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明治安田生命J1リーグ第5節 柏戦 前日監督会見

193月
3月19日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、20日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第5節の柏レイソル戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ーコンパクトな陣形を保ってゲームを進めていくために重要視していることは?

コンパクトにはやれていると思いますので、あとは攻撃のクオリティーを上げていくことかなと思います。そう言っていると守備とかで問題が出てきたりもするので、攻守ともにクオリティーをさらに上げていくと。失点しているのは間違いありません。もちろん極力0に抑えて、点を取って勝つのが一番なので、攻守ともにここまでやってきた(リーグ戦)3試合以上にクオリティーを上げていくということが大事だと思っています。選手たちは日々のトレーニングから非常に前向きに取り組んでくれていますので、一つずつ積み上げができていると思っています。ただ、実際のゲームでやれるかどうかは対戦相手もありますし、自分たちの練度という部分もあると思います。オートマチックにできるようにしていくために、トレーニングをしながら、試合のフィードバックをしながら、チームの熟成度をどんどん上げていければと思っています。


ー速い攻撃をしていく中で厚みを出していくためには、ボールを奪う位置や押し上げの早さなどいろいろな要素があると思います。どういったことを求めてきたいと考えていますか?

前回の川崎(フロンターレ)戦でもいい位置で(ボールを)取ってシュートまで持っていったシーンが何回かありましたので、いい守備がいい攻撃につながっているシーンというのは決定機になったシーンも含めてあったと思っています。もちろん相手のゴール前でボールを取れればそれに越したことはないですが、そんなに簡単には奪えません。もちろん高い位置からチェイスして奪う部分に関して言えばそれが一番だと思いますのでそれを目指しますが、間延びしてしまったらダメです。全体が押し上げてコンパクトにいける時には高い位置にいって、できなければしっかりと自分たちの位置を決めながら闘っていきたいと思っています。


ーフィニッシュに関しては精度を上げていくこともそうだと思いますが、人数がいればバリエーションが増えると思います。フィニッシュに至る部分に関してはどういったことを良くしていきたいと思っていますか?

例えばですけど、前節の川崎戦で稲垣(祥)がヘディングでシュートを打ったシーン、左サイドのレオ シルバから右サイドの相馬(勇紀)に展開して、その間を宮原(和也)が走って、というシーンです。その場面では最後にヘディングした時には中に4枚か5枚いました。枚数というのはどの試合もみんな意識していて、もちろん入れていないシーンもありますが、必死でクロスに対して入っていこうとする意識を持ってくれています。前半で一番惜しかったのは稲垣のヘディングのシーンだったと思っていて、そこはちゃんと人数を掛けられていたと思います。後半は酒井(宣福)が斜めに抜け出して、稲垣からのスルーパスを受けたシーンが一番のビッグチャンスだったと思います。ああいったシーンなんかでも、 後ろからきた難しいボールかもしれませんが、あそこでFWが決めてくれるとチーム全体が乗ってくると思います。こじつけのチャンスではなく、惜しかったシーンはあったと思います。川崎が1点リードしたのであまり人数を掛けて攻めてくることはしなかったと思いますが、1週間空いてフレッシュな状態での川崎との試合だったと思いますので、そういう意味では1点取ったあとに本来であればもっと嵩に懸かって攻めたいという思惑もあったと思います。そこをさせなかったという部分と、シュートの本数はまた別ですが、アウェイの試合でうちのほうが多かったと。川崎戦で二桁いくというのはなかなかなくて、20対5とかで終わるという試合も多いのですが、そういう意味では10本以上打てたというのは一つ、皆さんもまだ納得していないと思いますし、もちろん私も納得していないですが、結果としてシュート数で相手を上回ったというのが選手がゴールをなんとか取ろうというような気持ちが表れたのかなと。ただ、気持ちだけではシュートを打てません。終盤にセットプレーの数が多かったというのはある程度押し込んで、コーナーキックを取れていた結果だと思います。あとはまだ点でしかチャンスが存在していないのを、線で。もっとグッと圧を掛けて、川崎がよく逃げ切ったと言われるくらい追い詰めて初めて本物だと思います。攻撃も守備もさらにクオリティーを上げていく必要があると思いますが、リーグ戦3試合という部分での現在地としては、なにも褒められた結果ではないですし、勝点を獲れているわけではありませんが、キャンプがああいう形で終わってスタートを迎えたということで、川崎とどのくらいやれるかというのが一つのものさしになるかなと思って見ていたので、そういう意味で守備の部分では川崎をシュート8本に抑えることができたのは一定の評価ができるかなと。それは前線から全体がコンパクトに戦えていると。押し込まれて、押し込まれて、という状態を作らせなかったというのは、1点取られたあとに若干気落ちした部分があって川崎の時間になりましたが、それ以外はしっかりと戦えたというのは一つの成果だと思いますので、それをしっかりと結果として残せるように今後の試合をやっていかなければいけないと思っています。


ーここまでのリーグ戦3試合ではケガの影響で変わったチアゴ選手と藤井陽也選手以外は同じメンバーで臨んでいます。それはポジションを勝ち取った選手で継続して骨格を整えていこうという考えがあったのか、単純に試合ごとのベストメンバーを考えた結果同じになったのか、メンバー選考に関しての考えを教えてください。

ベストメンバーを考えた結果です。


ー結果的に同じメンバーになって、どんどん良くなっている流れの中で見えてきたものはありますか?

