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明治安田生命J1リーグ第35節 仙台戦 前日監督会見

611月
11月6日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、7日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第35節のベガルタ仙台戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー前節の柏レイソル戦も厳しい状況の中で勝利を挙げました。現在の選手の様子はいかがですか?

我々はおそらくシーズンで51試合を消化したところだと思います。直近の試合、日程以上に、それだけ多くの試合を闘ってきたことでの疲労があります。逆に言うと、ほかのチームもある程度シーズン終盤ですので、そういった疲労がどのチームもそれぞれ残っているのかなと。幸いカップ戦では多くの試合をこなすところまでいけたので、その分、そういった積み重なった疲労も受けている状況だと思います。選手の状態を説明するために言いますけど、そのせい(疲労)で負けたという位置づけを絶対にしないように闘っています。それを言い始めたら、なにかをあきらめているようなものです。その中でどのように勝つかにこだわってやっていく。ただ、今回の相手は残留に向けて、一戦一戦、どこかを落としたらそれを取り返すのは厳しい状況にまで追い込まれていると思います。死ぬ気で闘ってくる相手に対して、それでも我々がどのように上回るか。ただどのようにサッカーをやるかという以外の部分の準備も今回はすごく大事にやっています。


ー最近、3バックに変更する際、サイドバックや木本恭生選手を含めていろいろなメンバーで3バックを構成しています。こういうことができるようなチームに対してどのように感じていますか?

どのように組み立てていくかという時、4枚でやった時でもボランチを落として3枚で組み立てたり、あるいは3枚でスタートするけど、組み立ての時には普段のような4枚の配置でバランスを取るなど逆のこともあります。最近は宮原(和也)が3枚の右をやって、マイボールになった時は4枚気味にすることも、やろうと思えばできる柔軟さが出てきます。ここでもう1枚欲しいという時になかったりした場合、いくつかのポジションをこなせる選手、試合中に複数ポジションを同時にこなす選手がいて、そういうやり方をしていることもあります。


ーベガルタ仙台は前回の対戦からメンバーが替わっている部分もあります。仙台の印象を聞かせてください。

前回対戦した時、試合に勝ったのは相手ですけど、内容的に我々が落としてはいけないゲームだったなという感覚が残っています。どのように闘えたかも含めてです。実際に多くの選手が替わった中、直近の何試合かを見ていますけど、最近のヴィッセル神戸に2−4で負けたゲームを見ていても、11人対11人のまま試合が最後まで続いていたら、かなり高い確率で違った結果になっていたんではないかなと。それくらい一つの形を持っていて、いいサッカーをやっているなという印象があります。前回対戦の結果は置いておいて、ある程度の手応えのあったゲームができた前回とは全く違ったチーム、大きく変わったチームと対戦すると位置づけたいです。先ほどの繰り返しになりますけど、我々はACLを目指すという目標を最後まで譲ってはいけない一方、相手は絶対に残留するんだという目標を持っていて、それぞれの目標は違いますが、絶対に負けてはいけないもの同士がぶつかるゲームになると思います。そういった部分でも譲らないで闘いたいと思います。


ーチームは苦しい中でも複数得点を取って、結果を出す試合が続いています。チームとしての成熟を感じる部分はありますか?

成熟という意味で、どういったことが成熟を表すのかという部分が、我々がどのような環境でサッカーをやる、どのようなプレーをしたい、というもう一個上の位置づけで「まず勝つんだ」と。勝つためにどういうゲーム運びができるのか、こういう戦い方をしてこう勝てたらという理想ではなく、今日時点でのコンディションでどう闘うことができるか。シーズン序盤、こちらがプレッシャーをどうかけたいか、もう少し前からいけた部分もありました。今、疲れている中でも、理想を追い求めて、結果を受け入れるだけなのか。それともとにかく結果にこだわるのか。どちらに重きを置くかという中で、我々はまず勝つためにやっているんだと理解して、自分たちが受け入れるものを受け入れながら闘って、勝ちを積み重ねていくことが成熟だと思っています。


ー新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き始め、ファン・サポーターに向けて練習を公開するチームも増えてきています。練習公開のタイミングについてどのように考えていますか?

日常を取り戻すという方向に進むべきだと、コロナ禍の中で考えています。サポーターとの距離感も本来のものであってほしいと考えているということがベースにあった上で、日本という国でそれをやろうとするのが可能か、不可能かを考えると、日本ほどそういうことを実行しようとした時、スムーズに移行できる国はないと思います。敷かれるべきルールがしっかりと敷かれて、それを多くの方が守ること。こうやってやったら、また物事が元どおりにできるという形さえ作ればできると思います。世の中の流れにネガティブな感覚は持っていません。抽象的ですが、サッカー界全体がそういう方向に進んでいければいいと思っています。


ー誕生日おめでとうございます。54歳はどのような1年にしたいですか?

ありがとうございます。まずは私個人が1年間をどういうふうにするかより、まだ世の中が大変な状況だと思うので、少しでも状況が良くなって、皆さんがより良い状況で生活できる1年になったらいいと思っています。私個人がどのように生きていくかは、頭で整理して言葉にすると、今日、現在をどのように生きていくかを一番大事なこととして位置づけています。将来こうなるために今はこういうことを、という先回りしたものではなく、今日をどのように生きていくか。それが絶対にいいものとして結果で返ってくるだろうけど、とにかく今日をしっかりと生きようと。過去のことを考えても、こうやってきたから今日があるんだと。そのような位置づけで考えています。この先でこうしたいからどうしようという逆の順番で考えることはないです。今日やらなければいけないことをしっかりと見極めて、毎日しっかりと仕事をしていく。そんな1日1日を積み重ねた1年になればと思っています。


ーホテルでの隔離生活が終了し、選手たちは家族に会えるようになりました。監督は選手たちのメンタル面についてどのように見ていますか?

今回の約3週間、前回のタイ遠征での30日以上にわたる隔離で、やはりメンタル的な部分はすごく重いです。今回は多くの選手が家族ともう一度会えました。サッカー面でもルヴァンカップをしっかりと獲れたことで、彼らもいろいろなことを我慢して、それを耐えながらもサッカーをやってきたことが報われたという感覚を持って、現在を迎えていると思います。ここ何日か、隔離が明けてからの選手たちの表情を見ると、やはり隔離中とは全く違った表情を見せてくれています。