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明治安田生命J1リーグ第34節 柏戦後 監督会見

312月
12月3日(日)、明治安田生命J1リーグ第34節が行われました。名古屋グランパスは岐阜メモリアルセンター長良川競技場で柏レイソルと対戦し、1-1で引き分け。試合終了後、長谷川健太監督が会見に臨みました。

長谷川健太監督


まずは1年間、取材していただきありがとうございます。皆さんの叱咤激励がいろいろな意味でいい刺激になりました。いい記事をもっともっと書いてもらえるようなシーズンにしたかったのですが、なかなかそうはなりませんでした。自分自身、勝ちきることができるようにならないとダメだと感じました。あの手この手でもっと足掻きながらチャレンジしても良かったかなと思いますが、チャレンジした結果、ぐるっと1周して落ち着くべきところに落ち着いたというところもあるのですが、もう少し早く戦い方がまとまれば、違った形にできた可能性もあったと思います。この反省を来シーズンに生かさなければいけないなと思っています。


今日のゲームに関して、前半の入りは向こうに少しペースを握られたかなと思いますが、途中から徐々に落ち着いていきました。特に(森島)司がボールに触りだしてから、ゲームが落ち着いたと思います。今日を入れてここ3戦、司がチームにフィットしてきて、彼が中心になってゲームを作り出した結果が出たのではないかなと思います。決定機とは言えないかもしれませんが、何度かチャンス、惜しい場面を作ることができました。後半、一進一退の状況でカウンターの形からもったいない失点をしてしまいました。つなぐところで前向きの相手にボールを取られ、そのままカウンターを受けました。一番やってはいけないことだと思います。ただ、そのあとに出た選手が試合を盛り返してくれました。多くのファミリーが長良川(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)に詰めかけてくれたことも影響していたと思います。選手の「負けられない」という気持ちが最後のPKに至ったのではないかなと思います。ホームゲームが国立(競技場)であったり、長良川であったりしましたが、負けなしで終わることができました。感謝しなければいけないと思います。内弁慶になるのではなく、ホームでの強さというのをアウェイでも生かしていけるように、来シーズンは闘っていきたいと思います。最終的に6位で終えたということで、昨シーズンよりも2つ順位を上げましたけど、シーズンの展開からするともっと上にいっていなければいけなかったと思います。いろいろな意味でもう一度見直さなければいけないシーズンだと思います。会見や囲みで、昨シーズンは「分母を増やす」という話をよくしましたけど、今シーズンは自分たちでチャンスをクリエイトできるようになってきました。それは進歩だと思います。ただ、そこで決めきるまで至っていないので、来シーズンは決めきり、さらに勝ち星を増やしていきたいと思っています。ファミリーの皆さん、関係者の皆さんに感謝申し上げたいと思います。1年間、ありがとうございました。


ー今日の試合において、スタイルとして表現したもの、狙いを教えてください。

キャスパー(ユンカー)と(永井)謙佑をどう生かすのか、ということです。司を右のシャドーに入れて、そこを起点にしながら、2人をうまく生かしたいという狙いがありました。両サイド、特に(久保)藤次郎のところは前節、非常に難しい形になりましたけど、今日は良さを生かしてくれたと思います。ジエゴはストロングのある選手ですが、そこをうまく突いていければというところで、チームとして狙いを持っていました。前半、特に立ち上がりはなかなかうまく展開できなかったですけど、途中から狙いの形を作れるようになっていき、いい場面を作れたと思います。


ー昨シーズンよりチャンスの数を増やすことができた中、来シーズンに積み重ねていきたいものは?

ある程度、自分の中での構想はあります。ただ、編成が確定しないとなんとも言えないところでもあるので。しっかりと積み上げていきたいと思います。


ー今シーズン、交代選手がゴールを挙げることができませんでした。今日は前田直輝選手、貴田遼河選手がいいプレーを見せたかと思いますが、どのように捉えていますか?

謙佑に疲れが見えてきたので、期待を込めて遼河を使いましたが、左のシャドーではなかなかうまくプレーできなかったと思います。失点後、少しでも彼が生きればと思い、得意としている2トップの形にしました。それもあり、左サイドでいい形で抜け出して、0.5点の活躍をしました。直輝には決めてほしかったところですが、よくあそこに詰めて苦手なヘディングをしてくれたと思っています。キャスパーは一度PKを外しているので「どうかな」と思いながら見ていましたが、落ち着いて決めてくれたと思います。


ー 今日の試合で来シーズンを見据えた采配がありましたら教えてください。

見てのとおりです。ターレスにはやってもらいたいですし、遼河にも今後の飛躍という部分で少しでも長い時間を、と。出る前に時間を確認していましたので、「十分な時間がある」という話をして、「一発取ってこい」と言って送り出しました。それぞれ期待を込めて起用しました。


ー試合開始が45分遅れることになりました。それによりどういった影響があったのでしょうか?

