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JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第4節 広島戦 前日監督会見

124月
4月12日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、13日(水)に行われるJリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第4節のサンフレッチェ広島戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー中2日での準備は時間が少なく、やることを絞る必要があると思います。明日の試合に向けて強調したことを教えてください。

メンバー選択の部分と、多少メンバーが入れ替わるのでチームとしてしっかりと闘えるように、というところの確認をしました。


ー前節の北海道コンサドーレ札幌戦に限らず、ボールを奪うところであったり、守備面でのリズムの悪さがいろいろなところに影響していると感じています。改善点をどのように考えていますか?

昨シーズンまでの癖が抜けきらないというか、キャンプから序盤戦にかけても言っていましたが、マッシモ(フィッカデンティ前監督)とは守備の仕方が違います。マッシモの場合、札幌戦ではサイドバック的な森下(龍矢)のような選手をワイドに使って、守備の時にはウイングバックにつかせて5バック気味に守り、攻撃の時には4−4−2で攻めるような形で対応していたと思います。そうなると必然的に(相手に)引っ張られて、押し込まれる状況が長くなるので、前からいくような戦い方はあまりしていなかったと思います。それが悪いというわけではなくて、一つのやり方です。ただ私の場合はそういうやり方をしていないということで、もっと前線からいける時にはいきたいと。そういうところで前節は前がいっている時に後ろが連動できなかったり、ラインを上げきれなかった場面もありました。コンパクトに闘うことが必要になりますが、1点取られたあとには前は「いかなきゃ」ということでいってしまって、後ろが間延びしてしまってということで、さらに悪循環に陥った時間があったので、どんな相手とやるにしても、迫力を持っていけるかどうかというところではないかなと思っています。どの試合もというところで、例えば(柏)レイソル戦の後半は少し疲れもあって間延びしてしまい危ない場面を作られましたが、前半は非常にいい形で攻撃を仕掛けたと思います。全部ができていないというわけではなくて、札幌戦でも、札幌がリードしていたというのはあるかもしれませんが、前半から含めても公式記録ではシュートは4本しか打たれていません。その中でセットプレーを含めて2点取られています。押し込まれて押し込まれて、シュートを10本も20本も打たれてどうしようもないというわけではないので、少しの意識の違いというところをすり合わすことで改善できる点はあると思います。そこは引き続きフィードバックをしながら、チームとして積み上げていきたいと思っています。


ー間延びしている状況では後ろがどんどん上がってほしいのか、前がしっかりとタイミングをあわせていくのか、選手たちにはどう伝えてすり合わせているのでしょうか?

どちらもだと思います。今言ったように札幌戦でも前がいい形でスイッチを入れているシーンもあるのですが、中盤の選手がついて行けなかったり、ディフェンスラインが上がりきれず、というところがありました。前と後ろが連動してコンパクトにグッと押し上げていくというところで、まだまだ息を合わすことができていないと思います。前がうまくハマらなくて下がった時の守備では、ちょっと下がった状態で相手の縦パスをカットしたのは何回かあったのですが、そのあとの出ていく迫力があまりなかったと思います。前回の試合はキーパーが取ったあとにすぐにポジションを取るというような、チームとして今までやってきたことがなかなかできなかったなと。それが連戦の疲れなのかどうなのかはわからないですが、いつもの試合と比べたら躍動感に欠ける試合になってしまったと感じています。もちろん札幌がそういう試合を仕掛けてきたと思うんですが、相手がそうしてきたとしても自分たちからハイテンポなゲーム展開に持っていくような守備での仕掛けをしていかなければいけないと思っています。


ーこれからも連戦が続き厳しい日程になっていきます。その中でもまずは仕掛けていこう、ハードワークをしていこうという声の掛け方になりますか?

はい、やっていかないといつまで経ってもいけないですからね。「疲れているから、連戦だから、ブロックを作って守りましょう」では、インテンシティの高いサッカーにはなっていきません。いく時にはもっともっとアグレッシブにいけるようにしていきたいと思っています。


ー連動感や一体感を出すために期待したいことはありますか?

