13日(日)に行われる高円宮杯 JFA U-18サッカースーパープリンスリーグ 2020東海の初戦を前に、名古屋グランパスU-18を率いる古賀聡監督にインタビューを実施。活動休止期間の取り組みや目指すサッカーのスタイル、選手の成長を促す指導法について聞いた。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
新型コロナウイルスの感染拡大により、大会の中止や活動休止など、今シーズンの活動はこれまでとは全く違ったものになったと思います。今シーズンここまでの活動を振り返っていかがですか?
古賀 我々としては3カ月近く、活動自粛の期間がありました。ステイホームで学校に行かず、クラブの活動にも参加できない状況です。そのような環境で我々コーチングスタッフが選手たちにできることは、この期間を成長するために時間に変えていけるよう導くことでした。我々は選手たちの刺激になるようにさまざまなことを発信し、選手自身も朝一番にランニングをしたり、壁に向かってボールを蹴ったりと、それぞれが工夫をしながら取り組んでくれました。サッカー以外においても、毎日勉強する時間を設定して取り組んだり、家族のために料理や掃除などを担当したりと、自分になにができるかを考えて行動に移していたと聞いています。そういった自立した行動を習慣化できたことが、この期間における非常に大きな成果だった感じています。
選手たちへどのようなメッセージを伝えていたのでしょうか?
古賀 プロフェッショナルのステージでは、24時間をどうマネジメントして使えるかが問われるということを中心に伝えました。プロサッカー選手の1日の中で、チームトレーニングの時間は限られています。成長のために使う時間がそれだけでは、ほかの選手との差は生まれないでしょう。そのほかの時間でいかに成長するための時間を作って、自ら行動できるか。誰かに流されることもなく、誰かに言われたからやるのでもなくて、自分自身で考えて、夢の実現に向けてどのように時間を使うくかが大事だと思います。普段の選手たちは学校とクラブの活動で忙殺されているところもあるので、なかなかそういう時間の考え方はできませんでした。今回のことをきっかけにそういった時間が作れたことは、非常にポジティブな要素であったとと思います。
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