長谷川健太監督
若手がよく頑張ってくれたと思います。ただ、プロの試合は“頑張った”ではダメで、結果がついてくるものです。勝ってもおかしくない内容だったと思います。チャンスの数はうちのほうが多かったのではないかなと思いますが、そこで決めきらないと。ミスが出て失点してしまうことは十分にあり得ることだと思います。痛い敗戦だったと思いますが、勉強させられた試合でもあったんじゃないかなと思います。この経験を踏まえて、彼らにはより強くなってもらいたいです。こういうゲームで勝ちきることができればチームに勢いが出てくると思います。ここで学んだものを今後の糧にしてもらいたいです。
ーリーグ戦で出ているメンバーとは異なる崩しを見せたように思います。
長身の選手が少なく、ロングフィード、体力勝負になると分が悪いということで、しっかり立ち位置をとってボールを大事にしようと。(相手の)コーナーキックでは普段はやらない“3枚残し”をして、奪ったあとに彼らの技術を生かせるような戦いにしました。短い時間でしたが、擦り合わせることができ、それを試合で表現してくれたと思います。足りなかったのはゴールだけかなと思います。
ー甲田英將選手がいいパフォーマンスを見せたかと思います。彼の評価はいかがですか?
違いを見せてくれたと思います。ただ、やはり最後のところでのクオリティーですね。そこまでは対面の選手に対して優位を保つようなプレーを見せてくれたと思います。あとは最後のところでアシストをしたり、フィニッシュを決めきること。最低限、枠に飛ばすような技術、強さを今後身につけてほしいと思います。
ーボールを失う機会が少なくなったように思います。監督はどのように見ていますか?
前半は(ジェアン)パトリッキとやりあい、後半は相手の右サイドの選手とバトルをして、勝っていたように思います。ボールロストは確実に減ってきていると思います。ウエイトトレーニングをはじめ、肉体的に強くなるために地道に取り組んできたことが成果として出てきているんじゃないかなと思っています。
ー試合に出場したメンバーたちに対して、どのような言葉を掛けて送り出したのでしょうか?
「名古屋のユニフォームを着て出るからにはプライドを持って闘ってもらいたい。グランパスファミリーの皆さんが多く集まったのは、みんなのプレーに期待してくれているからだ」と。「そういう人たちの期待に応えよう」と言って送り出しました。
ー選手たちは怖気づくことなく積極的な姿勢を見せた一方で、ゴールが生まれませんでした。そのあたりについて監督はどのように捉えていますか?
恐れてしまって萎縮する選手が出てくるかなと思っていたのですが、我々の頃とは違うんだなと(笑)。のびのびというわけではないですが、緊張せずにしっかりやれたことに驚いています。テンパって頭が真っ白になってしまう選手が出てくるかなと思っていましたが、しっかりとやってくれました。「大したもんだな」と思いながら見ていました。なので、余計に最後のところが際立つというか、やはりそこだなと。そこ以外では十分にやれる力を見せてくれたと思います。
ー今後、起用したいと思った選手もいるのではないでしょうか?
強化指定以外の選手であれば、可能性はあると思っています。昨シーズン、豊田(晃大)は天皇杯(セレッソ大阪戦)でハーフタイムでの交代となりましたが、今日は非常にいいプレーを見せてくれたと思います。最終ラインに入った(吉田)温紀は、落ち着いてプレーし、リンコンとやりあってくれました。どちらかと言えば助けられてプレーすることの多かった選手たちが、今日はチームを引っ張ってくれました。状況を見ながら、メンバーを決めていきたいと思っています。