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JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第6節 徳島戦 前日監督会見

175月
5月17日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、18日(水)に行われるJリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第6節の徳島ヴォルティス戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー前節はこれまで重ねてきた準備がようやく結果につながりました。次につなげていきたい部分、特に重要だったと感じる点はいかがでしょうか?

ワンボランチからダブルボランチに切り替えたあとです。今までは、全部ではないのですが細かいところを見ていくと、切り替えたあとに戦い方が統一できていないという部分も若干ありました。そういうところをトレーニングの中で統一できて、(前節は)ダブルボランチにしたあとは危ない場面があまりなかったと思いますので、選手たちもシステムの切り替えという部分はスムーズに切り替えることができたのかなと思います。


ーシステム変更については、「形を変えて対応したほうがいいと思っていたタイミングで監督が変えてくれた」と、稲垣祥選手が話していました。監督の考えと選手の感覚が合ったことも重要だと思います。

ボランチの専門職という点に関しては(稲垣祥とレオシルバの)彼ら2人しかいません。前節は若干暑くなったりして、疲弊という部分はうまくコントロールしてあげないといけないなと。バイタルエリアを使われだしたタイミングで、あまり早く変えてしまっても受けてしまうと思ったので、ギリギリを狙いたいなと思っていました、ただ、システムを変えたからといって守るわけではなく、“返す”というのも残したかったので、(石田)凌太郎を前に入れて、ノリ(酒井宣福)をシャドーのような形で使いました。そこもトレーニングで確認していた部分ではあったので、スムーズにできたかなと思っています。


ーギリギリでオフサイドになっていましましたが、ゴールシーン以外に2回ネットを揺らしました。いい攻撃から最終的にゴールまで持っていけた点についてはどのように感じていますか?

取り消されましたが、前半の酒井のオフサイドは微妙だったと思います。それまでの崩しはこれまでのトレーニングで取り組んでいたことが出たシーンだと思いますので、ああいう速いボールに飛び込んでいく形でネットを揺らすシーンが出てきたというのは、選手たちも少しずつ「こういう形で入れば」という感覚を持ってくれているのかなと感じています。


ー選手の特長や考え方をどう使えばうまくいくかという理解が深まっている中で、やっと理解し合えたような感覚もありますか?

(横浜F・)マリノス戦で5−4−1のような形に変えた時に、こちらが狙っていることをうまく反映できなかった部分がありました。その前の京都(サンガF.C.)戦は良かったので、京都戦をイメージするような形で終盤を迎えると、パワーが落ちずに、相手ゴール前に迫る形もできるのかなと。試行錯誤しながら、少しずつ選手たちの特長、チームの特長を試合で出せるようになってきたという部分と、それが結果に結びついたという部分では、非常に大きな勝利だったと思っています。


ー明日の徳島ヴォルティス戦は引き分けでもプレーオフステージ進出が決まります。試合の入り方についてはどのように考えていますか?

引き分けでOKというのは、本当に最後の最後の場面で(考えます)。やはり勝負という部分に関しては勝ちにこだわって闘っていきたいと思っています。選手たちとも話をしていますし、試合の前にもう一回チームとしての考え方を統一して闘っていきたいと思っています。


ー明日の試合後には中2日でアウェイの清水エスパルス戦が控えています。選手選考、マネージメントについてはどのように考えていますか?

4月にも鹿島(アントラーズ)戦、(FC)東京戦とアウェイ連戦を中2日、中2日という日程で闘っています。4月は10連戦でしたが、今回は7連戦となるように、明日のゲームで勝利を収めて、ルヴァンカップのプレーオフステージにいけるように闘っていきたいと思っています。


ー4月に同じような日程を乗り越えたことがいい経験になっていると。

もちろん無理をさせられない選手もいますので、そういう選手は置いていくつもりです。ただ、全員を置いていくというわけにはいかないので、連戦でやってもらう選手も中にはいます。


ー前節の試合途中にダブルボランチに変えたこともそうですが、試合状況によっていろいろなシステムを採用していると思います。場面に応じたオプションは相当な数を用意しているのでしょうか?