声を出してやっていくしかないと思います。少しでも「昨シーズンのほうが守れた」となってしまうと、いつまで経ってももう一歩踏み出せないと思います。すでに一歩踏み出しているわけですから、さらに踏み出して、いく時にはもっといって相手のボールを敵陣で取り返して、ワンサイドゲームになるような迫力がほしいです。それが難しい時であれば自分たちでしっかりとブロックを作るという、メリハリをもっとつけられるようにしていきたいなと思っています。


ーメンバー選考について、主力を休ませたいけど、グループステージ突破に向けて勝たなければいけない一戦になると思います。

はい、難しい選択をしなければいけない試合だと思います。


ーどういったところを重視しましたか?

勝たないと(サンフレッチェ)広島との順位は変わりません。ホームで勝点3を目指すためのメンバー選考をしたつもりです。


ー先日、アカデミーの5選手が2種登録されたと発表されました。彼らは連戦の中で選択肢に入ってきますか?

もちろんそういうことも含めて2種登録をしました。新型コロナウイルスの感染者は出したくないですが、コロナで人数が削られた時に、しっかりとサポートできるメンバーをというリスク管理も含めて5人の選手をユースから上げてもらいました。彼らの状態を見ながら、トップの状況を見ながら、ルヴァンカップ等々が多くなると思いますが、ルヴァンの状況も見ながら、そういったメンバー選考を考えていきたいと思います。


ー2種登録する選手を選ぶ時に重視したポイントを教えてください。

何人か練習試合等々で出ている選手、見ている選手がいます。ユースの監督や関係者からの推薦もあるので、クラブとしてこういう選手をトップに上げたいという選手と、実際に見てこういう選手がいいよね、というところですり合わせて5名を決めました。


ー現実的には今すぐに試合に出すというよりも、練習などに入るメンバーとして考えていると思います。そういうところに手応えがある選手ということでしょうか。

練習試合等々でしっかりと結果を出してくれている選手もいますので、そういう選手に期待していきたいと思っています。


ーチームが勢いに乗りきれていない中で、出番の少ない選手の気迫を見たいという気持ちもありますか?

もちろんです。リーグ戦で乗りきれていない中で、ルヴァンでまたリズムをつかんでリーグ戦へというのは、序盤戦で非常に大事な流れだと思います。当然ルヴァンで結果を出した選手は、リーグ戦でのチョイスに入ってくると思っています。


ー札幌戦後の会見で稲垣祥選手が「自分たちのやることを見失ってはいけない」と言っていたのが印象的でした。逆に見失いかねなかったとも捉えられ、中2日の準備の中で再確認することもあったと思います。監督としてはどのようなことを重視しましたか?

自分自身がどんなサッカーをやりたいのかをもう一度選手たちに話しました。今までは少しやんわりとしたというか、噛み砕いてというか、言葉的にはオブラートに包みながら話をしてきたんですが、やっぱりしっかりと伝えなければいけないなということで、今までも自分の気持ちを込めていなかったわけではないんですが、自分の言葉でもう一度、「こういうサッカーをしていきたいんだ」と。だから札幌相手でも全体で高い位置でボールを奪いにいくようなシーンをもっともっと作る、もちろんリードしていて時間帯によっては別ですけど、どっちつかずの展開の時にもっとグッといって押し込んで、というようなシーンをもっともっと作っていきたいんだ、というような話をしました。特に出ている選手が中心ですが、そういう話をしたということはいい時間を持てたなと思っています。


ー前節は相手の3−4−2−1のシステムにハマってしまった部分があったと思います。明日対戦する広島も似たようなシステムを採用していますが、やり方を変えていくのか、それとも自分たちの戦い方を貫いていくのか、どのように考えていますか?

自分たちの良さを出すような戦い方を模索していかなければいけないと思いますので、どちらもあり得ると思っています。


ー前節は相手に合わせて試合中に3バックに変更しましたが、できればこちらにハメさせるような戦いに持っていきたいですか?

