本日4月8日(月)、トヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第3節のセレッソ大阪戦に向けて、風間八宏監督が記者会見を行いました。
風間八宏監督
―鹿島戦後、選手たちの練習の様子は、監督の目にはどのように映っていましたか?
すごくいいと思います。もちろん能力が変わることはないし、サッカー自体は相手を押し込めている。自分たちの描いている絵でサッカーができています。勝ちきるためには、いつも言っている通り、取りきるところと、それから水を漏らさないところ。それだけなのでね。これに慣れていけばいい。着実にすべての試合でそうなっているので、そこのところは徹底的に追求していってもらいたいと思います。
―結果的に敗れはしたのものの、多くのチャンスを作りました。ルヴァンカップに出場する選手も含め、攻撃陣の調子はいかがでしょうか?
まだまだ自分たちの中で高めないといけないよね。特にペナルティーエリアのところでもっと落ち着いてやれば、もっと楽にできるはず。そこでミスが出たりね。そういうところも確認していると思います。そこで落ち着いてやってもらいたい。なぜかと言うと、すぐに敵陣に持っていくだけの力はついたので。それから敵陣の中でフリーになる力もついている。そこを正確にやりきる。それが一番大事なことなので。そこのところは徹底的に意識してやっていかないといけない。それから今もやってきたところです。
―札幌戦では丸山祐市選手、前節では中谷進之介選手とDFの選手が得点に絡んでいます。新たな形は、彼らの意識の変化から生まれているのでしょうか?
いつも言っている通り、自分たちのシステムはなんのためにあるのか。それは全部攻撃のためにある。それはやっぱり誰が出ていっても大丈夫。自分たちのシステムは3つに分けるのではなく、「11」だということ。それを大事にしてくれていると思います。
―ああいうシーンがもっと出てきてほしいと感じていますか?
そう思う。まあ、出てこなくてもいいけどね(笑)。出てきても、もちろんいいけど。なかなかああいった場面は見られるものじゃないのでね。そういう意味ではどんどんサッカーがうまくなっている証明だと思います。
―次のルヴァンカップは選手が入れ替わることが想定されます。週末のリーグ戦に向けて、新しい力を見せてもらいたいのでは?
もちろんそうだね。チームは一つなので、特別な選手はいないし、逆に言ったら外にいる選手もいない。全員で闘っている。その中で今はしっかり競争してもらっている。人数もいるし、みんながやる気に満ちているので、その中でしっかり競争してもらって、見せてもらえたら。そこでまた新しい形もできてくる。それから新しい力にもなると思うので、そこのあたりを期待しています。
―マテウス選手や前田直輝選手にはもっと力を発揮してほしいという気持ちがあるのではないでしょうか?
もちろん全員に期待しているけども、やっぱりまだまだ自分の持っている能力を、そのまま出せていない選手もいるのでね。そこはもう期待値が大きいので。とにかく全力で持っている能力を出してもらいたいと思います。
―前節は相馬勇紀選手をサイドバックで起用しました。そのポジションでの起用時間が長くなることも予想されます。
先ほど言ったように、サイドバックがイコールで守る人というわけではないから。例えば、センターフォワードが攻撃だけする人ではないから。すべてのところで、すべてのボールに絡まなければいけないという意味で、ポジションの概念はない。だから「なんで前をやるの?」、「なんで後ろなの?」。それは攻めるため。それだけのことだから。
―先日、和泉竜司選手は「目が開いた」と語っていました。相馬選手に対しても似たような狙いがあるのですか?
それは違う。前のチームとは違うから。今だとどこに置いてもそういう形になるはず。逆に言ったら、全くそこの中では比べようがない。
―ジョー選手に開幕戦からゴールがありません。ルヴァンカップでの起用も含めて、特別なアプローチを考えていますか?
特別にアプローチをすることはないよね。自分でわかっているし、あれだけの選手だから。ただ、彼は気にしていないと思うけど、ちょっと(ゴールを)取れないだけで、周りが言うからね(笑)。年間2得点でほめられる選手もいるから。だから、俺も気にしていない。
―グランパスが進化している中で、練習よりも試合のほうが、経験の速度は増すのでしょうか?
一つではダメだよね。どちらかではなくて、準備と頭が試合に向いているから、いいトレーニングができる。そのトレーニングがあって初めてトライするから、良かったことも悪かったこともわかるから、試合をやればいいという話ではない。一番はなにかというと、毎日の練習の中でそこを描けるかどうか。ただシュート練習をやるのではない。本当に「この1本を決めるんだ」と、試合を想定してやれるかどうか。ましてや、うちのサッカーはどんどん変化していくわけで、人によっては全然スピードが変わってくる。そういう中で常に自分たちのものを描いて練習ができるかどうか。うちのサッカーはいきなり試合に入って急にやれるものではない。そういう意味では、すべて一緒でないとダメ。ただし、試す機会はみんなにあるわけだから。そこを試合で証明してもらいたい。それはずっと思っています。これから先も繰り返しだと思います。
―鹿島との試合は、お互い歴史のあるクラブ同士の戦いでした。監督は「勝てるゲームだった」と語っていましたが、「勝ちグセ」は勝負の世界ではよく言われる言葉です。監督の中で「勝ちグセ」とはどのようなものだと思いますか?
それは誰か他の人に聞いたほうがいいんじゃない(笑)。勝ちグセはみんなが言っている言葉という話で、勝てる時は7連勝でも8連勝でもできる。勝つ確率を上げるのがサッカーで、勝ちグセなんてあるわけがない。負けないチームなんて一つもない。だから、勝ちグセではなくて、自分たちのやれるもの。それを1試合1試合で見つめてやっていった結果に、選手の成長とともになければ、簡単に勝てない。あれだけ押し込んだサッカーをしても、点を取れなければああいうミスもある。たった2回のミスで負けることもある。ただ、俺たちはそちらを追いかけるのではなく、俺たちはこっちをしっかり追いかけていくことで、その中で勝てるかをみんなが覚えていく。ただし、形がなかったら覚えようがないよね。一回一回違ったら。だから、自分たちの形を、みんなの絵はこういうものだと、みんなが描けているはず。その中で出てくるものに慣れてくる。それから出てくるものを超えていく。それではじめて、しっかり勝てるチームになると思う。