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明治安田生命J1リーグ第38節 浦和戦 前日監督会見

312月
12月3日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、4日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第38節の浦和レッズ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ーシーズン最終戦ということでもちろん結果もそうですが、いろいろなテーマを持って臨むことができる試合だと思います。さまざまなことがあった今シーズンの最終戦のテーマはどのようなものになりますか?

まず去年から引き続きということで、約2年間いい形で継続してできたことを締めくくる1つの試合というふうにも言えるのかなと思っています。今年だけではなくて、去年もああいった状況だった中で続けてやるというのはなかなか難しいことですので、そういった評価も自分たち自身でできるのかなと思います。その中でトロフィーを1つ勝ち取りましたし。そういった意味での重みを自分たち自身で持たせながら、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の可能性がまだあるので、そこも諦めることなく最後まで丁寧にやりたいと位置づけています。


今年も継続してそういう戦いができ、カップを1つ勝ち取った中で、トヨタ(自動車株式会社)の豊田章男社長にお会いすることができまして、今の流れをすごく評価していただきました。直接お会いしてパワーをもらいましたし、今後も継続的にチームに対してのサポート、後押しをしてくださるということで、そういう約束をしてきたからには私もそうですし、小西(工己)社長も含めて、その責任を果たしたいと。結果を出したことでお会いでき、お会いできたから満足して終わりということではありません。今年は終わり方が決まりかけていますが、この試合に勝つか負けるかで変わらない、すごく大きな結果を残せている部分もあります。ただ、今年をどう終わらせるかによって来年のスタートがどうなるかにもすごく影響があるという意味では、より前向きな挑戦ができますし、しなければいけません。その中でそういったお言葉をいただいて、やはりそれだけのことを求められているクラブなんだとより実感しましたし、もう一度気が引き締まりました。いろいろなお言葉をいただいた中で、私も小西社長もそれぞれがそれをもう一度深く考えて、それぞれの立場で胸を張ってベストを尽くせたと言えるように責任を持ってやらなければいけないという感覚でいます。


それだけ大きなサポートをし続けてもらうためにも、2年経ってこれだけ強いと言えるチームになってきているというところで一切満足してはいけません。もっともっと先に進めるという、計画に基づいた取り組みをしているので、ここで止まるのではなくてそういった方向に進めるようにやっていかなきゃいけないと。会社と共にそういうふうに考えています。


私がどれだけ作業しても、監督という立場はチームがどうなるかであったり、結果で評価されます。そういった結果をダイレクトに評価していただいて、直接お会いした時に個人的な部分でうれしいと思えるような言葉をいただけました。それはすごく誇りに思いますし、だからこそもっとしっかりやらなければいけないなと感じました。そういうような感覚がより一層強くなっていて、「さらにグランパスを強くするために」というエネルギーに満ちている状態です。


ご質問にあったとおりいろいろなテーマをこの試合に盛り込める、いろいろな意味合いを持たせることができるというような意味でも話をしていますが、多くの試合をこなす中でいろいろな瞬間があって、今年も簡単な道のりではありませんでした。時にはサッカーをするために冷静に頭を使ってどうやるかというよりも、感情面が優先されているような試合もあったと思います。そういった中でいろいろな勝ち方をしたり、いろいろな試合をしてきましたので、どういった1年だったかと振り返ることで、この1年をどう締めくくるか、どう終わらせたいかという思いが強くなると思います。そういった部分は選手とも話して、最終戦に向けて準備をしてきたつもりです。


ー監督がおっしゃられたように、2年連続ですばらしい成績を残していると思います。ただその一方で、先制しても勝ちきれない試合も何試合か見られ、選手からはそういったところは満足していないという声もありました。

その時の流れというところで話すと、ACLで韓国に戦いに行く前は、10何試合にわたっていい結果が続いていました。その時期は敗戦が少なく、勝った試合が多かったという時期だったと思います。そういったまとめて勝てた時期もあれば、最近の流れもそうですし、先制しながらうまく仕上げきれなかった時期もありました。この1年を考えてみると、いろいろあった中で、部分部分でメンタル面の影響などがあったり、選手たちにも影響があって、常に万全な状態で試合をさせることができませんでした。日程がダイレクトに影響しているというのが一番強いと思いますけど、その中で「よくやった」と言ってあげなければいけないのかなと。「評価されるべき戦いを選手はしている」と監督の立場からは言ってあげたいと思います。


ーサッカーにおいては攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えが重要で、それは明日の浦和レッズ戦でも同様だと思います。この1年間の、切り替えという部分の手応えと明日の浦和戦のポイントを教えてください。

ご質問の中にすべてが入っていると思います。今のサッカーは切り替えの早さ、それだけでなく縦方向に一気に局面をひっくり返す強さが求められていますし、それができているところがいい結果を残していると思います。そういった意味では浦和を評価したいですし、我々自身もそういったものを狙ってやっているところもあるので、うまくハマる時が増えてきていると思います。お互いにそういった特徴を警戒しながら、自分たちが出せるようにやりあう試合になるかなと思っています。


ー冒頭の質問で来季に向けた話がありましたが、来年もフィッカデンティ監督が指揮を執るということを小西社長と話しているのでしょうか?

残るか残らないか、継続するかどうかについては、日本では公式の発表があることを理解しているので、私の口から間違った言い方をしたくありません。ただ、契約に関して書類上の問題などを考えていくと、来年も続けるというすごく強い気持ちで自分がいるのは当然です。契約があるからただいるということではなくて、去年も今年も、2019年に残留を確定したあとも、ずっと同じような感覚で、小西社長をはじめ、クラブ側とそういった感覚で話している内容は、とにかくプロジェクトがどうあるのか。クラブはこうしたい、それに合わせて、だからあなたを監督として呼んでいて、こういうことをやってもらいたいと。そういうプロジェクトの部分がズレてきたり、チームと一体になっていないと監督という仕事はできないので、その部分に関して同じ温度を持てているかということがより大事です。「来年も残るんですか?」という質問に対しては、「残るはずです」くらいの感覚で答えなければいけないのはあるかもしれません。私としてこちらの立場からというところでは、そういったプロジェクトに関しても常にクラブ側の協力の姿勢があったからここまでこられました。先ほども触れたように、結果が評価されてトヨタに伺い、グランパスだけではなくてトヨタ側からもすごく信頼していただいて、どういったプロジェクトで取り組み、どう取り組んできたから今があって、じゃあ今後さらに歩みを進めるためには、という具体的な話をした中で、すごく賛同していただきました。私としてはこのプロジェクトが進むことを願っていますし、間違いなくそれがいい方向にいくのではないかと思っています。同じようにクラブ側も考えてくれているものだと思っていますので、すごくモチベーションがある状態ですし、来年以降も強いグランパスを作る作業にしっかりと責任を持ってやっていきたいという感覚を持っています。


ただ、一つのボールを使うサッカーというスポーツをやっているので、ボールはどこに転がるかわかりません。


ー先日、稲垣祥選手が「最終戦は来季につながる戦いをしよう」という言葉が監督からあったと話されていました。

どういうふうにチームを作っていくかという中で、稲垣は中心になって「こうやっていこう」という見本を示してくれています。そういった取り組みをしている中でこれだけ個人的な部分でも評価されるような1年を過ごしたということもあって、まず彼の取り組み方を評価したいと思っています。見本を示してくれる彼がそういった考えを人前でも言ってくれたので、全員が同じような感覚を持たなければいけないと思っています。