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明治安田生命J1リーグ第14節 清水戦 前日監督会見

205月
5月20日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、21日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第14節の清水エスパルス戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー今シーズン初めて公式戦で連勝を収めました。どのような力がチームに加わっていると感じていますか?

ルヴァンカップの始めの頃は、リーグ戦のメンバーとリーグ戦にあまり出られていないメンバーを混ぜて闘って勝てなかったり、リーグ戦のメンバーで闘ってもなかなかうまくいかないような試合がありました。ただ、誰が出てもチームがやろうとしているサッカーを表現できるようになってきた。そういった部分が徳島(ヴォルティス)戦で勝利できた大きなポイントだったと思います。そこがシーズン当初から変わってきたと思っています。


ーシーズン当初よりも、相手や状況に合わせて選手を選び、戦い方を選ぶことができるようになってきたという感触はありますか?

そうですね。紆余曲折を経ながら、自分たちの戦い方をブラッシュアップできたと思います。相手がそれに対してまた対策を取ってくるようになれば、さらに磨きを掛けなければいけないと思いますが、だいぶ臨機応変に闘えるようになってきたと思います。


ー2トップの組み合わせをいくつか試してきました。それぞれの組み合わせごとに求めているコンビネーションの形はあるのでしょうか?

もちろんです。型にハメすぎてしまうと選手の良さが出ないと思っていますので、選手たちの個の良さ、オリジナリティ、発想というところを大事にしていきたいと考えています。


ー組み合わせによる求めていることの違いは具体的にどんなことがありますか?

酒井(宣福)に関してはクロスに合わせるのがうまいので、クロスからのシュートは期待したいと思っています。柿谷(曜一朗)はパスを出すほうもできますし、裏抜けもできます。柿谷が出し手になってマテウス(カストロ)が裏に走るという形は、酒井とマテウスのコンビでもなくはないと思いますが、柿谷とマテウスの組み合わせよりは少ないと思います。そういったことを試合や状況によって使いわけられればいいなと思っています。


ーチーム全体として点を取ることに取り組んでいる中で、2トップの関係だけで点を取ることも期待していますか?

もちろんです。それだけ個の力を持った選手、特にマテウスは個で打開できる選手なので。2人の関係で点を取るというのは、ルヴァンカップの(サンフレッチェ)広島戦で、柿谷のスルーパスにマテウスが飛び出す形で点を取れています。ああいう形でリーグ戦でも点を取れるようになってくると、状況が変わってくるのではないかなと思っています。


ーそういったことができてくると、追加点の狙い方も増えてくると思います。

前回のセレッソ(大阪)戦もチャンスはあったので、そこで決めきるようにしていきたいと思います。また、石田(凌太郎)みたいな選手が出てきたので、彼のような個の能力をチームとして生かしていきたいと思っています。


ー前節の徳島戦では吉田温紀選手がゴールを決めました。若い選手が点を取って勝利できたというのはチームにとってポジティブな要素だと思います。

若い選手が試合に出て点を取るとチームが活性化していくと思いますし、チームに勢いが出てきます。豊田(晃大)も短い時間でしたけど試合に出ることができ、「自分も、自分も」という思いを持ってくれるとチーム内の雰囲気が変わってくるので、若い選手が活躍するのはチームにとって非常にいいことだと思っています。それによって、経験のある選手たちが少しでも触発されて、刺激を受けて、しっかりと仕事をしてくれれば、それに勝ることはありません。今度は試合に出ている選手たちがしっかりと仕事をできるかどうか。それができてくるとチームも好循環に入っていくのではないかなと思っています。


ー以前から口にしていた「勝てるようになる」、「追加点を取る」という部分を達成し、残るはストライカーというところになるかと思います。そこに対して監督からどんなアクションをしていますか?

まず、マテウスをコンバートしたのはチームに対するアクションだと思っています。また、サイドの選手である石田を前線で使うというのもアクションだと思います。あとは以前から言っているとおり、彼ら(FWの選手)も仕事を全くしていないわけではないですが、FWを本職とする選手たちが「今度は自分たちが」と思って結果を出してくるようになってくれば、チームがいい形で動いていくと思います。30歳を過ぎた選手や30歳に近い選手たちなので、シュートの1から10まで教えるというよりは、実績を残している選手たちの力を試合で出してもらえればと思っています。チームとして点を取るために「もっとこうしよう」という話はしていますが、彼らの感覚を大事にしたいので、それぞれの感覚をもっと研ぎ澄ましてプレーしてもらえればと思っています。


ー信頼を示すようなアプローチの仕方になりますか?

