NGE

明治安田生命J1リーグ第31節 神戸戦後 監督会見

911月

11/9(土)、明治安田生命J1リーグ第31節が行われました。名古屋グランパスは豊田スタジアムでヴィッセル神戸と対戦し、3-0で勝利。試合終了後、グランパスを率いるマッシモ フィッカデンティ監督が監督会見に臨みました。


マッシモ フィッカデンティ監督


ナイスゲームだったのではないでしょうか。技術的に高いクオリティーを持っているチームと戦うことはわかっていました。ですので、今日の試合を振り返ってみても、ヴィッセル神戸との対戦は簡単なものではなかったと思います。相手がどのような戦い方をしてくるかを研究してきましたし、映像を見ながら準備してきたプレーを、選手たちはしてくれました。


サッカーという競技で、同じ展開がずっと続くことはありません。90分の中で、グランパスが押している時間帯はどのようなサッカーをするべきか。押している時は、前がかりになりすぎないように。押し込まれている時は、受けきるという形を取ることなど、さまざまなシチュエーションを想定し、練習をしてきました。どの時間においても、やるべきことはすべてやり切れたと思います。トータルで考えたこの試合の解釈と、時間帯による解釈が正確で、賢くサッカーができたと思います。


メンタルの部分はこれまでも話してきましたが、今日の試合を終えて、選手たちは「こういうメンタルが必要だった」と、私の説明以上に理解していると思います。今日からがスタートです。これまでにどう取り組んできたか、そしてこれから取り組むことについて、この勝利でさらに自信を持つことができると思います。


また、このスタジアムとグランパスの持つ雰囲気も素晴らしかったです。今のチーム状況にも関わらず、試合が始まる前からあれだけの後押しをしてくれるサポーターの方々を見て、「こんなにも応援してくれるのだ」と感じました。このチームはすごく大きな武器を持っているのだということを、改めて認識させられました。


ー監督就任後初めて、先制ゴールを奪い、勝ちきることができました。その要因はどこにあったのでしょうか?

サッカーとは計算通りにいかないスポーツですが、ロジカルな取り組みはするべきですし、そうすることで勝利の確率は上がると思います。この1カ月の期間で伝えてきたことは、もちろんやらなければいけない戦術的な部分、技術的な部分もありましたけれども、チームを作っていく上で、まず気持ちの部分を作らなければいけないということでした。正しいメンタリティーを持った上で、常に強気な試合をするのではなく、謙虚に守る時間帯を作ったり、チャンスと見たら押し込みにいったりといった読みの部分も必要です。リスクを減らして後ろを重くすることや、相手が来られないから一気に押すことなど、グラウンドでどのような配置をするべきか。戦術に気持ちが伴うことで、苦しい時間が必ず来ることを読み違えずにプレーできました。ですから、今日はチームを見ていて「頼もしい」と感じていました。


―監督就任後初の勝利です。どのような「味」がしているのでしょうか?

美味しいです(笑)。日本に来て約6年が経ちますので、初めて日本人を指揮するわけではなく、日本の選手がどのような考えを持っているかはある程度理解していますが、短い期間で、彼らがどういう選手で、どういうチーム状況なのかを理解しなければいけません。短時間で、それに取り組まなければいけないことは難しかったです。その中で、選手たちが犠牲心を持つことを正しく理解し、全員がチームのためにプレーしていた。苦しんだ分だけ、勝利の味はいいものでした。


これまで、私が仕事をさせてもらうクラブに対する話はしてきませんでした。しかし、実際にクラブの中で働いてみて、グランパスはトップで争うべきチームであると感じていますし、それはクラブで働いている方々を見てもそのように思います。1勝できたから完全に安全な状態になったと思い、このような話をしているわけではありません。まだまだ、これからも苦しむことは大いにあると思います。それでも、クラブに関わっているみなさんのメンタルなどは、勝つべきチームに必要なものを兼ね備えている。グランパスはそういう組織だと思っていますし、ここで働くことができる感謝の気持ちを、この場を借りて伝えたいと思います。アリガトウゴザイマス。