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【The Scene】第20節柏戦(森下龍矢)

77月

選手が自身のプレーを振り返り、瞬間的に思い描いていたイメージやその選択に至った理由を明かす『The Scene』。今回は、7月6日(水)の柏レイソル戦で決勝点をアシストし、勝利に貢献した森下龍矢にフォーカスし、プレーの真意に迫った。





まずは昨日の試合の振り返りをお願いします。

森下 勝つことが一番なので、まずは勝てて良かったです。勝って成長する、勝って進んで行くということを示せたかなと思います。常に勝ちを目指していますが、そこで勝てないこともあります。勝つためには最後の質や頑張ることも大事ですが、最後にどれだけ集中できるか、最後にどれだけ研ぎ澄ませられるかということも大事になので、そういう意味でも良かったのではないかと思います。


ここ最近は調子が良さそうに感じます。個人の出来についてはいかがですか?

森下 気持ち良く走れている感覚はあります。以前にも言ったことがありますが、昨年の試合に出られなかった時期も含めて、名古屋に来てから「俺、全然ダメだな」と思うことがないんです。気持ち良くサッカーができていて幸せだ、という幸福感がプレーにつながっているのかなと思っています。


幸福感と“渇き”に突き動かされているんですね。

森下 そうですね。今シーズンは自分たちからアクションを起こしてやっていくというサッカーをしていて、それなりに手応えがある試合もたくさんあります。ただ、その中で最後の最後で一歩が足りないところがあって、僕はそれがすごく悔しいです。監督やスタッフ陣が綿密な戦術を提示してくれて、周りの選手もそれに応えようとしてるけど、最後の僕のところでスルーパスやクロスがズレてうまくいかない瞬間を感じることがありました。そういった思いは勝つこと、成功することでしか潤せない渇きだということで、昨日は渇きという表現を使いました。練習でいくら成功しても、その渇きは絶対に潤いません。チームや頑張ってくれている周りの人たちのために、試合でどれだけプレーできるかを考えてプレーしています。


前々節の湘南ベルマーレ戦は出場停止で欠場し、右サイドには内田宅哉選手が入りました。外から試合を観て感じたことはありましたか?

森下 まずウッチーのプレーにフォーカスすると、彼の球際は本当にすごいですね。僕にないものを持っている選手なので、そこは単純にすごいなと思いました。でも、僕にも絶対に負けない部分があるので、そういったところをお互いに出していけたらと思います。ウッチーがインサイドハーフで出た時は、そういう部分が相乗効果となって、僕とウッチーの間で何度かいいプレーを出せていたので、そこは続けていきたいです。チームとしては「積極的に前に行こう」という気持ちはすごく伝わってきました。改めて外から観たことで「自分はこういう影響を与えなきゃいけないんだ」と再確認できました。僕はピッチに立てば立つほど客観的な立場で観られなくなるので、俯瞰的な立ち位置で試合を観れたことが前節の柏(レイソル)戦に生きたのかなと思います。


影響を与えられる部分はやっぱり推進力や勢いですか?

森下 やっぱりそこですね(笑)。特攻隊長ではないですけど、矢面に立って一番最初に切り裂いていくんだという選手が1人ぐらいいてもいいじゃないですか。そんなに頭がいいわけではないし、器用なプレーはできないけど、「行くんだ!」という選手がいるといないとでは違うと思います。もちろん僕だってマテちゃん(マテウス カストロ)みたいなスーパーな選手になれたらいいなと思うし、シンくん(中谷進之介)みたいに冷静にプレーできたらいいなと思うこともあります(笑)。でも、一プレーヤーとしてそういう特攻隊長みたいな立ち位置もありだし、僕にはそれが似合っているなと思います。ウッチーは落ち着いたプレーができるのでチームに安定感をもたらせると思いますけど、それが2人いてもおもしろくないですよね。ウッチーは安定感で、僕はカオスみたいな(笑)。そういう多様性があるとチームがおもしろくなるかなと思います。


ここからは動画を観て解説をお願いします。まずはアシストについてお願いします。

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