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天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16 C大阪戦 前日監督会見

127月
7月12日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、7月13日(水)に行われる天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会ラウンド16のセレッソ大阪戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー完全移籍での獲得が発表された永井謙佑選手は長谷川監督もよく知っている選手です。彼のどういう部分が今のチームに必要なのかを教えてください。

推進力という部分は永井の持ち味だと思います。キャラクター的にも明るいですし、チームをいい方向へ引っ張ってくれる存在になると思っています。


ー彼はFWというポジションにこだわりを持つ選手で、FWでの起用が移籍の大きな要因になったとおっしゃっていました。

(FC)東京時代に2トップを組ませていました。アシストもできて自分でも決めることができる選手なので、サイドよりはFWのほうが、持ち味が出るのではないかなと思っています。


ー以前名古屋に在籍していた頃よりパスの能力が上がっているように見えます。監督が指導した部分、引き出した部分はあるのでしょうか?

いや、特にはないです。トレーニングをしながら彼自身が磨いた技術だと思います。「こういうプレーをしろ」とか、「こういうタッチをしたら?」というアドバイスをしたことはありません。「死ぬまで走れ」とは言い続けていましたけどね(笑)。


ー明日の天皇杯ラウンド16のセレッソ大阪戦は限られたメンバーで闘うことになります。そういった状況で割り切った戦い方になりますか?

明日、メンバーを見ていただければわかると思いますが、割り切ってやるしかないと思っています。


−前節の清水エスパルス戦を踏まえて、やってはいけないことや気を付けなければいけないことはどういったことがありますか?

清水戦はディフェンスラインが少し急造だったこともあり、はじめはスライドの部分がうまくいきませんでした。特に後ろが余ってしまったというところで、前半の途中までうまくハマらなかった部分はあるのですが、途中からはいい形でやれたかなと思います。チアゴ サンタナのところはもっと潰さなければいけなかったと思いますが、丸山(祐市)もよく頑張ってくれたと思います。アキ(河面旺成)もJ1初先発でしたが、尻上がりに(良くなって)、よく頑張ってくれました。失点シーンは相手のショートカウンターというか、うちが上げたクロスを相手GKが弾いたところから始まったので、少し攻め残ったような形になって、枚数的には足りていたと思うのですが、そこから西澤(健太)にシュートを打たれてやられました。もう少しディフェンスが寄せきれれば、という感じでした。前半はほかに危ないシーンはなかったですし、先制点を取れそうな場面をいくつか作れていたので、強いて言えば先制できていたらと。


後半の立ち上がりにポストに当てられたシュートシーンもありましたが、VARで(稲垣祥のゴールが)取り消されたシーンは微妙な判定だったと思います。ああいうのが入っていれば、というような展開でした。終盤は1点を取りにいって、勝利にこだわりました。あの時間からリスクを掛けていかないと追いつけないですし、逆転もできないということで(吉田)豊をセンターバックの位置に入れて、サイドにどんどんいける選手を入れましたが、退場と2失点目は致し方ないのかなと思います。そういう意味では入りも悪くなかったですし、内容自体も。最下位のチームに負けたということで印象は悪いですが、VARで取り消されたシーンもしっかりと崩して稲垣のシュートまで至っていますし、前半の柿谷(曜一朗)の裏抜けやマテウス(カストロ)のクロスを柿谷がヘディングした場面などは、自分たちの形から決定機を作れているので。最下位のチームにホームで負けたショックや悔しさはありますが、内容的にはそこまで悪い内容では。言い訳をしてはいけないのですが、3連戦の中でメンバーに新型コロナウイルスの陽性者が出たので、ベンチメンバーも含めて苦しい状態で闘わざるを得なかったというところはありました。そういう中で、みんなよく頑張ってくれました。


(試合当日は)午前中に検査に来てもらって、陰性判定を受けてから試合の準備をしてもらうという形で、いつもの試合前のルーティンとは違うようなことをさせないといけない状況でした。それを言い訳にしてはいけないと思いますが、大事な試合なのに、そういうことで選手たちに試合に入り込めるような環境を作ってあげられなかったことは、申し訳なかったと思います。ただ、遠征の移動中に罹患したと思うので、これも仕方がない部分があるのではないかなと思います。そこは少し理解していただいて、ということで切り替えて天皇杯に向かっていきたいと思っています。皆さんがおっしゃりたいことはわかりますし、負けてはいけない試合で負けてしまったことは重々承知ですが、そういう事情があったということもわかっていただきたいと思います。


ー相手や試合状況によって中盤の枚数を変えることがありますが、どういった意図で変えているのでしょうか?

意図はいろいろあります。清水戦に関しては、前半はスライドがうまくいかなかくて、本当はもっと前から行きたかったんですが、相手がイレギュラーな立ち位置を取ってきた中でアジャストするのに時間が掛かってしまったと。後半の立ち上がりのような試合展開を前半からやりたかったんですけど、なかなかできなかったので変えました。あとは3連戦の3試合目で稲垣とレオ シルバに掛かる負担が大きくて、アンカーを置く形の3ボランチで稲垣がずっと出ている状況だったので、ダブルボランチにして彼らの負担を少しでも減らしてあげたいという狙いもありました。相手の状況を見ながら、自分たちの状況も見ながら、という感じです。交代のカードを含めて、どういう布陣が一番自分たちの力を出せるのか、というのも見ながら布陣を変えたりしています。


ー永井選手が加入したことで、どういった化学反応を期待したいですか?

