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鈴木陽人選手、2024シーズントップチーム昇格内定オンライン会見

16月

6月1日(木)、2024シーズンのトップチーム昇格内定が発表された名古屋グランパスU-18所属の鈴木陽人選手のオンライン記者会見が行われ、鈴木選手、山口素弘GMが出席しました。


■山口素弘GM

本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。2024シーズン、鈴木陽人選手のトップチーム昇格内定をここに報告させていただきます。鈴木選手はジュニアからグランパスでプレーをしていて、私自身はジュニアユース時代に彼のことを初めて見ました。初めて見た時に「非常にエネルギーのある選手だな」という印象を持った覚えがあります。早熟だったので当時はジュニアユースの中でも身長が大きかったです。それから周りの選手が成長して今はだいぶ小柄なほうですが、エネルギーのあるプレーというのは今のユースでも変わりません。また、トップの練習やトレーニングマッチに参加した時や、先日のルヴァンカップ(第5節のヴィッセル神戸戦)であるとか、そういうところに至ってもそのエネルギーは変わらないなというところがあります。プレーの特徴については皆さんはもうご存知かもしれませんが、特にアタッキングサード、アタッキングエリアでの突破力、スピードに乗った突破力は非常に魅力があるなと。その武器を持っていることが非常に大きいのかなと思います。やはりトップの選手、長く活躍する選手というのは武器を持っているのが非常に大事な条件だと思いますので、その武器がはっきりしているのが、今後も大きな武器になるであろうと。また、その武器を自分自身がどう生かすかというのをわかり始めているのかな、というのがトップに参加しての印象です。もちろん足りないところはまだまだありますが、ジュニアユース時代からの彼のサッカーに取り組む姿勢、本当に真面目ですし、向上心が非常に強いという面も含めて、今後トップで活躍するだけではなく、グランパスの中心となって貢献してくれるだろうという期待も込めての昇格です。プレーのところではエネルギーを感じる部分がありますし、裏話にはなりますが、先日のルヴァンカップではハーフタイムに交代して悔し涙を流していました。そういう感情をはっきり出せるというのも、私は非常に魅力があると思っています。泣いたから昇格というわけではないですが、そういう面も含めての昇格だと思います。


■鈴木陽人選手

まず、自分がこの歴史のあるグランパスというチーム、大好きなチームでプロに昇格できることが決まって、本当にうれしく思います。プロになるからには自分の言葉、行動が大事になってくると思うので、責任のある行動を心掛けて、一人の人間としても大きく成長できるようにしていきたいと思っています。自分は9歳の頃にアカデミーに加入して、初めて豊田スタジアムに行った時に何万人ものサポーターの方がいる中でプレーしている選手の姿が本当に輝いて見えました。自分はその舞台に立つために10年間、高校3年生までグランパスのアカデミーでトレーニングに励んできました。それが実ったことを本当にうれしく思います。自分の今後の目標としては、世界だったり、日本を代表する選手になることなので、ここをスタートラインにするということ。そして、自分の武器であるドリブルやチャンスを作ることでいろいろな方を魅了できると思っているので、そこを意識して取り組んでいきたいです。


■質疑応答

ートップ昇格を聞いた時の率直な気持ちはいかがでしたか?

鈴木 「ホッとした」というのが一番しっくりくるかなと思います。モトさん(山口素弘GM)からはいろいろなプレッシャーを掛けられていて(笑)、自分はそのプレッシャーに押しつぶされそうになったんですけど、内定の話を聞いてホッとしたというのが一番です。


ープロになるために10年間積み重ねてきた自分の努力を振り返って感じることは?

鈴木 小学3年生の頃からたくさんの指導者の方に出会ってきて、いろいろなことを教えてくれました。その教えていただいたことが全部自分の力になって、こうやって結果として表れたことがうれしいです。この結果と言いましたが、まだスタートラインに立っただけなので、自分の最終的な目標に向けて逆算して、これからの時間の使い方を意識してやっていきたいと思っています。


ー昇格内定を勝ち取った今の自分を作り上げてきた中で、重要だった教え、経験はどんなことがありますか?

