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明治安田生命J1リーグ第21節 C大阪戦 前々日監督会見

810月
10月8日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、10日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第21節のセレッソ大阪戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー前節の浦和レッズ戦から1週間の準備期間があります。今週はどのような練習をしてきましたか?

シーズンを過ごしていく中で本来、大事にしている試合と試合の間のトレーニングを最近はできていませんでした。そういった意味では今回、まずはしっかりと休ませて、いい状態で練習ができる環境でした。試合後としては昨日と今日、練習しましたが、かなりコンディションが回復していますし、かなりいい状態に見えました。内容としても疲労が残っていないからこそできる練習ができたと思いますので、すごくいい過ごし方ができています。


ーセレッソ大阪は守備が堅実で勝負強く得点を取って結果を残しているチームです。グランパスと共通する部分もあると思います。共通点や違う点はそれぞれどのように考えていますか?

セレッソ大阪はここ何年か上位にいますし、勝つためにはなにが必要かというメンタルを備えていることが今の順位にいる要因の一つだと思います。おっしゃる通りグラウンドの中で攻守両面を大事にする部分、まずはしっかり守備をするというところに関しては、我々と似ているというか、そういったことをしっかりやるチームが上位にいるという見方をしたいと思います。似ている部分もありますが、選手一人ひとりの特長まで細かく見ていくとかなり違ったチームとも言えると思います。上位にいるべくしているチームですが、細かいところまで見ていくとそこまで似てはいないかなと感じています。


ー引いて守ってくるような守備が堅いチームに対して、グランパスが得意としている速い攻撃を出すためにどんなことを考えていますか?

どういう試合の流れになるかというところがすべてになると思いますので、いつも通り選手たちにはいろいろな状況があることを伝えています。セレッソ大阪を相手にした時は、特にこういった状況が生まれやすいのではないかといったものを知識として選手たちと共有した上で、あとは試合状況や、その瞬間瞬間でやるべきプレーを選手たちが選び出すしかないと思います。準備をしていても、相手がこれだけは絶対にさせないという逆の準備をしてきたら、準備していたものとは違う展開で終わってしまいます。そうではなく、ここを抑えてくるのであれば逆にここが空く、我々の一番の特長を消しにきて、まずはスペースを埋めるようなことをやってきたら、逆にこういうやり方があるのではないかというものをどんどん用意しないといけません。もし引いて守ってくるのであれば、サイドでの1対1で個人がどれだけ突破できるかがカギになると思います。そういうことをやってくる可能性があるかは別にして、逆にラインを高く保ってくるのであれば裏のスペースに抜け出すような、我々が得意としている形がより多く出るのかなと。同時に守ることに関しても、我々はなるべくペナルティーエリアに近づけないように、どれだけ前から潰しにいけるかがカギになると思います。


ー以前、「グランパスは今の順位にいるチームではない」とおっしゃっていました。さらに上の順位にいくためにも今節の上位対決が重要になると思います。この一戦をどのようにとらえていますか?

グランパスというクラブの規模や組織としての大きさ、DNAを考えると、グランパスは絶対に上位争いをしなければいけないという使命があるチームだと思います。そういったことからも今の順位に踏みとどまることを常に意識しながら、今度の試合に限らず、このチームに関わるからにはずっとその意識を持たなければいけないと常に選手に言っています。


そういった意味ではセレッソ大阪も我々と同じように、常に上位争いをしなければならないという意識を持ってサッカーに取り組んでいるクラブだと思います。そういったクラブと対戦しますが、今からスイッチを入れるのではなく、年間を通してどういう闘いをするかで上位にいれるかが決まると思いますので、まずはトレーニングの量をしっかりやっていかなければいけません。言葉だけを並べ、頭のスイッチを入れただけで、今節はそういうふうにやっていこうというわけではなく、どれだけトレーニングをして鍛え抜き、グラウンドで働いて、作業して、やっと試合で形になってくるものだと常に選手に投げ掛けています。ここ何年と比べて遥かにハードなトレーニングを積んできたと思いますし、そういった部分でチームとして「これだけやってきたから負けるわけがない」というメンタルになっていると思います。「グランパスだから負けてはいけない」と「グランパスだから負けるわけがない」というのは違います。これだけのトレーニングをしているグランパスだから負けるわけがない、グランパスにいる限りはそれを常に続けなければいけないという意識を選手たちは持っていると思います。実際に今シーズンは最初からずっと上位争いをできていますが、ここで満足してはいけません。とにかく一番上にいかなければいけないという気持ちを持っていると思いますが、それが結果として表れるようにこだわってやっていきたいと思います。


