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明治安田生命J1リーグ第33節 FC東京戦 前日監督会見

2810月
10月28日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、10月29日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第33節のFC東京戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー約3週間と長い準備期間の中で取り組んできたこと、見直してきたことについての手応えはいかがですか?

手応えはやってみないとわからない部分がありますが、少しマイナーなチャレンジというか、プラスアルファでさらに積み上げていけるようなチャレンジを(FC)東京戦でしていきたいと思っています。その準備はここ2週間でやってきたつもりなので、あとは実際にゲームになってみないとなんとも言えない部分はあると思いますが、ホーム最終戦を観に来てくださるファミリーの皆さんや、応援に来てくださる皆さんに熱いゲームを少しでも観ていただいて、「観に来た価値があった」と言ってもらえるような試合にしなければいけません。今シーズン最後のホームゲームなので、出しきるような試合にしていきたいと思っています。


ーマイナーなチャレンジというのは、ポジションチェンジや選手の入れ替えのことかと思います。それは点を取ることやチームを前に押し上げるような意図が強いと感じています。

はい。今シーズンの27得点というのは本当に少ないと思いますので、少しでも点を取れるように、可能性を広げるチャレンジをしていきたいと思っています。


ー最近は中谷進之介選手を3バックの中央に入れて、藤井陽也選手を右に配置する形を試されています。藤井選手を右に動かすということは、彼の成長を示すものなのかなと思います。

明日どんな形でやるかは、明日の先発メンバーを見ていただければと思います。それも一つのオプションとして、今シーズンはなかなかそういう形でやれなかったので、それぞれの良さをさらに引き出せるのではないかなと思っています。


ーその配置のほうが、適性的には合っていると考えているのでしょうか?

いや、そうとは限らないと思います。中谷のフィードも良かったですし、藤井のスピードは中央にいることによって、例えば浦和(レッズ)戦とか、京都(サンガF.C.)戦の(ピーター)ウタカに対してとか、やられるシーンもありましたが、スピード系のFWに対しては絶対的な対応力を持っているので。あとは真ん中で落ち着いてボールをさばけるので、彼が中央にいるのも悪くはないと思っています。もちろん統率力など足りない部分はまだありますが、悪いからといって変えるわけではなく、プラスアルファの良さを出せるのではないかということで、チームとして少しでも前進できるようなチャレンジをしていきたいと思っています。


ー直近の2試合はプレスを掛けきれなかった部分があり、そこの改善も重要なポイントだったかと思います。

そこはこの2週間で言ってきたつもりではあるので、明日のゲームでどんな形になるかということだと思っています。


ー対FC東京という点でも、そこが重要になると考えていますか?

FC東京は特に森重(真人)から非常にすばらしいボールが背後に出てくるので、その出どころをあまりにも簡単に、フリーで、というわけにはいかないと思っています。


ー折に触れて聞いてきていることですが、現時点での藤井選手の今シーズンをとおしての成長や頼もしさについてどう感じていますか?

こうして1年間ポジションを守ってきたというのは彼の成長だと思っています。先ほども言ったように、まだポカがあってやられるシーンはありますが、3バックの真ん中でここまでずっと出て、強豪相手でもしっかりと抑えた試合もありますし、一定以上の結果は出してくれているのではないかと思っています。


ー第28節のアビスパ福岡戦ではジョン マリ選手の突破に対して、倒れながら頭を出して防いだ場面がありました。すごく成長を感じたシーンでしたが、監督はどう見ていましたか?

ずっと真ん中で使い続けるということ、ずっとレギュラーで出続けているということは、プレーを認めているからだと思っていただいていいと思います。ジョン マリの突破を頭でなんとか掻き出して、相手の突進を止めたシーンもありましたが、それ以外にもたくさんいいプレーがあったと思います。逆に、陽也の攻撃面での良さをさらに引き出せるような形がないのかということで、配置換えを考えました。そうはいっても3バックの配置転換はリスクを伴いますので、シーズン途中で、これだけ得点数が少ない中で変えることはなかなかできませんでした。それだけランゲラックも含めて、しっかりとやってくれたと思っています。ただ、より良くしていくためのチャレンジはし続けていきたいと思っていますので、その一つの試みとしてそういう可能性もあるということです。


ーホーム最終戦の相手がFC東京というのは縁があるなと感じます。

はい、それは非常に、改めて日程くんはすごいなと感じますね(笑)。


ー意気込む部分もありますか?