鈴木 まず1つは、父からよく言われることなんですけど、人の話をよく聞くということ。それを小さい頃から大切にしてきたおかげでここまでこられたかなと思います。たくさんのコーチ、指導者の方に出会ってきた中で、まずは聞いて、それを自分のものにするかしないかを判断することによって、より自分が考えることも増えます。また、人の話を聞けるようになると人としての成長にもつながると思いますし、人として成長できるとサッカー選手としても成長できると思います。この10年間は1年毎にどんどん自分の視野が広がったり、人としての成長があったからこそ、プレーの成長があったかなと思います。


ー逆に曲げずにきたもの、変えずにきたものは?

鈴木 小さい頃からドリブルが好きで、そのドリブルを磨くために小学生の頃から相手を捕まえて1対1をしたりとか、マーカーを使って練習してきました。それは今でも続けていることなので、それがはっきりした武器になっているのかなと思います。


ー鈴木選手がU-12に所属していた時に「これからはもっと相手の逆を取って、相手を遊べるくらいのテクニック、パス、ポジショニングで相手を翻弄したい」ということを言っていました。改めてそういうことを貫いてきたんだと思いましたが、今の自分を考えた時に、理想を追いかけられたと感じますか?

鈴木 そうですね。小学生の頃は身長が高いほうで、ドリブルはもう少し荒かったかなと。フィジカルでなんとかするところもあったと思います。中学生、高校生になってみんなが成長してきて、周りと比べて自分が低くなってきた時に、相手の逆を取ることだったり、自分が相手の懐に潜っていくことがより大事になると感じたので、そこは中学生の頃からずっと意識してきました。


ー山口GMにお聞きします。鈴木選手を見てきた中で、体格のことなども含めて評価が変わった時期もあったのでしょうか?

山口 今本人も話したとおりで、早熟だったので小学生や中学生の時はフィジカルの面でなんとか解決できることがありましたけど、そううまくいかないという面もありました。高校1年生くらいで周りに追い越され、フィジカルの面で優位に立てなくて苦労しているというところがありましたが、今本人が話したように、自分で客観的に分析できる能力も持っていたなと。本人の前であまり褒めたくはないのですが(笑)、そういう性格というか、人間性みたいなものはジュニアユースの頃から際立っているなと思っていました。彼の年代、今の高校3年生のグループは非常に優秀な選手が多くて、「この子たちがずっと成長できたらおもしろいな」と思っていました。というのはピッチ内だけではなくて、ピッチ外のところも含めてです。「それが関係するのか」と言われるかもしれないですけど、試合前の準備であるとか、クラブから支給されたリュックがしっかりと並んでいるとか。それはもちろんずっと見てくれていた稲垣(順)コーチという、このクラブのアカデミー出身のコーチの教えがあったんですけど、その教えだけではありません。稲垣コーチからは「僕が指示をしなくても陽人が全部やってくれる」ということをよく聞いていました。そういう部分も含めて非常に優秀でしたが、それだけではプロになれないと思っていたので、この年代になにか刺激を与えたいと考えていて。このグループは国内の同学年相手だと優位に立ってしまうので、こてんぱんにやられないかな、と思っていたところでちょうどスペインのマドリードへの遠征がありました。そこでは予選リーグでほかのスペインのチームに勝って、決勝戦でマドリードと対戦できました。結果、1−5でこてんぱんにやられて、その時にも鈴木選手は泣いていましたね。彼だけではなくてみんなが泣いていて、それはいい刺激になったかなと思っています。しかもその時は相手のセンターバックの選手に4点ぶち込まれて、鈴木選手だけではなくてほかの選手も「上には上がいる」と感じたと思います。そこが一つのきっかけかなと思います。そのあとは先ほども言ったように自分のことを客観的に見れるというのもありますし、ユースに上がってからはユースの古賀(聡)監督をはじめとするスタッフがしっかりと見てくれたのがあると思います。またもう一つは、外部から貴田(遼河)選手という強烈なライバルがユースに加入したのが彼にとって大きかったかなと思います。


ー今は特にフィジカル面が重要視されています。小柄な選手をプロに上げるのは大きな決断だと思いますが、補って余りある魅力があったということなのでしょうか?