自分も(現役時代に)FWをやっていて、「こう動け」、「こうしろ」と言われるのが一番嫌だったので、そこはなるべく言わないようにしています。ただ、点を取れていない現状の中で、「最低限これだけはしよう」という話はしています。


ー「これだけ」というのは具体的にどんなことを言っているのでしょうか?

例えば、シュートを誰かが打ったら、当たり前ですけど必ずセカンドボールやルーズボールを狙いにいこうと。5回、6回シュートチャンスがあって、その試合では全くこぼれてこないかもしれませんが、3試合に1回か2回はビッグチャンスがくるかもしれない。(横浜F・マリノス戦では)ランゲラックが弾いたボールをアンデルソン ロペスに押し込まれて決勝点を取られましたが、詰めていることによってああいう得点につながります。労を惜しんでセカンドボールを狙いにいかなければああいうゴールは生まれません。(現在J1得点ランキングトップタイのピーター)ウタカが挙げている8点のうち2点くらいはキーパーが弾いたセカンドボールを押し込んだゴールだと思います。やはり点を取る選手はそこで労を惜しまずにやり続けて、「もしかしたら」というところに懸けてゴールを狙い続けているものです。「そういうことは基本的にやろう」という話はしています。それ以外にもありますが、言えないこともありますので。「シュートを打った時にセカンドボールを狙いましょう」という話はしています。


ー清水エスパルスとの対戦は今シーズン3度目です。

お互い、チーム状況、チームスタイルをわかっている状況でやらなければいけません。清水は前回のルヴァンカップでの対戦からボランチのところが変わるかなと。あとはサイドのところでわからない部分はありますが、お互いが手の内をわかった状態でやるのはいい面もあればやりづらい面もあります。前回のルヴァンカップでの結果は忘れて、リーグ戦でアウェイの清水に乗り込むということで闘っていきたいと思います。


ー現役時代、点を取れない時にはどのようなアプローチをしていたのでしょうか?

FWは確率論なので、点を取れるポイントにいかに入るかということを考えていました。(ボールが)こなくても入り続けること、そういうポジションを取り続けることがゴールにつながると思います。私はどちらかと言えば点を取れないストライカーでしたが、点を取れない中でどうやって取るかというのは、ポジショニングしかないと思っていました。点を取れるポジションをいかに取るかというのを考えながらプレーしていました。


ー点を取れない時には、アシストなどゴール以外の部分でも貢献しようと考えることもあると思います。

我々の頃とはサッカーが違って、今はチームのことは当然やらなければいけないという中で、結果をどう出すかという形になってきていると思います。少し前ですが、清水が30周年を迎えた時に(オズワルド)アルディレス(元監督)と少し話をして、「お前は守備をしないタイプだった」というようなことを言われました。「お前は選手に守備をやらせているけど、(現役時代)自分では守備をしているつもりだったかもしれないけど、我々からすれば全くしていなかった」と(笑)。現状は守備もして点を取らなければいけないサッカーに変わってきています。我々の頃は、自分ではしていたつもりなんですが、当時の監督からすると全くしていないと言われてしまったので、まだまだ足りなかったのかもしれませんが、チームのことだけやっていればいいという話ではありません。やはりストライカーに求められるのはゴール、結果です。アシストをいくらしてもなかなか褒められないですが、1点取るだけで皆さんから注目されるし、いろいろな部分で評価が変わってくると思います。10アシストと10ゴールでは、チームとしてどちらに価値があるかはなんとも言えませんが、個人の評価という部分では、1点取れなくて10アシストするよりは、10ゴール取る選手のほうが給料的には多くもらえるものだと思います。だからといってアシストしなくていいという話ではありません。チームとしてはどちらも大事な選手ですが、個人としては点を取れるか取れないかというのは評価の非常に大きな違いになるかなと思います。


ー河面旺成選手の状態を教えてください。

軽い肉離れでしたが、もう少しで練習に合流できるところまできています。皆さんが観たエリートリーグで前半のみで代わりましたが、あの時点で軽い肉離れ、筋膜炎ということで、1週間程度のケガでした。リリースを出すようなケガではなかったのでお知らせはしていませんでしたが、そろそろ復帰できそう、という状況です。