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明治安田生命J1リーグ第34節 柏戦 前日監督会見

211月
11月2日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、3日(水・祝)に行われる明治安田生命J1リーグ第34節の柏レイソル戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ールヴァンカップ優勝の余韻はほとんど残っていないですか?

名古屋に足りなかったカップですから、それを獲れたという幸せな気持ち、そういった空気は漂っています。次の試合に向けての影響を考えると、すごく前向きな雰囲気です。皆さんが書いてくださっている記事を読んでも、タイトルを獲れたからこそ書いていただいているんだろうなという内容もありますし、我々自身が取り組んでいく上でもカップを獲ったことが与えるいい影響というものは計り知れません。その空気をすべて柏(レイソル)戦にぶつけてやっていけるという手応えを感じています。


ー今シーズンも残り5試合というところで、どのチームも特別な集中力や力を出してくると思います。そういったところにどう対抗していきたいか、優勝の勢いも使ってどんな戦いをしていきたいと考えていますか?

目の前の1試合1試合に集中するという取り組み方は最後まで変える必要のない、いい取り組み方だと思います。その中でそれぞれが目指しているものがあり、柏はもう少しで残留を確定できる状態で、残留を争う中ではリードしているチームですので、早く確定したいでしょうし、我々も可能性として現実的に見た時に3位を狙っていいと思うので、可能性がある限りそこに向けてやっていく。そういった長い目で見た時の目標をクリアするために、目の前の1試合をやっていこうという設定になります。


ー優勝後に監督が真っ先に報告した方はいますか?

見ていただいたとおり、グラウンドであれだけ長くスタッフや選手と祝う時間をいただけたので、約2年間ずっと苦労してやってきたものを、一緒にずっと最初からやっている選手もいますし、どのタイミングで来たからどうっていうのはあまり関係なく全員でというところですけど、そうやってみんなであのような時間を過ごせたことがなによりも大事なのではないでしょうか。選手たちがすごく喜んでいる姿はある意味ラテンのノリと言ってもいいくらい、普段日本人があまり見せないようなもので、あれだけのタイトルを獲るというところまでいくと、この子たちもこういう喜び方をするんだなと思いました。騒いだりしているのを見ていて心地良かったですし、そういうふうに喜んでいる彼らを見て、本当に報われたな、頑張ったなと感じて、すごく気持ちのいい時間を過ごすことができました。あとはいろいろなメッセージをいただいたりもしましたが、私の個人のところをしゃべるのはあまり好きではないので、ご理解いただければと思います。


ーいい形でカップ戦を終われて、リーグ戦に集中できる状態になると思います。改めて選手に伝えたことがあれば教えてください。

いろいろな大会でしっかりといいところまで闘えていたり、ルヴァンカップを獲れ、リーグ戦はまだ終わっていないという中で、残り5試合のところでは私が先ほど話したように3位、(来季の)ACL出場権を狙えるというところにいます。取り組み方の部分では、たまたま結果が出るような取り組み方をしていないと。こういうやり方をしたらこういった結果が絶対についてくるから、まずその取り組み方を徹底的に、逃げずに、諦めずに、妥協せずにやっていこう、それがこのチームのルールだというふうに取り組みを始めて、選手たちが必死にやってくれて、今ベースが出来上がっていますし、来年全く勝てなくなるようなチームの作り方はしていません。このチームではこれが絶対、新しい選手が来てもそれに倣っていくというのができているので、そういった部分があるということを確認し、それをやりきったからこそルヴァンカップを獲れたという話を選手たちにしました。ですが、残り5試合をどう闘わなければいけないのかというところに戻って改めて話をする必要はありませんでした。自然と選手たちから「残り5試合に集中して全部取りに行こうぜ」という空気ができていましたから。


ーイタリアではマンジャーレ(食べること)を大事にしていて、美食の国としても知られています。こういったうれしいことがあった時に食べるものや飲むもので決めているものはありますか?

日本もマンジャーレの国ではないでしょうか(笑)。具体的にというところまではいかないですけど、そういう特別な瞬間には、逆にリラックスできるような最高な自分の国の食べ慣れたものを食べます。パスタに関しても私はイタリアの1か所だけで生きてきたわけではなく、いろいろな場所のいろいろな思い出があるので、どこの地域の色が出ているものというところまでは指定しにくいですが、すごくおいしい一皿のパスタとおいしいワインがいいですね。私はそういうお祝いなどのシチュエーションでもがぶ飲みをしたり、いきすぎて思いっきり酔っ払うということをするタイプではなく、どちらかと言うと最高のものを飲んで至福の時間を過ごし、自分へのご褒美という形で祝いたいかなと。ですからおいしい赤ワインとおいしいパスタというところです。あまりおいしくない赤ワインだと頭が痛くなってしまいますから、少量で本当においしいものを飲めたらと思います(笑)。


ー明日対戦する柏についてはどのように捉えていますか?