そういうところが理想だと思いますが、理想と現実がありますので、なんとか3ポイントを取れるように、闘えるように準備していきたいと思っています。


ールヴァンカップ初戦の前に「ホームで勝点3、アウェイで勝点1の合計勝点12」という話をされていました。ここまで目算どおりにはいっていませんが、明日は絶対に勝点3を取らなければいけない試合になると思います。

清水(エスパルス)と徳島(ヴォルティス)の結果次第ですが、負けると非常に難しい状況になるのは間違いありません。なんとか食らいついて、広島はリーグ戦でも非常に調子のいいチームですし、前回のルヴァンでの試合で負けていますので、なんとか借りを返せるようにホームでしっかり闘っていきたいと思います。


ー借りを返すためには相手のストロングポイントを消すことも重要だと思います。改めて広島の強みはどんなところだと分析していますか?

まずはプレッシングだと思います。後ろがマンツーマン気味になって、前線から人数を掛けてプレッシャーを掛けて、(横浜F・)マリノスから2点取っています。逆に(アビスパ)福岡はそれを嫌がって前線に屈強なターゲットを置いて、相手のプレッシャーを外しながらセカンドボールを拾ってというような形で、ゲームは福岡のプランどおりに進んだと思いますが、逆に一瞬のスキを逃さない広島のしたたかさも出てきていると思います。非常に難しい相手だと思っています。


ー今までオブラートに包みながら選手たちに伝えてきたのはどういった意図があったのでしょうか?

あまり感情を出さずに、しっかりと論理的に伝わるような形で話したつもりでした。それがやれている試合とやれなかった試合があって、この間の試合は自分たちの良さを全く出せなかったという中で、例えば前半を終えて「やられていないからいいじゃないか」と思っている選手も中にはいたと思います。シュートをそこそこ打たれているわけではないですし。ただ、我々がベンチから見るとやられるのを待っているというか、セットプレーを含めて時間の問題だと感じていたので、「やられていなければそれでいいじゃないか」という考えを捨ててもらいたいと。自分たちから奪いにいくような攻撃的な守備を目指しているわけで、それを今まではオブラートに包んでという言い方があっているかわからないですが、あまり感情を出さずに伝えていたつもりでした。今回は自分の気持ちも込めて、装飾せずに話したつもりではあるので、自分の考えややりたいサッカーをある程度理解してくれたと思っています。そこでいくんだよというところがないと、いつまで経っても一歩を踏み出していけないと思いますので、「攻撃も守備も自分たちから仕掛ける」という強い気持ちを持ってもらいたいと思います。


ー長谷川監督は熱さ、感情を込めて伝えるイメージがあったので意外でした。昨年までの経験の中でこう伝えていったほうがいいと感じることがあったから変えたのでしょうか?

(FC)東京は中位以下に沈んでいたチームを自分が引き受けて、ガンバ(大阪)は過去には優勝していましたがJ2に落ちた時に自分が引き受けました。ただ今回は今までと違って、5位という成績を残したあとのチームということで、彼らなりに自分たちが昨シーズンまでやってきたサッカーに自負があると思います。そこを捨ててさらに優勝するためにはここが大事だよというような話を、感情論とか気持ちを込めて言ってもなかなか伝わらないのかなと。フラットな状態で「こういうところが足りないから、もっとこういうふうにしていこうね」というようなことでずっと話をしてきました。ただそれだと伝えきれていない部分があったので、もっといこうよ、ということで今回は話をして。見ている人が熱くなるような、ベンチで見ていても熱くなる試合とそうでない試合があるんですが、どの試合もピッチサイドで見ていて熱くなるような試合をやってもらいたいと。そのためには自分たちからもっともっと仕掛ける。バラバラになってしまうとそうならないので、チームとして連動して、いく時にグッと最終ラインも押し上がって、前もアグレッシブにいって、取れない時には2度追いしながら、ということがないとなかなか前で取りきることはできません。できなければしっかりとラインを下げてまた後ろでコンパクトにして、取ったあとにまた出ていく迫力をさらに上げていくと。前回はそういう自分たちがやりたいサッカーをできなかったので、今までも言っていたつもりなんですが、こういうところはもっとこうしようね、こうしなければいけないということで、選手たちには強く伝えたつもりです。広島も非常にアグレッシブな戦いをしてくるチームですが、それに負けないような試合をしていかなければいけないと思っています。