マッシモ フィッカデンティ監督
ー最近の2勝を振り返ると、名古屋らしく我慢できる試合をまたできるようになったと思います。その要因についてはどのように考えていますか?
我々自身に迷いがあったわけではなくて、自信を持って進んでいた道をそのままどんどん進みたかったのに、少し立ち止まってしまったという感覚しかありませんでした。今はやるべきことをできている状態にあると思いますので、また引き続き(進んでいきたい)。苦しんでいたというよりは、やっといろいろなものが整ってきて、またそういった取り組みをできるという感覚です。
ー先日のヴィッセル神戸戦で途中交代した木本恭生選手の状態はいかがでしょうか?
大事になる前に交代したという形です。いずれにしてもそれほど長く時間が掛かるものではありません。判断を間違えて長引くことがないように、ここ何日かは慎重に進めた上で、また近いうちに試合に復帰すると思います。
ー次節対戦するアビスパ福岡の印象を教えてください。
我々が(開幕戦で)対戦した時と比べて、その時にいなかった選手が何人か合流したりしてメンバーが少し変わっているところがあります。また、今年からJ1に昇格してだいぶ多くの試合を戦い、チームとしてすごくいい時期もあればなかなか結果が出ない時期もあったりと本当にいろいろなものを経験したと思います。そういった中で今どういう状態にあるかと言うと、自分たちがどう闘うべきかを見極めてきているのかなと。スタイルがはっきり見えてきた部分もありますので、警戒すべきところは警戒しなければいけない相手だと思っています。しっかりと準備をして挑みたいと思います。
ー横浜で負けた2試合(9日横浜FC戦、12日横浜F・マリノス戦)では、なぜ我慢する守備を出せなかったのでしょうか? アグレッシブにいく姿勢も見せていましたが、体力的にキツいのであればむしろ我慢して守る選択もあったと思います。そういう展開に持っていかなかった、もしくは持っていけなかった理由があるのでしょうか?
今のタイミングで何事もなかったので話しますが、以前にも少し話しましたけどワクチン接種を行いました。まず、ワクチンを打つ権利はみんなにありますので、打てる状況が整った時点で希望する選手には打たせてあげたいと(思っていました)。結果、多くの選手がワクチンを接種しました。Jリーグ側からも「ワクチン接種は積極的に」という話がある中で、その日程と試合の日程の調整は一切していただけませんでした。「ワクチンを接種した」と話した時のリアクションとしては、「接種していない選手や影響を受けなかった選手を使えばいいじゃないか」という声もあるかと思います。ただ、ほぼ全選手に発熱の症状が2、3日出てしまって、一般的に何パーセント(の人に副反応が出る)というデータがありますけど、そんなものではなくて、ほぼ全員がそういう状態になりました。その中で試合の日までに回復して、「自分は問題なくできる」と思う選手になるべく出てもらったのですけど、それでもギリギリだったかなと。完全に出られない状態という選手もいましたし。そういった状況の中でスケジュールをこなしていかなければならず、ワクチンを打てたことに感謝しつつも、苦しい状況で闘っているのだと。ですから、普通の1年を闘っているわけではないことを理解していただけたらと思います。各試合、各試合、サッカーの面から見てしっかりと説明しなければいけないところもあれば、我々は勝利を目指してやっているけれども、いろいろな原因がある試合も何試合かはあるというところをわかっていただけると、選手も救われるのではないかと思います。