試合の中では基本的にあまりいじりたくないタイプではあります。本来であればあのまま押しきりたいのですが、先ほども言ったようにボランチの専門職がいない中で、少しでもレオ(シルバ)の負担を軽減させたいと。そうなるとダブルボランチで稲垣を横に置いて、レオの負担を軽減するのが得策ではないかと考えました。ジュビロ(磐田)との試合では痛い目にあいました。あの時はあのままワンボランチで押していって、結局バイタルのところが空いてしまったと。ジュビロが途中から5−3−2に変えて、(我々と)同じようなシステムで後半を闘ってきた中で、遠藤(保仁)のところにレオが出てしまう形になってしまいました。それはこちらの準備不足でした。ジュビロが5−3−2で闘うことは今シーズンはなかったので、途中で4−4−2に変えるだろうと思っていたのですが、それが相手と同じシステムで合わせてきていると。劣勢になると、ジュビロは今もそういう戦い方をしているのですが、そのへんがこちらとしてもつかみきれていなくて、4−4−2にしてくるだろうと思っていたら5−3−2だったと。その時にレオが遠藤のところに行ってしまって、バイタルが空いてしまいました。その時は同じシステムなので逆に押しきれるだろうと思っていたのですが、レオの疲弊が強くて途中で変えたということで、より終盤は(押し込まれた)。(失点は)セットプレーからでしたが、ファールを取っていただいていれば、あのスローインからの流れでコーナーキックというのはなかったと思います。ただ、結果的には後半はなかなか自分たちでうまく攻められなかった。もちろん守るという意識が強くなってしまったのもあると思うんですが、レオの対応の部分でもう少しうまくできないかなと。その前の清水戦もダブルボランチにしていて、あれは攻めるということでダブルボランチを採用したのですが、うまくバランスを取るという意味でもダブルボランチを併用するという考え方で進めながら。なにかあればメンバーを変えなければいけませんが、基本的にレオと稲垣はあまり変えたくない選手ではあるので、レオの負担をどうやってコントロールするかと考えた時に、そういうふうにシステムをうまく変えながらだなと。ただ、変えることによって、下がってしまったらなにもなりません。攻撃の形もしっかり構築していかないと、なんのためのシステム変更かわからなくなってしまいます。紆余曲折を経ながら、徐々にチームとして統一して闘えるようになってきたという感覚です。ですから、基本的には相手に対してシステムを変えたりはしたくないのですが、状況が状況だけにシステム変更も頭の中に持ちながら今後も闘っていきたいと思います。また状況が変われば、最適なシェイプはなんなのかと、シーズン中考えていきたいと思っていますが、現状は自分たちが少しずつ積み上げている部分があると思いますので、現状の戦い方は変えずに闘っていきたいと思っています。


ーチームと監督の考えが統一されてきて噛み合ってきたところがあると思います。シーズン当初のイメージからすると、今の時期に噛み合ってきたというのはタイミング的にはいかがでしょうか?

遅いと思います。4バックで押していれば、もしかしたらもう少し早くなった可能性はあると思います。ただ、新型コロナウイルスの感染者が出た関係で、10連戦をどう乗りきるかを考えた時に、そのまま4バックで押しきるという選択にはなりませんでした。システムを変えて、現状でそろっている選手たちの最大限の力を引き出したいというところで、システムを変えるに至り、それで少し時間が掛かってしまったのは否めないと思っています。また、10連戦ということもありましたが、チャンピオンになるために今シーズンスタートして、現状のままだと優勝を狙えるようなベース作りができないという部分の判断もありました。10連戦を闘うという部分と、このままでは上を目指すことが難しいということも踏まえてシステム変更に踏みきったので、しっかりとした戦いができるようになってきたという部分においては非常に手応えをつかんでいます。ただ、まだまだ得点力というところが上がってきていないので、複数得点できるチーム作りをしていかないといけないと思っています。


ー徳島との前回対戦では特に前半に主導権を握られる時間帯がありました。

自分たちから仕掛けるサッカーをしていきたいと思っていますので、前半からある程度主導権を握った戦いができれば理想的だと思います。ただ、相手がどのくらいメンバーを入れ替えてくるかわからない部分がありますし、起用された選手のプレーも若干読めない部分があるので、どんな展開になってもいいように、自分たちがグループステージを突破できるような戦いをしていきたいと思っています。


ーピッチに立った時の対応力が求められると。

そうですね。そこが大事だと思います。我々スタッフも含めて、相手の状況、試合状況を見ながら、適切に対応できるかどうかも非常に大事になってくると思っています。