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明治安田生命J1リーグ第30節 大分戦 前日監督会見

259月
9月25日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、26日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第30節の大分トリニータ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー試合の流れを変える采配についてお聞きします。FWを変えることはよくあると思いますが、大邱FC戦とFC東京戦ではハーフタイムに中盤の選手を替えました。中盤の選手を入れ替えると変えやすいのか、ただ単にその2試合はそこに問題があっただけなのか、そういったことを含めて監督の考えを教えてください。

あの試合の状況は「誰が(良くなかった)」というのは一切なくて、チームとしてこういったものをぶつけたかったけどなかなかそういうふうになっていなかったという状況でした。後半は戦術的に違ったやり方をするためにと考えた時に、どういったメンバーにすればより試合をガラッと変えることができるかという中で人を替えるのが相応しいと考え、実際に試合の流れも変わったと思います。交代した選手はそういった(良くなかったという)理解の仕方をする必要はないですし、入った選手は(求められていることを)理解して入れたのかなと思います。


ーチームがずっと結果を残し続けてきている中で、ケガ人が戻ってきていることは終盤戦に向けて明るい材料だと思います。監督はどのように捉えていますか?

いろいろな困難がある中で選手が戻ってきているというすごくうれしいことに触れていただきました。人が足りなかった時にしっかりとみんなで粘って勝点を重ねて、あるいはいろいろな大会で勝ち残ってやっと選手が戻ってきたというタイミングで、リーグ戦では来季のACL出場権を狙える位置にいますし、ACLや天皇杯、ルヴァンカップとすべての大会でよりおもしろくなるフィナーレに関われています。メンバーがそろってきたことで、各ポジションでいろいろなカードを切ることができる選択肢をもらっています。いろいろな人の努力のおかげでそういった状況を迎えられてうれしく思いますし、そこを生かしたいと思います。


ー最近は結果を出しつつも、珍しく失点する試合が続いています。そういった状況において監督自身はチームを引き締めたいと思うのか、それとも結果が出ているのでこのままチームを乗せていきたいと思うのか、どういった考えを持っていますか?

ここまで11試合連続で結果を出している中で何失点したかパッと出てこないですが、あまりしていないと思います。選手が戻ってきた状況もあり、選手が1人変わるだけでもいろいろなバランスを微調整していく必要がありますし、出続けている選手がこの試合は出て次の試合に出なかったということではなくて、金崎(夢生)やクバ(シュヴィルツォク)だったり、長期離脱(から戻ってきた選手)や新加入選手が入っています。金崎はまだ90分使えるところまではもう少し時間が掛かるでしょうし、クバも90分やるには、というところがあります。この試合はこう入りたいからどっちを先に出すかなど、ある意味選択肢を持てているというところもありますが、なにかチームの中で評価されている部分があれば、逆にほかのメンバーだとできるところができなかったりということもあります。例えばクバは前に残るので、どちらかというと守備の時には周りが彼の分も走るので負担が少し増える影響もあります。違う選手を入れればより守れるかもしれませんが、以前の数字と見比べると得点力はクバがいるほうが高い。そういった部分で、今のところはそうだけど、逆にほかのやり方をすることで全体的にバランスが上がったり、クバがプレーしていることをきっかけにほかの選手にも点の取り方やイメージが湧いてきて、彼がいる、いないにかかわらず総合的に得点力が上がる可能性もありますから、まだいろいろと微調整をしていかなければいけないと思っています。細かい失点が続いたからというよりは、失点していなくてもそういった危険なシーンを作られたら見直しますし、点が入らなかったとしてもいい形があったらその形を次の試合でも出せるように同じ組み合わせでいくかもしれません。ですから直近のところだけでどうかというのはあまり言えません。


サッカーは全部の要素がいろいろなものの結果に影響します。皆さんが観ていて「前の試合はこうだったのになんで今日のメンバーはこうなんだ」、「そろそろこうなんじゃないか」などいろいろ思うことはあると思います。ただ、「勢いがあっておそらく次も出るだろう」という選手が、実は打撲を受けていて1試合は休ませたいという事情があったり、しばらく出ていないけど元気だと思う選手、あるいは元気がないのかなという選手が本当はこうなんだというように、コンディションの部分でいろいろなことがあります。それを全部言うことはできないので、皆さんが「どうなんですか?」と質問をしてくるのはわかりますが、監督は本当に考える項目が多いということも少しわかっていただけるとありがたいです。


ー考えることが多い中で中2日、中3日で試合が続く過密日程をこなしています。監督が意識して選手に送っている言葉などはありますか?

以前のインタビューでも少し触れたと思いますが、日程については我々が変えられるところではありません。10月のスケジュールを(記者の)皆さんはしっかりと全部把握されていると思いますが、リーグ戦も含めて4つの大会を全部並べてみると恐ろしいスケジュールになっているということを、意外と把握されていない方もいると思います。我々は勝つつもりでいますので、勝ち進めば準決勝や決勝が入ってきますから、10月は韓国の遠征が終わった後に中2日ですごく大事な試合が続く可能性があります。そういった中で、終わった時に「この日程は苦しかった」と振り返るのはいいですが、取り組む上では「その日程であろうと絶対に勝つという取り組み方をみんなでやっていこう」というチームの約束事があります。ただ、全部を出し切ったけども相手より走れなかったという時には、代表して選手を守るためにどういう状況だったと説明します。目の前に試合がある中では「疲れているから難しいかもね」など、そういった類のことを考えること自体をなしにして全力で挑むということを常にみんなに求めて、みんなで一緒に乗り越えようとやっています。


今いろいろな大会が残っているのは昨年からの流れもあって、そういうチャンスを自分たちで手にして闘えているというところもあります。約2年間本当にいろいろなものを我慢して、今はこういった世の中ということもありますし、多くの方にいろいろな喜びを与えるというところも含めて、やっとここからが勝つ、負けるというところで貪欲にいかなければいけない、そういう最後の部分が始まるんだというところを大事にしていきたいです。「ここまで頑張ってきたから」と満足している選手は1人もいないと思うので、ここでやりきって、結果を残して終えたいというのがチーム全員の考えです。


ー大分トリニータには前回対戦で3−0で勝利しましたが、油断できない相手だと思います。

チームの特徴としてスペースを与えている状態でプレーさせたくないということと、長沢(駿)選手のエリア内でのヘディングを中心としたクロスに対しての能力がすごく高いと評価していますので、個人的に危険な選手がいるというところ。そして最近の大分は最初の20分くらいまでの試合の入りがどの試合を観てもものすごくいい。ですから、試合の入り方を間違えて主導権を握られてしまうと、その勢いのまま90分やられてしまう可能性もあります。入りの部分、試合開始の笛が鳴った瞬間から試合に入り込める準備の仕方が非常に大切だと思っています。