山口 そうですね。正しくそうです。身近なところで言うと、相馬(勇紀)選手(カーザ・ピアAC/ポルトガルへ期限付き移籍中)もそんなに大きさはないですが、彼は違う部分でのフィジカル、走力であるとか爆発力を持っていて、日本代表に入ってワールドカップにいって、今は海外で活躍しています。また、皆さんもおわかりかと思いますが、今のトップチームでの2列目は激戦区なので、そこに割って入れるかどうかは彼のこれからの努力次第だと思います。そこでまた苦しむ彼の姿が楽しみかなと思っています(笑)。


ー鈴木選手にお聞きします。ルヴァンカップでの悔しい公式戦を経てスタートラインに立った今、この先どう成長していきたいと考えていますか?

鈴木 トップチームで考えられる自分のポジションとしてはウイングバックとインサイドハーフのところだと思います。このチームは走力、強度の面でJリーグで一番じゃないと自分もそこに入っていけないと思うので、そこをより伸ばさないといけないと思っています。また、それを伸ばすとともに、自分の武器であるドリブルで試合の状況を優位に変えられるような選手になることを近い目標として立てています。大きい目標としては世界で活躍する選手になることなので、そのためにはプレーだけではなくて言語だったり、よりたくさんのことを知る必要があると思うので、そこは今日からできることを今日からやるようにして、より自分がサッカー面でも、人としても成長できるようにしていきたいと思っています。


ートップへの昇格が決まったことを最初に報告したのは?

鈴木 まずは家族に報告したんですけど、ルヴァンカップの日に山口GMから家族に伝わっていたみたいで、「知っているよ」という感じで自分もびっくりしました(笑)。


ー左右両足で点を取っているイメージがありますが、利き足は?

鈴木 右足です。


ー左足にも自信を持っていますか?

鈴木 そうですね。小学生、幼稚園生の頃からリフティングなどを左足で練習することが多かったです。また、右足をけがした時に左足でボールを触ったりしていたので、右足と遜色なく蹴られるかなと思います。


ー身長はどれくらいの時期からあまり伸びなくなったのでしょうか?

鈴木 小学6年生の時に160センチくらいあったんですけど、高校3年生までに4センチしか伸びなくて悲しかったです。


ー周りとの体格差が変わっていく状況の中で、「今まではできていたのに」という焦りや戸惑いはなかったですか?

鈴木 小学生の頃はルーズボールになれば自分がスピードを生かしてマイボールにして、あとはゴールに進むだけ、という感じだったんですけど、やはり中学2年生くらいからはなかなかルーズボールを取れなかったりして、体の面で追いつかれてきていることに悩みました。そこからプロの試合とかを観るようになって、小さい選手の体の入れ方などを学ぶようになりました。そこからなにがきっかけは覚えていないんですけど、「なんかできるな」というふうになりました。それから今まで、ルヴァンカップに出た時もそうでしたが、フィジカルの差はあまり感じなかったかなと思います。


ー高校生になるタイミングでグランパスに加入した貴田選手が、5月2日にプロ契約を締結しました。どういった刺激を受けましたか?

鈴木 遼河とは中学生の頃からの知り合いで、彼はすごい選手だと思っていました。グランパスに加入するかどうかというタイミングで彼に「グランパスに来てよ」と連絡したことがあるんです。それが決め手になったわけではないと思いますが、その後に遼河がグランパスへ来ることが決まり、最初に彼を見た時にゴールへ向かう姿勢、気持ちの部分がすごいと思いました。もちろん、技術も高いのですが、気持ちの部分で自分にはないものを持っていると感じました。最近、遼河がプロ契約をして、焦りというよりもメラメラした感覚がありました。一番仲がいい選手で、近くにいたからこそ彼が努力してきたことを知っていますけど、「遼河にできるなら自分もできる」と思いました。自分を奮い立たせてくれたので感謝していますが、負けてはいけない選手だと思っています。ライバル意識を持ってやっています。


ー来季からプロ選手としての生活が始まります。1年目の目標として定めていることはありますか?

