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【コラム】「相思相愛へのスタートライン」

410月

監督就任から5日後に迎えた広島戦、早くもリアリストな一面を披露してみせた。

戦況に応じたシステム変更で攻めどころを与えず、相手の追撃を封殺。

現実を受け入れ、最善を尽くす“ミステル”の情熱が勝ち点を引き寄せた。

結果至上主義のイタリア人指揮官と歩む道の先にあるものとはーー。

長年に渡ってFC東京を追う番記者が、“マッシモスタイル”を紐解く。


文=馬場康平

馬場康平(ばば・こうへい)|1981年生まれ、香川県出身。地域新聞の編集部勤務を経て、2006年からフリーに。現在はFC東京担当記者として取材活動を行い、各種サッカーメディアに寄稿している。




「私は日本という国に、恋をしたんだ」


 そう語っていたイタリア人監督が、Jリーグで3チーム目となる名古屋グランパスの指揮官に就任した。だからこそ、この出会いを大切にしようと彼は思っているはずだ。マッシモ フィッカデンティの日本通は、筋金入りだ。


「これまで日本の多くの場所を旅した。なかでも印象に残っているのは、紅葉だった。ただ、彩りを楽しむだけではなく、ひらひらと落ちていく葉っぱの瞬間的な美しさに感動したんだ。そういうところも含め、私は日本という国を深く理解できていると思っているよ」


 そうやってわびさびを語るイタリア人の日本への愛は深い。では、そんなミステルが目指すサッカーとは――。

(残り: 1844文字 / 全文: 2405文字)

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