ジョアン シミッチの移籍加入に伴い、同選手のマネジメントを務めるデコ氏が来日。2019沖縄春季二次キャンプ期間中に、グランパスの指揮官を務める風間八宏監督との特別対談が実現した。かつてバルセロナやチェルシーに所属し、世界の舞台で活躍したデコ氏の目に、現在のグランパスはどのように映ったのか。ジョアン シミッチを通じて巡り合った二人の対話をお届けする。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
グランパスの練習、トレーニングマッチを見て、どのような印象を持ちましたか?
デコ クラブが掲げるサッカースタイルを理解している選手が多いと感じました。それぞれの選手がすべきことを分かっているなと。キャンプ中ということもあって疲労の色は見られましたが、選手たちからはっきりとした意識を感じ取ることができました。
新たに加わったジョアン シミッチ選手に対する印象はいかがですか?
風間 彼のファーストタッチを見た時に、「技術の速さとはこういうことだ」と思いましたよ。止めてから蹴るまでもそうだし、敵を見た上での判断もすごく速いです。また、見える範囲に広さもある。それらは技術があってこそのものですよね。映像を見ていた段階からそういったものは感じていましたけど、最初のタッチ、パスを見て改めて感じました。
デコ グランパスにはクオリティーの高い選手が多く在籍しています。特に前線には素晴らしいプレーヤーが多いですよね。そういった選手たちに、どのタイミングでどのような質のパスが入るのかということがチームとして重要なポイントです。その点、ジョアンは必要な技術を持ち合わせていますから、攻撃面で大きな成果を出せる選手になると思いますよ。
風間 ジョアンのプレーを見て、デコさんは技術の部分を大事にした上で、選手たちにアドバイスをしているのだと感じました。サッカーというスポーツで大事なのはシステムではなく技術です。技術のつなぎ合わせ、これが一番速いんですよ。そこを疎かにしていては、いろいろなものが成り立たないんでね。
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