監督就任から約3週間、今もなおチームは荒波の中にあるが、
「光は大きくなり始めている」と指揮官は手応えを口にする。
現実を受け入れた上で前向きに、そしてひたむきに。
イタリア人監督が率いる船は、着実に“たどり着くべき港”へと向かっている。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
ー9月23日にグランパスの監督に就任しました。
監督就任に関するお話をいただいた時、チームが置かれているシチュエーションは決して簡単なものではありませんでした。残りの試合数はもちろん、私に与えられる時間は少なく、チーム状況も含めて非常に難しい状況にありましたからね。それでも、私には「このチームであれば目標を達成できる」という確信があったので、オファーを引き受けることにしました。
ー監督就任以前、グランパスに対してどのような印象をお持ちでしたか?
すごく魅力のあるクラブという印象を抱いていました。2016年のJ2降格を含め、名古屋の歴史においてここ数年は苦しい時期にあると表現できるかと思いますが、これまでの実績をトータルで見ると、Jリーグの中でも最も重要なクラブの一つだと位置づけることができます。サポーターをはじめとする協力体制もしっかりとしていて、大きな目標を達成するために必要な組織ができあがっているクラブだと考えていましたよ。実際にこのクラブに来てからも、それは強く感じているところです。平坦な道ではありませんけれど、あるべき場所に向かうためのプロジェクトを進められる環境は整っていると感じています。
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