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明治安田生命J1リーグ第33節 横浜FM戦 前日監督会見

2010月

10月20日(火)、チームは非公開トレーニングを実施。練習終了後、21日(水)に行われる明治安田生命J1リーグ第33節の横浜F・マリノス戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


ー連戦で大変だと思いますが休まれてますか?

ありがとうございます(笑)。


ー前節の川崎フロンターレ戦は敗戦となりましたが、内容は良かったと思います。一番評価している点はどんなところでしょうか?

0−3という結果がそのまま試合内容を反映しているかと言えば、私もそういった意味では……でも結局は出さなきゃいけないのは結果、そこなのですが。ただ、あれだけのプレーができた中であのスコアで終わってしまったことは選手にとって少し重かったかなと感じています。我々が失点したところではミスがありましたが、試合全体をとおしてグランパスの選手が集中していなかったかと言われればそんなことはないですし、集中していないとできない闘いをやれていたと思います。川崎Fも前半あのまま点が入らないままハーフタイムを迎えていたら、どんどん手を打たなければいけない状況に追い詰めることができたのかなと。そのくらい嫌な感触を与えている手応えがあったので、そこはすごくもったいないと感じる試合展開でした。このきつい日程の中で次の試合に向けてチームを根本的に立て直さなければいけないというよりかは、少しおかしな話ではありますが、0−3というスコアで敗戦したあとでも、次に持ち越すべき材料だらけだった試合という位置付けもできますので、かなりポジティブな雰囲気で取り組めています。そこにさらに悔しい想いが上乗せされて、「次は絶対にやってやる」という雰囲気にもなっていますので、ゲーム内容、気持ちの面、ともに充実した試合になるのではないかと手応えをすでに感じています。


ーすぐに横浜F・マリノス戦を迎えます。疲労などを考慮したメンバー構成、闘いになりますか?

明日の試合もそうですし、その次の土曜日の仙台戦までセットで考えなければいけません。選手がそれを考えるというよりかは私の中で計算してあげなければいけない部分があります。昨日はほとんどリカバリーというメニューで、試合に向けたトレーニングは今日少しやれただけであって、その中で誰がどう回復できるか、どれくらいの疲労が残った中で使わなければいけないのか、明日のギリギリまで見極める必要があります。おっしゃっていただいたようにメンバー選考という面では、どうプレーをさせたいかというよりかは、回復具合がポイントになると思っています。


ー攻撃の面で人数を掛ける必要があると思いますが、すべての場面でできるわけではないと思います。そこのメリハリの部分はどうアプローチしていますか?

どのようにペース配分をするかという中で、もちろん全員攻撃、全員守備で、その時間帯に全員がポジションを取ったり、ボールに絡むなりで常に全員が関わっているのがサッカーというスポーツです。ただし、実際に守備のところでFWが顔を出すなど、90分間そこまで徹底して全員攻撃、全員守備というのをやることは難しいものです。試合展開によっては相手がこう来たからこうせざるを得ないということもあります。相手が人数をかけて守っているのに、こちらが少人数で攻めても跳ね返されてしまいますし、逆に少ない人数で行くこと自体が体力の消耗になってしまうので、そういったところでこちらがやりたいように、体力の消耗を試合をとおしてコントロールすることはサッカーでは難しいものです。ただ結果を見た時に、我々が走らされて、あるいはこちらが走りにいってという中で前節の川崎F戦でもシュートの本数は、正確性を比較するとスコアに現れているように差はあったかもしれないですけど、同じくらいシュートを打てている。そこまで行けていますし、全くポゼッションができなくて空走りをさせられているというわけでもありません、こういうことをやりたいというのが、今言ったようなところに出るかと言えば、グラウンドの中で結果として出せたかということを分析していくことも大事だと思うので、今シーズンは直近の数字を見ても決してバランスが悪いわけではないと思います。なので、このやり方を続けていくという考えでいいと思います。


ー攻守において「継続性」という言葉を強調されているかと思います。川崎F戦での「継続性」について、どのように評価していますか?

川崎F戦を終え、この数日間で横浜FM戦に向けてどのようにチームを導いていく必要があるか、という短期的な見方もあれば、川崎F戦の内容を踏まえて次にどのような上積みができるか、というシーズンをとおした見方もあります。「継続性」と言っても、いろいろな見方をしなければいけません。まず、我々が今シーズンにどういうことをやろうとしているか、それがどのように形になってきているか。例えばですが「ただボールを放り込み、いいところにこぼれたらチャンスが来るかもしれない」というサッカーもありますが、取るべきポジションを取り、どのようなボールの動かし方で組み立てていくか、そして前線の選手たちのスピードやテクニックを生かす形に持ち込めるか、そこにボールを入れられるか、という我々のサッカーが徐々に形になってきています。それに対して相手がいろいろなやり方で抑え込んできても、その裏をかけるように今年の頭から取り組んできています。「川崎F戦でそういうサッカーが全くできなかったか」と言うとそうではありません。あえて言えば、我々しか土をつけていない川崎Fに対してもやれている時間帯はありました。試合後の会見でも話したかもしれませんが、そういった時間帯をどれだけ長くできるか。試合の中で90分をとおしてやりきれているかどうかも、「継続性」に関わってくるところだと思います。選手たちの中でも手応えとして「いい時間帯でなにもできなかったのが、、」という思いはありましたけど、川崎Fは他のチームと試合をする時にずっとそういう感覚を持ちながら相手にダメージを与え、ギアを上げればゴールが入るようなゲームをできていると思います。我々もそういった感覚、「90分の中で相手がボールを持つ時間があっても仕方ないけれど、試合自体はずっとコントロールしている」という「継続性」も持たなければいけません。相手が相手だっただけにいつもよりも薄まってしまいましたが、選手たちは「このスタイルが熟してくれば川崎Fを相手にしても勝機があるだろうし、圧倒できることもあるだろう」という感覚を得たと思います。


ー「継続性」というキーワードがある中で、横浜FM戦で注意すべきポイントを教えてください。

対戦相手に「今はゴール前を守らなければいけない」と感じさせるように、縦にパスを入れて敵陣でのプレー機会を多く作るチームです。その上、ゴール前で多彩さがあるという点が横浜FMの強さです。私自身が(注意すべきポイントを)「この部分」と限定してしまうのは大きなミスになるでしょう。あらゆることをやってくる中で、そこに対してすべて準備することはできませんが、ベースをしっかりと作り、どのようなことをやられても対応できるようにしなければいけないゲームだと思います。


ー横浜FMは順位の近い相手で、勝利が求められるゲームかと思います。今シーズンは名古屋は連敗を喫していないことも踏まえ、試合への意気込みをお願いします。

本来、サッカーは2つのチームによって行われるスポーツであり、その試合がどうなるかを決定づける要素でないものに関して、一喜一憂する必要はありません。ネガティブなデータがあっても落ち込む必要はありませんし、負けたあとに必ず勝っているという今シーズンのデータが、我々の勝つ確率を1パーセントでも上げてくれるかと言うとそうではありません。次の試合をどうするべきかというところにいつもどおり謙虚な姿勢で取り組み、ベストを尽くすことだけを考えたいです。