鈴木 自分の武器でチームの勝利に貢献することです。チャンスが少ない中で、どれだけ自分の武器で結果を残せるかが大事になってくると思います。結果を出すことでチャンスを広げ、試合に出た時にはグランパスの勝利に貢献したいです。また、グランパスはタイトルを獲らなければいけないチームだと思うので、そこに向けてチームの一員として貢献していくことを意識してやっていきたいです。


ー国内外を問わず、目標としている選手はいますか?

鈴木 グランパスに在籍している森下龍矢選手は、守備の強度、走力、攻撃の質など、自分にないものを持っています。グランパスの試合を観る時は森下選手に注目しています。海外で一番好きな選手は(リオネル)メッシ(パリ・サンジェルマン/フランス)なんですけど、プレースタイルが似ていると思っているのは(ジャック)グリーリッシュ(マンチェスター・シティ/イングランド)です。キックフェイントをはじめアタッキングサードでのアイデアがすごいと思っています。攻撃のクオリティーが高い選手でありながら、守備もしっかりとやっていて、試合中には後方に戻っていく姿も見られます。そういった選手をお手本にすることにより、世界に近づけるかなと思っています。


ー山口GMにうかがいます。トップチーム昇格が内定した鈴木選手は、今後もU-18での活動がメインになっていくのでしょうか?

山口 昇格内定の以前に二種登録はしているので、必要であればトップチームに来てもらってプレーする機会があると思っています。ただ、基本的にはU-18で活動してもらい、タイトルをもたらしてもらえればなと。本人にも伝えましたが、チームを勝たせる存在として最後までやってほしいと思っています。ジュニアユース時代にもタイトル獲得を期待していたのですが、獲っていないので(笑)。「このグループはタイトルを獲るだろうな」と思っていたんですが、勝負弱いところもありました。いい選手がそろっているけど勝負弱い、仲がいいけど仲良し集団で終わってしまう、というところがありましたね。そのあたりは本人が一番自覚していると思いますので、U-18でタイトルを獲ってもらいたいなと。このままタイトルを獲れなかったとして、「貴田がいなかったからタイトルを獲れなかった」と言われるのが一番悔しいと思います。ちょっとプレッシャーを掛けすぎましたかね(笑)。期待したいと思います。


ー多くの期待を寄せられている印象を受けます。

山口 アカデミーの選手たちには、私の講義というか、ミーティングを開かせてもらう機会があるんですが、「自分自身にストレスを掛けてほしい」と伝えています。ストレスというと悪いイメージがあると思うんですけど、いいストレスもあるんです。私のような立場の者として問題にならない程度にストレスを掛けつつ、自分自身でも掛けられるのかどうかが大事だと思っています。もちろん、期待していますよ。アカデミーの選手たちにはみんな期待しています。経緯はさまざまですけど、このクラブにいろいろな意味で貢献してほしいと思っています。その中でもトップチームに昇格した選手というのは、ほかの選手の見本となり、引っ張っていってもらいたいと思っています。今のジュニアユースの選手たちは、鈴木陽人は身体が小さいということを知っているので、そういう選手たちの希望になるようにやってほしいと思っています。


ー鈴木選手が中学生の頃に参加したマドリード遠征で対戦したのは、レアル・マドリードでしょうか?

山口 レアル・マドリード主催の大会に参加しました。私自身、スペインに行きたかったので同行したんですけど(笑)、決勝戦を『レアルTV』が放送していて、レアルも日本から来たチームに負けられないというか、勝たなければいけない状況でした。準決勝までの試合を観て、「もしかしたら勝てるかもしれない」と思っていたんですけど、決勝になったら勝負に対する気持ちがガラッと変わり、コテンパンにやられてしまいました。非常にいい試合だったと思います。それ以降、大会に呼ばれていないのはその時に負けてしまったからかもしれません。なので、彼らのせいかもしれないですね(笑)。


ーアカデミーではいろいろなことを学んできたかと思います。自分自身、最も伸びたと思うところは?