もちろん、昨年まで指揮を執ったチームとホーム最終戦で闘うのは感慨深いものがあります。ただ、それ以上にホーム最終戦でアグレッシブなサッカーを見せて、今シーズンを終えたいと思っています。


ー今シーズンのFC東京をどう見ていて、名古屋としてはどう闘っていくのがベストだと考えていますか?

対戦相手の監督という立場で見ると、怖い選手がたくさんいるなという印象です。チームとしても尻上がりに良くなってきたと思います。どうやって闘うかと言えば、自分たちの戦いをするしかないと思います。ここまでもそういう戦いをずっとしてきたので、その中でどちらがしっかりと守れて、どちらが1点でも多く点を取れるか、という試合になると思います。東京も非常にアグレッシブに闘ってくると思うので、そういう試合になればと思っています。


ー残留争いをしていたわけではないですが、残留が確定しました。現在の心境はいかがですか?

(残留確定が)残り2節までかかってしまったというのは、今シーズンは調子が上がりそうで上がりきれなかったというところだと思います。終盤は難しい時期があったと思いますが、本当に選手たちがよく頑張ってくれたと思いますし、ファミリーの皆さんの声出し応援が大きな後押しになったことは間違いありません。満足できる成績ではないですが、まずしっかりと残留が決まったということは、やり続けた部分の結果だと思うので、残り2試合で少しでも順位を上げられるように闘っていきたいと思います。


ー今年は得点力に苦しみ、監督としても経験したことのない数字だと思います。どういったところが噛み合わなかったのか、誤算があるとすればどんなところだと感じていますか?

なかなか前(の選手)が決まらなかったですよね。そこが一番大きかったかなと。普通は軸になる選手がいて、そこを中心にチームを作っていくのですが、開幕してからそこが決まらなかったことが大きかったと思います。最初は酒井(宣福)が出ていましたが、なかなか結果が出ない中で、次に変わる選手がなかなか出てこなかったと。そこでマテウス(カストロ)をFWにコンバートしてシステムを変えた中で、少しずつやっと兵がそろってきた部分があったと思います。そういう中でもFWの戦力が薄い部分があって、石田(凌太郎)を徳島(ヴォルティス)から呼び戻さなければいけない状況でした。彼は本来サイドの選手ですが、FWで使わざるを得ないくらい駒がいなかったというのは否めないと思います。夏の補強でナウド(レオナルド)と永井(謙佑)が入ってきたことで、非常に大きなバックアップになったと思っています。永井は3点、ナウドはここまであまり結果を出せていませんが、マテウスが8点取って二桁まではいっていませんけど、彼を軸にしながら、攻撃の形がシーズン途中で見えてきた。それでは遅いと思います。最初はこういう計算をしてスタートしたわけではないですが、途中で変更せざるを得なかったというこちらの責任もあると思います。そういう中で、苦しい時期を選手全員がよく闘ってくれて、ここまで歩みを運べたと思いますので、残り2試合になりますが、苦しんだ部分をすべて吐き出すようなアグレッシブなプレーを期待したいと思います。


ー最後まで良くしていこうという気持ちは、配置転換からも伝わってきます。どういうものを見せれば、来シーズンにつながると考えていますか?

やはりまずは得点の経路、道筋というのを増やしていかないと、選手たちもどういう形に持ち込めば点が入るのかわからないと思います。優勝するような強いチームというのは必ず得点パターンがあって、(相手が)わかっていても防げないような道筋があると思いますので、それを名古屋として作っていかなければいけない。そういう中でマテウスが軸でという部分で、右サイドの攻撃は森下(龍矢)が絡んだ右サイドからの崩しはいい形が多々あった中で、その崩しを仕留めきるということが足りなかったということ。左も相馬(勇紀)に負担が掛かってしまったと思いますが、左側でうまく絡んで崩すというパターンをなかなか確立することができなかった。内田(宅哉)が入ってきて、明日は使えませんが、左でもいい形が出てきたり、重廣(卓也)が途中から加入して、重廣との絡みで何回かチャンスを作ったりということは、試合が進むにつれて出てきてはいると思います。ただ、そういう中で仕留める選手というのはまだ足りていない部分があったと思います。酒井もやっとけがが癒えてきて、だいぶ調子も上がってきたので、そういう選手をうまく使いながらということもこれからは考えていきたいと思います。


ー11月1日のワールドカップのメンバー発表前最後の試合ということで、相馬選手にとって大事な試合になると思います。現在の彼の状態についてはいかがですか?

状態は悪くないと思っています。あとは、森保(一)監督がどういう戦術で闘うかによってメンバーが選ばれると思います。ほぼ決まっているかと思いますが、相馬には目に見える結果を出してもらって、最後のアピールに期待したいなと思います。