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明治安田生命J1リーグ第10節 鳥栖戦 前日監督会見

174月
4月17日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、18日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第10節のサガン鳥栖戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー鳥栖もグランパスと同じく堅守をベースに闘っています。鳥栖とグランパスの守り方の違いを含め、次節をどのように闘っていきたいか聞かせてください。

我々にも似たようなところがあります。「どう守っているか」という質問ですが、鳥栖も我々も難しいシチュエーションを守らなければいけないシーンをなるべく少なくしています。ボールを持っている選手に対して圧を与えて、最終的にゴール前でいい形を作らせないこと。ゴール前まで攻められた時には、ディフェンス陣が守りやすいシチュエーション、守る難易度がそこまで高くないシチュエーションを作るということ。鳥栖もこういったサッカーをしているのかなと。高い位置からどんどん奪いにいって、あまりゴール前でのシーンを作らせていないことにポイントがあると思います。


ーどういった部分でアドバンテージを握りたいと考えていますか?

我々も鳥栖もそうですけど、どういうことをなんのためにやるのか。いつも同じようなことを言っていますが、勝つためになにをするのか。目の前の試合にはどんな相手がいるから、どのようにやって勝つかというところ。鳥栖もグランパスも、1人で20点取れるようなFWがいるチームではなく、その中でなにをベースに闘うのかというところとで誰が点を取ってもおかしくないような、その試合、その試合をなにかの形にはめ込んで、毎回同じような試合にするより、その試合がどのような試合になるかを見て、高い位置からいくのか、ある程度受ける試合になるのか。そういった順応する能力は、お互いが高いものを持っていると思います。その中でそういったチーム同士のやり合いになるので、どうやってチャンスを作るかだけにフォーカスするより、すべてが表裏になることもあるでしょう。守備の部分について最初の質問をいただきましたけど、チームによっては川崎フロンターレしかいないかもしれませんけど、あれだけの攻撃力を誇り、得点数を挙げていながらも、守備の部分でもトップレベル。あえて攻撃的、守備的という話にしましたけど、サッカーはそれ以外の要素がいくつもあるので、それらに偏った見方をしないほうがいいのかなと。どちらにしても鳥栖は私もこだわっている、勝点をしっかり挙げること、点を取られずにまずは守りをしっかりすることをやれています。上位にいく可能性が高いチームだと見ています。


ーここまでの試合ではやりたいことをやれていると思います。選手のレベルが高くなり、戦術に掛けられる時間が増えたという部分はありますか?

「高いレベルでのサッカーをやれる」イコール「リーグの中でも上位にいる。勝つためのサッカーをする」とずっと言ってきました。戦術的な部分の質問に答えていきますけど、チームとしてはもちろん年間を通してベースになっていく部分の戦術的な整理をします。各チームが「こういうサッカーをやりたい」という強い希望があると思います。ただ、具体的な例を挙げると、サンフレッチェ広島戦は大分から帰ってきて、中2日での一戦でした。大分戦の翌日はほとんど練習もできない状態で、結局試合前日の1日しかない中で準備しなければいけませんでした。トレーニングしなければいけないので、リカバリーもほとんどできませんでした。我々は前から積極的にボールを奪いにいくサッカー、なるべく相手陣地でプレーするサッカーをやりたいと考えていますけど、攻撃力が優れ、組織でプレーできる広島に対して、ずっとやりたいサッカーをぶつけることができるかどうか。素直に受け入れて、「それはできないよ」と。前半の45分すべてでやりきれるかもしれないですし、前半のうちからそれができなくなるかもしれないと。では、そういった時にどういうサッカーをするべきなのか。我々は現実的なサッカーをやりきって、勝利を得られました。グランパス対広島の1試合だけを抜き出して、グランパスがどういうサッカーをやっているというイメージではないと思います。あの日程で、あの日の相手が広島だったら、こういうサッカーをやるべきだったと。それだけ現実を見ながら、選手はプレーしています。今シーズンはそういったことがどの試合でも当てはまると思います。本来ならこういうものを見せたい、やりたいということはありますけど、現実的に目の前の試合で勝点を挙げるにはなにを優先するべきなのか。本当にサッカーと向き合っているので、結果を出す、強いチームの取り組み方だと思います。


ー児玉駿斗選手や藤井陽也選手、石田凌太郎選手など、今シーズンまだ出番がない若手選手をどのように見ていますか?

まだ今シーズンが始まって10試合。まずは出るべき選手が出た上で、しっかりと結果を残しています。取り組み方自体は、試合に出る機会があまりない選手、まだ1試合も出場していない選手も、出るための準備をしっかりとしています。そういったシチュエーションがあったら、使いたいので使える状態でいてくれなければ困ります。プレーさせてあげられていない中でも、彼らに対しては信頼できる取り組み方ができていると思います。去年は若手の中でも試合出場の機会が多かった成瀬(竣平)、少し起用することができた石田(凌太郎)も含め、去年と同じような感覚で今は試合に出られていない、あとは試合に全く出られていない選手もいます。そういった若手全員が練習の雰囲気を作るところからいい状態でやってくれています。今後いろいろな大会が混ざってくるような過密日程になってきた時、絶対に試合に出てもらう機会があると思います。今のまま前向きに取り組んでくれたらと思っています。


ーここ2試合では齋藤学選手をトップ下のポジションで起用しています。彼をトップ下で起用する理由と、彼への評価を聞かせてください。

止まって「このあたりでプレーするだろう」とポイントを固定してプレーするより、すごく動きのあるボールの受け方や、スペースに飛び込むこと、相手の状況を見て逆を突くような動き、空間の使い方は彼の能力として高いものがあります。あとは彼のサッカー人生の経験、技術が高い点も含めて、そういう選手があのポジションでプレーするべきという前提があります。彼をあそこで使ってみるのはアイディアとしてありなのかなと思い、ここ2試合で起用してきました。ただ背景では、今は練習に合流していますけど、(ガブリエル)シャビエルが試合に出られるコンディションではなく、別に調整する必要があったということ。阿部(浩之)に関しても最初は相手によってメンバーを選ぶ中で起用できなかったり、起用しようとした時に少しの期間だけコンディションがあまり良くなかったり、あとは代表ウィークに入ってしまったり。前節は途中出場でいいプレーをしてくれましたけど、そういった背景もありました。選択肢を増やす意味でも、状態の良かった齋藤をここで試してみようかなと。広島戦は交代が早い時間帯にきましたけど、先ほども言ったように大分トリニータ戦から中2日での日程だったからです。彼のプレーに納得いかなかったわけではなく、役割を十分に理解して、いいプレーをしてくれたと思います。疲れが出てくるだろう時間帯に早めに手を打っただけの交代です。2試合はいいプレーを見せてくれたと思いますし、今後もこういった使い方をしたいと思わせるプレーをしてくれました。