シーズン序盤は苦戦し、スタートはあまりうまくいっていなかったのかなと思いますが、そこから持ち直して、(順位表の)下を見れば危険な状況からはほとんど抜け出しています。チームの特徴としては、個人的な能力がすごく高い選手が数人いて、(ネルシーニョ)監督は日本での経験というものはものすごいものを持っていますので、そういった部分で火が付いてしまうと危ないという位置づけで見ています。ですから、チームのやり方としてはまず絶対に気持ち良くプレーさせない。どう勢いづかせてしまうと危ないか、こういうプレーが出始めると向こうのペースになるというところをみんなで整理しながら、そこを抑えるというような試合の入り方を徹底してやるべきかなと思います。シーズン後半になってきて新しい選手が加わったり、選手をうまく入れ替えながらだんだん固定してきて、シーズン序盤はメンバーが変わったというところもうまく選手を配置できていなかったり、バランスを取るのに苦戦したのかなと思うので、そういった部分でも整ってきたというところで今の柏は強さがついてきていると見ています。


ールヴァンカップの決勝戦ではタイトルを獲ったこともそうですが、無失点に抑えたことも大きかったと思います。難しい状況の中で久しぶりに無失点に抑えたことがチームに与える影響はどのように考えていますか?

どういうふうに見えているか、我々が自分たちの中でなにを感じているか、どういうふうに自分たちのことを理解しているかというところを、どういった意味で、どのタイミングで話すかによって、我々自身が自分たちを説明する場合もあるし、そこに結果もセットになると、自己分析をしたことをただ話していてもそれが言い訳に聞こえてしまったりするので、話し方などには本当に気をつけています。しっかりと結果が出た、ルヴァンカップを勝って終わったという中で直後に話すとしたら、一度触れていますが、中盤のところで米本(拓司)が抜けてしまったり、長澤(和輝)が韓国に行ってから発熱してしまって、帰国してからも本当は起用したいけど出場できなかったということもあったりして苦労した部分がありました。そこを木本(恭生)が、本職はセンターバックですがボランチもできるという彼の能力を存分に発揮してくれてすごくいい形でやってくれています。ここ最近の話で言えば内部ではそういった困ったなと頭を悩ますことがありました。そういうことは常にあるんですけど、今シーズンは50試合くらいやっておそらく半分くらいは失点をせずに乗りきっているという戦い方をできていると思います。やはり我々の特長としてはそういう部分が残っていなければいけない。ただすごく大事な試合では、我々の特長が出たルヴァンカップの決勝のような試合もあれば、ほかのキーになるようないくつかの試合では失点してしまって負けてしまい、皆さんの印象に残った部分もあったと思います。「あれだけ守備が堅いというのを武器にしていたのにこの試合ではそこが崩れてしまった」と。グランパスがもっともっと上にいく、チームとしてクオリティの部分でジャンプアップをしていくという中では、そういった部分がまだ足りないところです。確実に武器を常に発揮できるというように磨いていく必要があるかなと思いますし、どうすることで安定して発揮し続けられるかというところは我々が今取り組んでいるところです。この形に持っていったら勝つ可能性がすごく高いというものは見えてきたと思うので、そこを常に、シーズンをとおして出し続けるという部分の強化が必要かなと思っています。


ールヴァンカップの優勝にはファミリーの力がとても大きかったと思います。会場入りした時にはデッキの2階からたくさんの方がチームバスを迎え入れ、試合中はメリハリの効いた手拍子で後押しをしていました。ピッチから見ていて感じたことがあれば教えてください。

今、皆さんに私のほうから「私が来てから2年以内にカップを一つくらいは獲るだろうと思っていた方はいますか?」と聞いて、手をスッと挙げる人は少ないと思います。


(ファミリーの皆さんが)あれだけの雰囲気を作ってくださって、勝った直後にあれだけ喜んでくださる皆さんの姿を見て、それだけ何年もの間寂しい想いをさせていたんだなと感じました。ですから一つひとつの拍手にしても、「絶対に勝ってくれ」という想いが伝わってきました。人数のところで実際にどのくらい違いがあったのかはわかりませんが、私の感覚的には名古屋のサポーターのほうが多いのではないかと感じましたし、ファミリーの皆さんから試合、相手を飲みこんでいくような雰囲気を作ってくださっていましたので、やはりグランパスというチームはそういうポジションにいなければいけないということを皆さんと一緒に実感したようなそういう感覚でした。