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明治安田生命J1リーグ第32節 京都戦 前日監督会見

710月

10月7日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、8日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第32節の京都戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。


長谷川健太監督


ー厳しい敗戦のあとですが、先日の公開練習はいい雰囲気だと感じました。次の京都サンガF.C.戦に向けて、どういった姿勢で選手を後押ししたいですか?

悔しい敗戦でしたが、悔しがっていても取り戻すことはできないので、前に進むしかないと思っています。勝って自分たちで雰囲気、状況を変えていくしかないと思います。そういう意味では、今週は意識高くトレーニングをしてくれたと思います。京都は前回の天皇杯でメンバーをターンオーバーして、この試合への意気込みを感じるので、激しい試合になるという覚悟を持って臨んでいきたいと思っています。


ー強度を出せる時はいい試合になると思います。これまで強度を出せなかった試合もありましたが、強度を出せた試合と出せなかった試合の違いはどこにあると思いますか?

自分たちのアグレッシブな守備がハマっている時は噛み合っていい試合になると思いますが、なかなか自分たちの守備がハマらないと難しい展開になるかなと。まあそれは当たり前なんですが。本来はやらせない力をつけていかないといけないですが、噛み合わせが悪い時にぽろっとやられてしまう傾向がありますし、逆に劣勢の中で決めきれる力も足りないところだと思います。この前の京都と(サンフレッチェ)広島の天皇杯はいい例で、広島が1点リードしている中で何回か追加点を決めるチャンスがありましたが決めきれず、逆に京都が1点を取って試合の状況が一変したと。ああいう劣勢の中で決めきる力という部分も今の名古屋には足りないと思うので、そこはトレーニングの中で身につけていくしかないという話をしました。それが今週、意識高く取り組んでくれた成果だったと思うので、前節の(横浜F・マリノス戦)負けを肥やしにして、次に向けてしっかりと進んでいきたいと思っています。


ー守備がハマらない時は一度引いて耐えてから攻めるということをこれまでやっていましたが、横浜FM戦はあえて前に出たところもあったと思います。そういった判断は選手たちに任せている部分もあると思いますが、監督からも指示をしたのでしょうか?

下がることを先に強要してしまうと、下がる選択肢になってしまうので、基本的には(前に)いくという選択肢の中で(ボールを)取れない時に初めて下がる、という形を取っていきたいと思っています。前回の1失点目は取りにいったけどハマらず、そこを剥がされたと。一番やってはいけないことですが、マリノスにそこをやられてしまった。人はいるけど、あと一歩の足が出なかったと。そこのクオリティーの違いを認めつつも、そこを上げていってああいうチームを倒すことができれば、優勝に手が届くチームになっていくと思います。もう一歩というところは、トレーニングでできないことは試合でもできない。これは明らかです。シュート練習など、シュートが多く出るシチュエーションでなかなか入らないなら、試合で入るわけがないという話をしました。練習の中で決めきる力をチーム全体で養っていかない限りは、試合で点を取れと言われてもすぐには無理なので、もっと練習の中で意識してやっていこうと話しました。そこはみんな受け入れてやってくれたと思います。一つずつ、と思っています。


ー前からの守備を成り立たせていくためには、全体でまとまっていくことが必要なのか、それともボールを奪う局面での迫力がもっと必要なのか、どちらでしょうか。

コンパクトにすることだと思います。選手には言っていますが、アグレッシブに、コンパクトに連動ということ。前回の試合はコンパクトさがなかった部分と、献身性ですね。前の選手が二度追い、三度追いしなければいけないところで、前回の試合はマテウス(カストロ)がけが明けということもありますが「なんで後ろが来ないんだ」というような仕草や、前線の選手もいつもだったらスプリントを掛けて相手にプレッシャーを掛けるところで、なんとなく後ろがハマっていないので、気にしながらいききれなかった。前線の選手の献身性も大事だし、中盤の選手がよりいくためにディフェンスラインがもっと上げなければ中盤が間延びしてしまい、前回の試合のように3人で守らないといけない状況になってしまいます。そうなってしまうと難しいので、もっと全体がコンパクトに連動する。簡単に(ボールを)取れるわけではないので、取れなかったらもう一回追ってあげると。いい時はそういうことをしながら、後ろの選手がしっかりといける状況の中でしっかりとはめ込んでいくという作業をやれているんですが、前節はなんとなく淡泊でいき方の迫力がなかった。マリノスにとって一番剥がしやすいスピードでアプローチしてしまったと思うので、いくならもっと激しく、迫力のあるいき方をしないと相手にとってはなんのプレッシャーにもなりません。前節はディフェンスラインを上げる部分と、前線の迫力や献身性が足りなかったと思います。


ーそれができれば攻撃にも迫力が出ると思います。

いい守備がいい攻撃につながってくると思いますし、もちろんその逆もあると思います。やはりいい守備をしている時はバランスがいいと思うので、奪った時の攻撃の第一歩がしっかりと入ると思います。ずっとそこを肝として闘ってきた中で、できた試合、できなかった試合という部分が試合内容や結果に表れていると思います。


ー横浜FMとは異なりますが、京都も強度のあるチームだと思います。試合の中でより表現したいことがあれば聞かせてください。

京都もインテンシティや強度があるので、そこを上回れるかどうかが大きなポイントになると思っています。


ー勝つためには得点が必要になります。決定機の質を高めるためにチームとして、個人としての取り組みが必要だとおっしゃっていました。この1週間でより意識したことはありますか?