両チームとも同じ状況ですから、あまり関係ないかと思います。


ーホーム戦負けなしというのは、クラブ史上初の記録になります。達成できた要因を教えてください。

選手、ファミリーの皆さんの頑張りだと思います。熱い声援を送っていただいて、それに選手が応えたと。それに尽きると思います。


ー会場によりピッチコンディションが異なる中で達成したことも含め、大きな価値があるのではないでしょうか?

国立にも多くのファミリーが来てくださって、いい雰囲気の中で試合をすることができました。それに選手が応えたということだと思います。終盤は記録というか、ホーム無敗であることを選手も意識していたと思います。「ホームで勝つ」というふうに気合いを入れてやってくれていたと思います。


ー今日の試合で見られたミスは、チャレンジした結果とも言える前向きなミスが多かったかと思います。それは手応えの一つでもあるのでしょうか?

先制されるのは良くなかったですが、前半から仕掛けていったと。オフサイドで取り消しになったシーンはいい形だったというか、迫力があったと思います。藤次郎もそうですけど、ゴールに向かう姿勢を見せてくれたと思います。終盤戦になり、そういう気持ちが出てきたことは良かったと思います。


ー昨シーズンよりも得点数が増えたことをどのように評価していますか? また、複数得点を奪うために必要なことについてどのように考えていますか?

マテウス(カストロ)が抜けた影響は当然あったと思います。そこをしっかり埋めないといけなかったと思いますが、(新戦力を)うまくチームに融合させることができなかったと思います。それは私自身、反省点だと思っています。キッカーも変わり、セットプレーから全く点を取れないという時期もありました。また、マテウスからキャスパーというラインができ始めたところで移籍してしまったことも大きかったと思います。司からキャスパーというラインがうまく決まっていないところもあるのですが、息が合ってきたところでシーズンが終わることになってしまいました。謙佑からキャスパー、キャスパーから謙佑というラインはありましたが、謙佑が決めきれなかったこともあったと思います。キャスパーを生かすという意味では、マテウスとのラインがなくなったあとになんとか一つ見出そうということで、直輝を使ってみたりもしたのですが、なかなかうまくいきませんでした。謙佑とほかの選手のラインもできなかったと思います。また、マテウスが森下(龍矢)をうまく生かしていたところもありました。マテウスがうまくタメを作って森下を使っていました。マテウスは左利きなので、右サイドから左サイドへのラインもできていたと思います。左足の起点がなくなったことで、右から左にボールが流れなくなってしまいました。森下が前半戦ほど機能しなくなったこともあり、キャスパーへのラインも減ってきてしまったと。森下からマテウスというラインもありましたが、森下からのラインも減ってしまいました。彼が代表に選ばれ、少しコンディションを崩したこともあり、攻撃力、破壊力が落ちてしまったのは否めないと思います。そこで新たな選手をうまくチョイスできればというところでしたが、それもなかなかうまくいかず、複数得点を奪うこともできませんでした。ただ、終盤戦にキャスパーが再び点を取り出したことで、キャスパーにどうやって点を取らせるのかということをチーム全体で話しました。藤次郎がクロスを上げてキャスパーが点を取ったシーンもありました。単独でのゴールもありましたけど、チームとしてどのようにキャスパーを生かすのかということで、いろいろなラインが出てきたと思います。苦しんだ中でも形を作れた部分もあったと思います。ただ、キャスパーが決めきれないこともあったので、なかなか複数得点までは至りませんでしたけど、彼が復調してきたことはチームにとってプラスだったと思います。また、ポストプレーが苦手でしたが、苦手なりに頑張り、起点になるようなプレーも見せてくれました。彼も成長したのではないかと思います。


ー今日は契約満了が発表されている丸山祐市選手を先発起用しました。

昨シーズンに前十字(靭帯)のけがから戻ってきて、まだ本調子でない中でも丸山が頑張ってくれたからこそ、8位で終わることができたと思っています。今シーズンも膝を傷めたことで、河面(旺成)を使う機会が多くなったのですが、腐らずにやってくれたと思います。今日の試合は左をどうするかというところで丸山を使おうと思いました。ラストゲームだからというわけではなく、勝つためにチョイスをして、その期待に応えてくれたと思います。今日の試合後にも、ファミリーの皆さんの丸山への想いが伝わってきました。今後もプレーヤーとしてさらなる活躍を期待しています。