鈴木 中学3年間は稲垣コーチに指導いただき、自分の武器を明確にしてもらいました。「この武器があればプロサッカー選手になれる」と思えたのは稲垣コーチのおかげだと思っています。また、高校2年生の船橋遠征で、「2年生になればスタメンになれる」と思っていながら、スタメンから外されたことがありました。守備の意識が足りないと古賀さんから言われていながら、守備の重要性を理解できていませんでした。スタメンを外れたことで「守備もしっかりやらなきゃ」と思うようになりました。まだまだ伸ばさなければいけないところですけど、その時の遠征は守備の意識を変えてくれたものだったと思っています。攻撃の選手として前に残っていることが多かったりしたのですが、最終ラインまで戻って守備をするなど、「もっとやらなければいけない」と真剣に考えるようになりました。それ以降は守備の領域も広がってきたように思います。そこは選手として成長したところの一つだと思っています。


ーキャプテンシーも鈴木選手の武器だと思っています。影響を受けた先輩、指導者はいますか?

鈴木 小学4年生の頃からずっとキャプテンをやってきました。小学生の頃にお世話になった佐賀(洋司)コーチには、キャプテンとしてどういう立ち居振る舞いをするべきか、細かく丁寧に教えてもらいました。小学生の自分には難しいことも多かったですが、今となってはそれが生きていると思います。高校生の頃は、3年生に加藤玄くんというすごいキャプテンがいて、玄くんの近くでたくさんのことを学びました。気を配ることができ、視野も広かったです。人間性もプレー面も含めてすごい選手だと思っていました。そういった選手を間近で見られたことが、キャプテンシーを持つきっかけになったと思っています。


ー自身が「プロになれる」と感じた瞬間はありますか?

鈴木 正直、グランパスでプロになれるかどうか、五分五分だと思っていました。「このままじゃプロになれない」とも思っていたし、心のどこかで「自分ならできる」とも思っていました。2年生の頃はゴールをはじめ結果が出なくて焦っていたんですけど、3年生になってからはプレミアリーグ開幕後の2試合で3得点したり、結果がついてきました。自信は持てていなかったですけど、可能性としては五分五分ぐらいだと思っていました。


ー山口GMからルヴァンカップの神戸戦で涙を流していたという話がありました。その時の心境を教えてください。

鈴木 それまで自分にはあとがない状況で、プレッシャーがありました。カップ戦では自分の武器を発揮できていなかったんですけど、カップ戦のあとに内定の話をもらい、その試合の悔しさとプレッシャーが解き放たれたような感じでした。


ー感情が表に出やすい印象を受けます。内面について、自身はどのように考えていますか?

鈴木 感情が表に出やすい分、言葉だけでなく表情や雰囲気で感じ取ってもらえるので、人と話すのは得意だと思っています。それがいい部分でもあると思うんですけど、感情を表に出しすぎてしまうのは悪い部分とも言えます。うまくいかない時に感情が出てしまうので、監督やコーチには迷惑を掛けているのかなとも思っています。


ー身長が伸びないことに悩むこともあったかと思います。

鈴木 正直、トップチームの練習に参加するまで、身長はあまり関係ないと思っていました。高校1年生ぐらいまでは壁に当たることがあまりなくて、通用しないと感じることがなかったからだと思います。それは良かったのかなと思いますね。ネガティブに捉えてしまうとそこに目がいってしまって、自分が大切にしている武器を見失ってしまったかもしれませんから。ポジティブなメンタルであることは良かったと思います。ただ、高校2年生、3年生になってトップチームの練習に参加するようになり、フィジカルの違いを感じたり、「自分は小さいんだな」と思うようになりました。小さいなりにプロとして生きていく術というのを、どんどん見つけていく必要があると思っています。


ー指導者の方から言われた言葉で大切にしているもの、意識していることはありますか?

鈴木 小学6年生の時、サッカーノートに「自信と過信は紙一重」という言葉を書いてもらったことがあります。父や母もその言葉を見て「たしかにそうだね」と言っていました。自分の武器に自信を持つことは大事だと思いますけど、過信してしまったら壁に当たってしまうと思います。適度に自信を持つことは大切だと思うので、うまく調整しながらやっていけたらと思っています。