FWの選手がトレーニングで決める回数が明らかに増えてきたと思います。選手たちが意識高くトレーニングをしてくれたのではないかなと思っています。決められるかどうかは試合になってみないとわからない部分がありますが、意識高くトレーニングをできたと思います。


ー意識が高まった要因としては、前節の敗戦が影響していると思われますか?

そうですね。できなかったところを素直に認めて、自分たちの足りないところをトレーニングで上げていくしかないというところで、そういうメニューをやったつもりではあります。1週間やったからどう変わるというわけではないですが、その積み重ねが今後得点や結果として表れるのではないかなと思います。


ー「積み重ね」という言葉が出ましたが、今シーズンでできたことと、残りの3試合でより表現したことがあれば聞かせてください。

できたことは自分たちのビルドアップのところ。攻守において能動的にという部分は表現できたと思っています。ただ、最後のゴールの数が圧倒的に足りないので、結果として結び付けられるように残り3試合で1点でも多く取って、今シーズンを終えられればと思います。


ー横浜FM戦のように、うまく守備がハマらない時にどう修正していくかが課題だと思います。選手同士の意思疎通がうまくいっていないという印象ですか?

いや、ハーフタイムでもっと的確にやり方を変えていれば、選手たちはよりわかりやすかったと思うので、こちらの迅速な対応という部分も足りなかったと思います。


ーそういう指示も含めて、選手たちがどう動くかを高めていきたい?

「ハマっていない」と言いながらも、(前半で)1点しか取られていないですし、チャンスがなかったわけでもないので。ハーフタイムでそこをもっとはっきりさせることが、ベンチワーク的には少し足りなかったのかなと思います。ただ、内田(宅哉)を右サイドのシャドーに入れてからは、内田に相手のボランチを見てもらうような形ではっきりさせて、そのあとは危ないシーンもありましたが、中盤でハマらないというようなことはなかったので、初めからある程度はっきりさせることも必要だったと思っています。


ー現時点で、上位陣との差は紙一重な部分があるイメージですか?

Jリーグ全体的にどのチームも紙一重だと思います。難しい時間帯にやらせないことができるかと難しい状況の中で決めきる力があるチームが上位にいっていると思います。どのチームもずっとイニシアティブを取ってやるのは難しいと思うので、その紙一重の中で決めきる力と抑える力が上回っているチームが上位にいると思います。それが発揮できていないチームが下位にいるのではないかなと思っています。


ー次の京都戦でJ1残留が決まる可能性もあります。

しっかりと勝って、まずは残留をしっかりと勝ち取らなければいけないと思います。どの試合もそうですが、勝利を目指して闘っていきたいと思います。


ー早めに残留を決めることで、気持ち的に安心できる部分もありますか?

「残留、残留」と言われるのが本当に心苦しいというか、耳が痛いというか……。なんとかすっきりとした形で残り2試合を迎えられるように、頑張っていきたいと思っています。


ー京都も強度があるチームなので試合序盤から強度高く、ハメきれるかがポイントになってくるかと思います。

京都は(サガン)鳥栖戦にしても、(ヴィッセル)神戸戦にしても立ち上がりでグッとペースを握って、得点を奪って勝ちきっているので、立ち上がりは非常に大事な時間帯になると思っています。


ー立ち上がりでハメきれなかったとしても、ゴールラインを絶対に割らせない、というところも事前の策として必要になりますか?

それはいつも一緒で、全部が全部高い位置で取りきれるわけではないので。90分間それをやりとおせれば理想ですが、それはなかなか難しいことです。取りきれなかった時に、しっかりとゴールを守るという守備に切り替えて対応することも非常に大事だと思っています。


ー4日に行徳瑛選手の2023シーズンの加入内定発表がありました。どういう印象や期待を抱いていますか?

大型のDFで足元もしっかりしていて、スピードもあって非常に今後が楽しみな選手だと思っています。お父さん(行徳浩二)もよく知っている方です。お父さんは非常にテクニックのあるサイドバックで、ドイツでもプレーしていた選手でした。年齢は私より一つ上ですが、高校時代や清水(エスパルス)に入ってからも交流のあった方なので、息子さんにはお父さんを超えるようなプレーヤーになってほしいと思います。


ー行徳浩二さんとは対戦経験や交流があったのですが?

清水でプレーしていましたし、ユース年代でもコーチなどをしていたので、そういう交流はありました。


ーでは、今回加入する行徳選手ともすでに面識があったのですか?

ないです。「行徳さんの息子かあ」という感じです。いろいろなチームが手を挙げていたみたいですが、その中で名古屋グランパスを選んでくれたというのは非常にうれしいことです。将来は日本代表を背負うような選手になってほしいと思っています。