ー台風が接近していることで試合当日は強い雨や強い風が予想されます。そういった環境の試合ではどんな準備が大切になりますか?

台風が近づいてきていても試合ができるのであれば、すごく晴れたいい状態でできることはないですし、強い雨や強い風の中でサッカーをすることになると思います。そういった質問をいただいてすごく嬉しかったのですが、私はあらゆるものが試合を決定づける要素になると普段から言っていますので、今回も選手とそういう話をした中で、こういう可能性もあるからこういったプレーをしなければいけないと。そういったイメージをしながらトレーニングをしています。やはり悪天候の中では浮いたボールは使えません。足元でしっかりボールをコントロールして、素早いパス回しをしながら、スピーディーな展開を試合の中で表現できたほうに勝機があると思いますので、そういったプレーを意識しなければいけないと思います。


ー10月に入って3回目の移籍ウインドウが開きました。これまでクラブに対してリクエストしているという話もあった中で、この期間にもクラブと話し合いをしましたか?

クラブにリクエストをしているというよりは、あくまで現場の人間として選手が加入してくれることで、例えばケガ人が多かったり、試合数がかなり多かったりと、その時のチーム状態に合わせて話はしていました。ただあくまでもクラブ対私ということではなく、私の立場からものを言った上でクラブがどう動けるかということでした。今年がどんな年かというのは私が話す必要もなく、本当に全員にとって、あらゆるポジションの方にとって役割を持っていかないといけない難しい1年だということはわかっています。私が頼んでいるのにクラブが動いてくれなかったというふうには全く位置づけていません。もちろん、チームの勝率をより上げるために誰か選手が加わることになれば、それはグランパスに関わる全員が前向きに受け入れて、喜ばなければいけません。しかし、ただ選手を増やすため、形として何人か選手を獲得しましたという補強であればする必要はないと思っています。そこは今のチームをクラブと同じ角度から見た上で、必要なことをできればしたいですが、我々だけが選手を獲りたいと言っても、獲得できる選手もなかなかいなそうですので、ギリギリまで状況を見ていきたいと思います。


ー前田直輝選手は復帰後、途中交代が続いていて状態に少し不安があるのかなとも思います。監督はどのように見ていますか?

今週の練習でどのようなことをやったかという質問をいただいた時に、しっかりと疲労を回復していいトレーニングをできたと答えました。前田個人に関しては連戦が続く中、トレーニングとして位置付けることができるメニューをなかなかこなせない状態でした。プレーができないようなケガではないですが、試合と試合の間はリカバリーに専念するような状態で何週間か過ごしていましたので、そういった意味でトレーニングを積み重ねることができなかったという部分が、出場時間に影響していたと思います。ただ、前田がどういうプレーをしているかに関しては非常に満足しています。今日は自分が1時間しか持たないと思ったならば、どれだけ濃い1時間にするかという意識を持ってプレーしてくれています。そういった形でプレーできているのであれば、逆に90分間出ることよりも、その60分間をさらに濃くできるかという位置づけでトレーニングに励むこともいいと思います。彼のポジション的には決定的な仕事を試合の中ですることで素晴らしい役割を果たしたと思います。もちろんサッカー選手として90分間やることにこだわることも大事ですが、決して今の取り組みはいいけれども90分間できないから合格点は与えられないという見方ではなく、非常に満足しています。