NGE

【インタビュー】森下龍矢「冷静と情熱で突き進む」

1410月

タレントがそろうグランパスに今季加入した森下龍矢は、

少ないチャンスをものにしてチームの主力の座に近づいた。

冷静に考える頭脳と、熱いハートを隠さない言動で勢いをもたらす“本気好青年”が

加入当初より口にしている「ACL優勝」へ向けてひた走る。


インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部


新加入した今シーズンは序盤こそ出場時間が限られていましたが、ここ最近はスタメンで出る試合が増えています。森下選手自身の今シーズンここまでをどのように感じていますか?

森下 一言で表すなら本当にいいシーズン、最高のシーズンを過ごせているというのが率直な感想です。試合に出られない時期はありましたけど、出られない時でも自分のコンディションやプレーのスピード、プレーの感覚といったものがすべてトップクラスというか、自分の中で最高だと思える状態で、それを練習から維持できていました。だから今のところは最高だと感じられるシーズンを過ごせていると思います。


出場機会を得始めた頃は途中出場すればいいプレーを見せていましたが、出場時間はいまいち延びない印象がありました。その中でももどかしさを感じるというよりは、前向きに取り組めていた感覚ですか?

森下 もどかしさというか、選手としての悔しさは当然ながらありました。ただ、僕の中では「自分が納得するプレーをできていないけど試合に出られている時」が最悪なパターンだと思っているんです。それは本当の自分でプレーできていないということじゃないですか。でも、僕の場合は「自分が納得できるプレーをできているけど出られていない」という状態でした。もちろん、自分が納得するプレーをできた上で試合に出られれば最高ですが、その次に自分は納得できているけど出られていないというのがくると思っています。僕は2番目にいい状態が続いていたから、特にマイナスになる要素はないと捉えていました。


森下選手の性格を考えるとそういった期間中にプレー分析をしたり、どこが足りないのかをよく考えていたのかなと思います。

森下 最初はすごく考えていました。具体的に話すと、最初は新たなチャレンジということで、「自分がどれだけチームに合わせられるか」というところにフォーカスしていました。ただ、そうすると自分の良さがなくなっていってしまうと感じて、途中からは「どうすれば自分の良さをみんなに認めてもらえるか」と考えるようになりました。チームに合わせるのではなくて、合わせてもらうというのもチームに溶け込む一つの技なんだと。それが途中からいい方向に向き出したと感じています。だからメンタル的な部分が大きくて、(サガン)鳥栖にいた時よりも技術やフィジカル面で成長したかと言えば、少しは成長していると思うけど、そんなに大きく成長していない。どちらかと言えば、違う環境だったり全く違うプレーが求められる中で、自分の考え方やメンタルをどれだけ整えられるかみたいな、そういう心理的な部分が成長したと思っています。


考え方を変えて、チームメイトに合わせてもらうために意識したことは?

森下 最初は味方に合わせる側だったのでみんなの話を聞くことが多かったんですけど、考え方が変わってからは「自分はこういうタイミングでほしいです」と主体的に発信できるようになりました。そこも大きな成長かなと思います。


考え方を変えるきっかけになったことはあったのでしょうか?

(残り: 5457文字 / 全文: 6861文字)

この続きをみるには

この記事の続きは会員限定です。
JリーグID登録と購読手続が
完了するとお読みいただけます。