーフタイムで交代した神戸戦(ルヴァンカップ グループリーグ第1節)も個人的にネガティブな感想はありません。


反対に、自身にとって印象の良くない試合は?

杉森 やっぱり仙台戦(ルヴァンカップ プレーオフステージ第1節)です。加えて、リーグの磐田戦(第8節)。その2試合の内容は全く良くなかったと思っています。


その仙台戦の試合後、「試合前までは頭の中で整理できていた。だけど、今日は新しい課題がたくさん出てきてしまった」と語っていたのが印象に残っています。この半年でどのような課題と向き合い、頭の中を整理してきたのか。そこについて聞かせてください。まず、シーズン前のキャンプ期間からルヴァンカップ第1節の神戸戦までの期間は、シュートへの意識にフォーカスしていた印象です。

杉森 その通りです。その期間は「結果」にすごくこだわってプレーしていました。実際に練習でも多くのゴールを決められていたと思います。ゴール前で自分がシュートを打つというプレーに関しては、自分の中ですごくいい感覚を保てていた。その良さをピッチで出そうとしていました。だけど同時に「グランパスのサッカーが全然できてない」とも認識していたんです。チームがボールを回している中で、スムーズにボールを受ける。そして前を向いてプレーする。そういう部分を改善しようという意識が徐々に強くなっていたというか、「それもできなくてはいけない」と思いながらプレーしていました。そこに注力して取り組んでいくと、ボールを受けて、前を向くプレーが徐々にできるようになってきました。だけど反対に、シュートの部分がおろそかになってうまくいかなくなる。そういう葛藤を抱えていました。

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