インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
今回は情報発信やメディアをテーマに話をお聞きしていきます。まずはグランパスを取り巻くメディア環境をどのように感じていますか?
赤﨑 かなりの熱量を感じています。グランパスを扱うメディアは、新聞を含めた紙の媒体やテレビもある。さらに『INSIDE GRAMPUS』をはじめとしたウェブメディアも充実していますよね。新聞ではほぼ毎日グランパスの枠が設けられていますし、試合に勝てばテレビでも大きく扱ってくれている。選手として、素直にありがたいなと感じています。ただ、メディアが取材をして発信できる部分は、僕ら選手たちのとても狭いエリアしかなくて、そこを努力して切り取っている状況ですよね。例えば、練習が非公開だったら、僕たちは練習内容を話せません。もちろん試合前に戦術やメンバーについて言及することはできないし、自分の状態が悪いとも言えない。そういった制約がある中で、メディアの方々がどのようにグランパスを切り取って発信していくかは、かなり難しいのではないかと思います。
自分が話せることや伝えたいことが、必ずしも取材する側と一致するわけではないと。
赤﨑 そうですね。メディアとしては深い内容の質問やシビアな質問をして、新たな情報を発信していきたいものだと思います。ただ、選手側からすると、そういう質問にはなかなか答えられない。選手からすると、メディアを通して発信できることは意見の表層に留まってしまいますよね。特に僕が取材を受ける時は、記事や映像を見てくれる何万人もの人に向けて話すように意識しているので。そういう情報発信の場合は個人の特色が出づらいのではないかと思っています。
それでは、マスメディアに取り上げられる効果をどのように捉えていますか?
赤﨑 二つあります。一つは、自分の考えが整理されるということ。質問に応えるには、頭の中で自分の考えを整理する必要がありますから。もう一つは、多く人にリーチできるということ。例えば、テレビでは僕のことを全く知らない人にもリーチできる可能性が高い。多くの視聴者がいる中で、「グランパスが取り上げられるから見る」、「赤﨑が出るから見る」という人は少数だと思いますから。一方、TwitterのようなSNSでは、基本的には自分のことを知っていて、フォローしてくれている人にしか届かないですよね。「赤﨑秀平」という人間を知ってもらうきっかけとして、マスメディアの力は大きいと思います。
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