■山口素弘GM
来シーズン、静岡学園高校の行徳(瑛)選手が名古屋グランパスへ加入することが内定したことをお知らせいたします。プレーの特徴などは皆さんもご存知かと思いますが、実は彼が静岡学園中学に在籍していた頃から注目していました。当時から恵まれた体格が一番目を引くところでした。恵まれた体格を持ちつつもしっかりとした足元の技術がある。これは静岡学園中学、静岡学園高校でのトレーニングの賜物だと思います。中学の時は発育途中の段階で、恵まれた体格を生かしきれていない部分があると思いつつも、ポテンシャルの高さが非常に目を引いていました。静岡学園高校に入学し、すばらしい指導の元、恵まれた体格が生かされるようになってきたと感じています。それがグランパスからオファーをした理由の一つです。そして、3年生になってからキャプテンを務めていて、中学時代に何度か話した時にはおとなしいかなと思ったのですが、キャプテンになってから発揮しているリーダーシップは彼の持って生まれたリーダーの品格を感じます。
また、プレミアリーグ(高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022)のセレッソ(大阪U-18)戦で静岡学園が退場者を出し、数的不利で負けている状況で、彼がコーナーキックからヘディングシュートでゴールを決めました。その気迫は今までにないような、驚かされるようなもの感じました。そしてチームを勝たせるために最後まで諦めずに闘った姿勢、ネバーギブアップの精神はグランパスの精神にもつながるところですので、是が非でも獲得したいと思った選手です。
(編集部注:セレッソ大阪U-18戦では行徳選手が84分に同点弾、90+2分に逆転弾となる2ゴールを記録。チームはその後に1点を追加して3−1で勝利)
この度、本人がグランパスへの加入を選んでくれたことをうれしく思います。そしてグランパスの中心になってやってほしいと。それと同時に、これだけのポテンシャルを持った選手を今後どうやって伸ばすか。日本を代表するポテンシャルを持っている選手ですので、その責任の重さをひしひしと感じています。早くスタジアムで彼の姿をファミリーの皆さんに見せたいと思っています。
このあと記者の皆さんから行徳選手へ質問があると思いますが、だいぶ緊張しているようなので怖い顔をせずに、お手柔らかにお願いします(笑)。
■行徳瑛選手
2023シーズンから加入することになりました、静岡学園高校の行徳瑛です。一日でも早く試合に絡んで、チームの勝利に貢献できるように頑張ります。よろしくお願いします。
■質疑応答
加入内定が発表された今の心境はいかがですか?
行徳 プロはずっと目標にしてきたところで、オファーをいただいて、グランパスというすばらしいクラブに加入できることをとてもうれしく思っています。それと同時に、責任を感じています。立ち居振る舞いなど見られ方が変わってくるので、行動、言動で示せるようにしていきたいと思っています。
グランパスというクラブの印象は?
行徳 Jリーグが始まった時からある歴史あるクラブで、優勝、タイトル争いに絡むようなすばらしいクラブだと思っています。
先日、プレミアリーグで対戦したばかりのグランパスU-18の印象はいかがですか?
行徳 前期と後期で2試合やって「うまいな」という印象を受けました。
今年のトップチームの試合は観ていますか?
行徳 観ています。強烈な個があって、最後まで闘いきる姿勢を感じました。個の力がありつつも、チームとしても闘うチームだと感じました。
自身の強みは?
行徳 自分の強みは足元の技術とフィード、ヘディングです。
その中でも一番自身があるのは?
行徳 今年はセットプレーからのヘディングが結果につながっているので、そこは自信がついてきています。
以前はボランチでプレーしていたと聞きました。ボランチからセンターバックになって、どんなことを意識してきましたか?
行徳 静岡学園ではテクニックが重要とされていますが、センターバックとしては守れることが大前提としてあります。1対1で負けない、縦パスを入れさせない、ヘディングで負けないという守備をやった上で、攻撃で自分の特長を生かさないといけません。もともとボランチをやっていて守備が得意ではなかったので、センターバックになってから守備への意識が変わりました。
高校年代とプロの違いはどんなところだと感じていますか?
行徳 高校レベルと比べたら強度やスピード感が全く違います。1試合1試合の重要さ、仕事であること、サポーターがいての選手だと思うので、そういったところでの責任感や試合に対する思いは高校年代とは格段に違うと思います。
加入後、試合に出るためにどんなことが必要だと考えていますか?
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