選手たちにも言いましたが、やっと正常な競争ができると思っています。今までは前線の選手にケガ人が多かったので、疲れが出たり、多少コンディションが落ちても使わざるを得ないというか、出てもらわないといけない状況でした。これからはコンディションや練習のパフォーマンス、相手の特徴を見ながらセレクトできると思います。ナウド(レオナルド)は上背があって、体格を生かすようなタイプではないですが、酒井(宣福)がケガをしてから前でポストプレーをできる選手がいなくなってしまったので、ナウドはそういう素養があるのかなと思います。がっつり前で張るようなタイプではないですが、身長があるのでそういうタイプかなと。永井みたいなスピード系も、マテウス(カストロ)が落ちてということはありましたが、ガンガン裏に抜けるようなタイプは今までいなかったと思います。そういう選手が入ってきたということは、一つ攻撃のオプションが増えると。柿谷のように足元で受けられるタイプもいるので、試合の状況や相手の選手を見ながら前線の選手をセレクトできそうだなと思っています。


ー采配の幅が広がった印象がありますか?

そうですね。最近は判を押したように、柿谷から石田(凌太郎)ということしかできなかったので。彼らはここまで本当によくやってくれたと思っていますが、これからは競争の中でそれぞれに結果を求めていきたいと思います。シーズン当初にも言いましたが、やはりFWが点を取らないとチームに勢いが出ないと思います。(第14節の清水戦で)酒井が点を取りましたが、そのときはグッとチームとしても沸きました。新加入の選手であったり、柿谷や石田が点を取ってチームを勝たせるような試合に作っていかないと、複数点を挙げたり、リードされた試合をひっくり返すことはなかなか難しいと思います。前線の選手の競争に期待していきたいです。


ー明日の試合に向けて選手たちにどんな言葉を掛けましたか?

またスタッフに1人(新型コロナウイルスの陽性者が)出て、リリースは出していないですが、ご家族が陽性判定になって濃厚接触者として選手を1人削られました。本当にカツカツな感じなので、2種登録の選手も使いながらということで、みんなで。せっかくのベスト16なので、勝つためにしっかりと準備して、「勝って帰ってこよう」という話をしました。


ー天皇杯のこれまでの2試合はカテゴリーが違う相手との対戦でした。今回は同じJ1のチームが相手になりますが、どう捉えていますか?

セレッソは調子がいいですし、我々はチャレンジャーの気持ちで闘っていきたいと思っています。アウェイですし、非常に厳しい試合になると思いますが、みんなで力を合わせて、勝ってベスト8に進めるように闘っていきたいと思っています。


ー常々おっしゃっている「カップ戦をリーグ戦に」という意味では、ここで勝てば次節の川崎フロンターレ戦に向けて勢いが出るのでは?

そうですね。今回は、普段出番のないような選手も含めながらの遠征になると思います。川崎戦は新加入選手の登録も完了するので、そういう意味ではリスタートという気持ちで試合に臨めるのではないかなと思います。天皇杯でしっかり勝って、勢いをつけることができれば、いい形で川崎戦に臨めると思っています。


ー人員がカツカツで、相手が好調ということを踏まえると、粘り強く闘っていくようなイメージも抱いていますか?

必然的にそういう展開になるのではないかなと思っています。


ートーナメント形式の大会のため、PK戦になる可能性もあります。人選は選手に決めてもらうタイプですか?

いや、こちらで決めます。


ー永井選手は2トップの組み合わせによって、持ち味がより出るタイプだと思います。この選手と組ませたらこういうふうになる、というようなイメージはありますか?

いや、練習ができていないので、ぶっつけ本番という感じになるかなと思います。川崎戦が終わったら少し間が空くので、トレーニングの中で合わせていきたいなと。ただ、川崎戦に関してはぶっつけ本番になるかなと思います。


ーどういうタイプと相性が良さそうですか?

(FC東京時代は)アダイウトンとはあまり合わなかったと思います。ディエゴ(オリヴェイラ)やレアンドロ、髙萩(洋次郎)とは普通に合っていたと思います。同じタイプを並べるとあまり良くないのかなと考えています。


ーチームが大変な中でタイトルが懸かった試合に臨むことになります。この天皇杯をどのような位置づけとして捉えていますか?

必ずこのあたりで苦しい試合を乗り越えないといけないと思いますので、それが明日の試合なのかなと思っています。トーナメントのカップ戦ですし、我々にも十分チャンスがあると思うので、みんなで力を合わせて闘っていきたいと思います。


ー「セレッソ大阪は調子がいい」とおっしゃっていましたが、どのような分析をされていますか?

セレッソも中2日という日程が続いていて、我々との試合が終わったあとに大阪ダービーがあるので、どういうメンバーでくるのか読めない部分があります。前回の試合で出ていなかった選手で言えば、(ブルーノ)メンデスや(アダム)タガートがFWで出てくる可能性は十分あります。西尾(隆矢)もこの間は出ていませんし、出ていないメンバーを並べても結構なメンバーがいるので、どういう形で組んでくるのかはスターティング表を見ないとわかりません。誰が出てもコンパクトでインテンシティが高い試合をしていると思うので、明日もそういう展開になるのではないかなと思います。


ー育成に定評がある監督でもあり、明日は若い選手を見るのも楽しみです。期待している選手はいらっしゃいますか?

そういう選手が出るかどうかもわかりません。遠征メンバーとして連れて行くという話はしていますが、先発で使うかどうかは言っていません。みんなで力を合わせて闘っていきたいと思っています。