NGE

明治安田生命J1リーグ第26節 横浜FC戦後 監督会見

29月

9月2日(土)、明治安田生命J1リーグ第26節が行われました。名古屋グランパスは豊田スタジアムで横浜FCと対戦し、1-1で引き分け。試合終了後、長谷川健太監督が会見に臨みました。


長谷川健太監督


前半はまだ動きがあって先制するまでは良かったのですが、先制したあとに少し受けてしまったなと。ハーフタイムにも「2点目を取りにいこう」という話をしたのですが、気持ちとは裏腹になかなか体が動かなかったのかなと思います。中2日という日程の中で選手はよく頑張ってくれたとは思いますが、そういう中で追加点を取れるような感じがもう少し出てこないと、ああいう形で追いつかれても致し方ないのかなと思います。ただ、中島(大嘉)が最後に出てきて、意気込みを感じるようなプレーを見せてくれたことは、1つ収穫だったのかなと思います。連敗している中で勝ちたいという気持ちが出たのはしょうがないですが、先制して次の1点を取っていかないと勝点3、勝利はつかめないのかなと思います。ただ、ここのところ先制される試合が多かったという点で見れば、横浜FCも前節でダービーに勝ってコンディションを上げ、気持ちの部分も非常にいい状態で1週間休んできたので、簡単な相手ではなかったと思います。その中で連敗を止めて、勝点1をしっかりとつかんでくれたことは、半歩前進だと捉えたいと思います。次のルヴァンとリーグ戦につなげていけるようにみんなでまた頑張っていきたいと思います。


ー後半の途中、キャスパー ユンカー選手に代えて野上結貴選手を入れました。監督としても決断が難しかったと思いますが、あの決断に至るまでの心境と交代の狙いを聞かせてください。

前田(直輝)という選択肢もあったと思いますが、中2日で(天皇杯の柏)レイソル戦で90分やっているので、おそらく使ってもそこまで動けないのではないかなと。案の定、残り15分くらいになって出しましたが、今日はそこまでパワフルにできなかったと思います。和泉(竜司)がけがをする前にあのポジションで非常にいい動きをしてくれたので、野上を入れてしっかりと補填しながら和泉で次の1点を狙いにいくという選択をしました。


ーここ数試合と比べると、今日は後ろに重たい印象がありました。それは監督の指示なのか、それとも疲れていて前にいけない状況だったのでしょうか?

さすがに全部が全部が「いけ!」というわけには……。「いこうよ」という話はしていますが、実際にゲームをやりながら選手たちが感じて「ここはスペースを埋めながら」という形で闘ったと思います。ただ、試合が終わってからも言いましたが、チームとして2点目を取りにいくという姿勢を見せないとこうなる、という話をしました。


ー横浜FCは1点を追う中で、割りきってどんどん中に入れていくスタイルで闘ってきました。あの時間帯はどのような指示を与えていたのでしょうか?

この苦しい中でしっかりとハードワークしながら次の1点を取りにいけ、という話をして交代選手を入れています。34,000人近く入った中で、外からワーワー言ったところで聞こえないと思います。ただ、失点シーンはできれば森下(龍矢)が1対1で抜かれてほしくなかったなと思っています。


ー試合前、「キャスパーのマークが厳しくなってくる中で、ボランチがもう少し攻撃に関わってほしい」という話をしていました。先制点はまさにそういった形だったと思います。この先制点の価値と、ボランチの選手への働きかけを教えてください。

ミラーゲームなので、どこかで誰かが飛び出していかない限りはミラーゲームを崩すことができないと思っていました。そういう中で、相手のミスマッチを作って飛び出していこうと。相手もユーリ(ララ)が飛び出してくる形でしたし、ボランチがプラスワンで入っていかないと、お互いにチャンスにはならないということはわかってやっていたと思います。そういう意味では稲垣(祥)なんかが飛び出していったり、得点シーンも彼の本来のプレースタイルであって、ああいう形でゴール前に入っていくという姿勢は非常に良かったと思います。


ー横浜FCはヴィッセル神戸や横浜F・マリノスに勝利していて、残留争いをしているチームとの対戦の難しさを感じられたと思います。今日の試合で難しさを感じた部分と相手のカウンター対策について聞かせてください。

とは言ってもやはりホームなので、カウンターが怖いからいかないというわけにはいきません。藤井(陽也)が持ち上がるシーンが多かったと思います。それは横浜FCが意図的に持ち上がらさせたのかわかりませんが、藤井がああいう形で持ち上がることによって、リードするまでは相手の守備組織を崩すシーンを作れたと思います。藤井が上がったあとの山下(諒也)の飛び出しはチームとしてケアしなければいけないと思っていたので、そういう意味では途中で山下を代えざるを得ない状況に追い込んだのは、チームとしてやるべきことをしっかりとやってくれたんじゃないかなと思っています。


ー公式戦3連敗を受けて、内側からほとばしるようなものを感じた選手が多くいました。そういう中で引き分けという結果はとても悔しいと思います。先ほどおっしゃられた「1対1で抜かれてほしくなかった」という点以外で、失点シーンで「こうあってほしかった」という部分はありますか?

「こうあってほしい」というのは、やはりチームとして2点目を取りにいく姿勢をもっと強く出していくことです。そうしないと、ああいう失点は起こり得ると思います。なので、守りきるというよりは、特にホームでは追加点を取る姿勢を見せつつ、取れなくて1−0で勝つということであればまだいいと思います。ただ、今日の場合はどちらかと言うと、「逃げきろう」という姿勢になってしまったので、終盤は横浜FCの攻撃を受けてしまいました。(点を)取られたあとに取り返しにいく姿勢を見せられるのであれば、取られる前にチームとして追加点を取る姿勢を見せなければいけないと思います。森下に関してはもちろんよくやってくれたと思いますし、代表選手に選ばれたわけですから、それなりの責任を持って今日もプレーしてくれたと思います。ただ、そうであるのであれば、ああいう肝であるプレーを頑張ってほしいというか。抜かれてクロスを上げられただけなので、本人はそこまで悪いと思っていないかもしれないですが、1対1の場面でやられるということが代表ではそのまま失点につながる可能性もあります。なので、代表選手になったからにはさらに責任感を持ってプレーしてほしいなと思います。選ばれてけがをしたくないとは思っていないかもしれませんが、どこかでけがを恐れるようなプレーが見える選手もいます。今日の森下がそうであったかと言えばそうではないと思いますが、ああいう肝の部分の戦いで(クロスを)上げさせないということは頑張ってほしいなと。もちろん中のマークの対応がどうだったかはまだ映像を観ていないので、もう1度映像を観ながら、上げられたあとの対応がどうだったのか、セカンドボールの反応はどうだったのかなど、検証する必要があると思います。ただ、まずはそこの1対1で負けないというところ。終盤はある程度逃げきり態勢に入ったわけなので、構えた1対1の状況の中でやらせないということはやってほしかったです。