どんどん良くなっているというのはちょっと言いすぎだと思います。やれていた部分とまだやれていない部分がありますので。皆さんは先日の練習試合を観たと思いますが、練習試合またはトレーニングでしっかりと結果を出している選手に関しては使っていきたいと考えています。11人を固定して闘おうとは全く思っていませんので、練習でいい選手は、特にチーム状態があまり良くないという状況の時にはどんどんチャンスを与えていきたいと思っています。


ー前節の川崎F戦ではマテウス カストロ選手と相馬勇紀選手の位置を入れ替えて、いいシーンが生まれたと思います。そういった部分も次に生かせる要素になりますか?

そうですね。開幕前から両方やれればと考えていましたので、彼らがどちらで出たとしてもしっかりとプレーできるようにチームとして準備していかなければいけないと思っています。


ー入れ替えたことでサイドバックの選手が上がって押し込む形ができたことについてはどのように見ていますか?

それだけで、というわけではないと思っています。先ほど言ったように一番のビッグチャンスは前半の相馬がクロスを上げたシーンで、(サガン)鳥栖戦もマテウスが右に振って、稲垣から仙頭(啓矢)というシーンを作れています。サイドを入れ替えたからといって全部が良くなるとは思っていません。昨シーズンは相馬が左でマテウスが右で試合に出ていましたが、彼らが何点取ったかを考えると、2人とも10点近く取っていれば、そのままの形を継続したと思います。サイドを入れ替えてさらに上がるかというのも、ここ数試合をやっての現状ではクエスチョンな部分もありますので、そこは先ほど言ったように対戦相手だったり、自チームのポジショニングやメンバー選考に関してどちらがいいのか考えていかなければいけません。さらに3試合でセットプレーも含めて3点は取っていますけど、前線の選手が取っているわけではなく、オウンゴール2点と稲垣の1点なので、前線の選手に当たりがほしいところではあります。ルヴァンカップの清水(エスパルス)戦と(サンフレッチェ)広島戦を含めても前線の選手が点を取れていないので。チャンスがなかったわけではないと思いますし、そういう中で誰か点を取る選手が出てきてほしいです。チームとしてもいろいろな刺激を入れていかないと停滞してしまうと思いますので、マテウスと相馬を入れ替えたのも一つ刺激をということで、川崎に対して点を取らないといけない状況でしたので、前半の終盤に握られている時間もあって、刺激を与えたほうがいいということで後半は入れ替えてスタートしました。一定の効果はあったと思いますが、川崎の牙城を崩すところまで至らなかったので、そこはいろいろなことを考えてやらなければいけないと思いますし、それでも点を取れない、彼らの動きにあまり満足できないようであればメンバー交代ということも含めて、チームとしていろいろな刺激を与えていきたいなと思っています。


ー逆に言えば前線の選手が点を取れるようになってくれば波に乗れるのではないかという期待を感じています。監督はどのように感じていますか?

いつも期待しています。いつも言っているのは、攻撃は水物なので、取れる時は取ってくれると思いますが、取れない時は取れないと思います。ですから、ずっと言い続けてますけど、チャンスの数を増やしていくしかない。それはセットプレーも含めて、攻撃を仕掛けて相手ゴールに迫るシーンを増やせばそういうセットプレーの数やチャンスの数が増えると思いますので、それを増やす作業というのは、我々がいろいろ刺激を与えながらしていかなければいけないと思っています。


ー次節対戦する柏レイソルを率いるネルシーニョ監督は長谷川監督と同じくJリーグで200勝以上を挙げています。ネルシーニョ監督の戦術や人物についてどのように見ていますか?

だいぶ上の先輩ですし、非常に尊敬しています。まず戦わせるという部分に関して長けた監督だと思います。チームをソリッドに仕上げてくるという意味ではネルシーニョ監督の哲学があると思いますので、どのチームの監督をやったとしても、非常に球際が激しい、インテンシティの高いチームを作ってくると思います。そういう意味では今シーズンもそういう戦い方をベースに、ドウグラスという選手を獲得し、細谷(真大)が昨シーズンから非常に伸びてきて非常にいいなと。マテウス サヴィオも今までも非常にいい選手で、それ以上にいい選手がたくさんいてなかなか出番がなかったということだと思いますが、今シーズンは常時使われて非常にいい働きをしています。相変わらずキム スンギュを中心に守備が堅いですし、一発を持ったチームだと思います。なのでここまで勝点9という数字を稼いでいると思っています。ネルシーニョ監督が率いるチームと対戦する時はいつも接戦というか、1点を争う試合になるということを覚悟して戦いの準備をしています。明日のゲームもそういう試合になるのではないかと思っています。


ー明日の試合で重要になることは?

ゴールを取れるかどうかだと思います。堅い守備のいいチームで、(横浜F・)マリノス戦は相手に退場者が出ましたけど、1点に抑えて勝ちましたし、前節も(アビスパ)福岡を0に抑えています。守備の堅さという強さを持っているチームから、今の我々の課題であるゴールを取れるかどうかというところが一つ大きく試される部分になるかなと思います。勝つためには先ほど名前を挙げたような選手たちをしっかりと抑えなければいけないと思いますので、攻守ともに1つレベルを、クオリティーを上げられるかどうかということではないかなと思います。


ー先日の公開練習では丸山祐市選手がフルメニューを消化していました。彼の状態を教えてください。

今週から全体練習にフル合流することが許可されました。あとはサッカー勘というところの問題ではないかなと思います。