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大森征之スポーツダイレクター 9月23日囲み取材

239月

―風間八宏前監督と契約解除に至った経緯を教えてください。

現場でしっかりと見ている中で、一番の理由は結果です。結果を非常に重く受け止めています。あとは内容と選手たち(の様子)ですね。そこを総合的に見て判断しました。


―風間前監督の評価をお聞かせください。

J2に降格した状況から監督に来てもらい、一緒にJ1に戻ることができました。これは監督、スタッフ、選手みんなの力があったからだと思います。1年でJ1に復帰できたということは、クラブにとって非常に大きなことでした。だからこそ、今があるのだと考えています。

―評価していながらも、監督交代を決断せざるを得なかったと。

本来は監督を変えたくありません。ただ、それには成績も含めてしっかりとした形で結果を出せていないといけない。選手と現場を見て、選手たちがこのクラブハウスに来た時に「サッカーをやりたいんだ」と強い情熱を持ってもらえる環境を我々が作れていなかった。そこを含めて、やはり監督を交代しなければいけないと。選手たちをしっかり見て、コミュニケーションを取り続けてきました。その中で、選手のモチベーションやパッションがある状態でサッカーをやってもらいたいという想いがありました。


―新監督の人選には、メンタル面の要素も考慮されたのでしょうか?

マッシモ(フィッカデンティ)に関しては、この状況で引き受けてくれたことに感謝しています。現状の順位や戦術を落とし込む期間なども加味すると、引き受ける方としては非常に難しい状況だと思います。ただ、うちの選手たちのクオリティーは非常に高く、クラブとして自信を持っています。彼が引き受けてくれた要因の一つに、選手のクオリティーがあったと思います。また、クラブのビジョンを理解してくれているところもありがたく思っています。


―フィッカデンティ監督を後任に選んだ理由を教えてください。

我々は攻守一体の攻撃サッカーを目指しています。攻撃サッカーをしたくても、攻撃できるタレントがいなければ攻撃サッカーにはならないし、イニシアチブというのは取れません。その点で、選手の質はリーグでもトップクラスだと思います。これから、マッシモが攻守一体のサッカーを作ってくれると考えています。


―これまでの経歴から、フィッカデンティ監督は守備的な監督と見られています。

イタリア人ということで、どうしてもそういう形で見られるところはあると思います。ただ、実際に戦術や選手のことを含めて一つひとつ話していく中で、「ずっと守っている」というような考え方ではないと確認できました。実際に鳥栖では鎌田大地選手、FC東京では武藤嘉紀選手など、攻撃的ないい選手を育てあげた実績もありますよね。


―フィッカデンティ監督はリリースのコメントでも攻守一体に触れていました。

現代のサッカーを見ても、攻守一体となって、高い強度を持ってサッカーをしないと勝てない。そして我々にはそれができる選手たちがいます。今日の練習で見てもらった通り、より速い攻撃ができるようになっていくと思います。これまではスピードが上がらず、フィニッシュまでもいかないシーンもありました。そういう部分を整理していけると思います。トレーニングから選手たちのパッションがすごく見えたので、期待ができると思います。


―改善すべき点について、風間前監督とコミュニケーションは取っていたのでしょうか?

もちろんやってきました。ただ、風間さんにはブレないベースの考えがあるので。それで結果が出ていけば良かったのですが、彼自身の信念もありますし、それがなければ風間さんではないので。そういう中で判断しなければいけなかったというのはあります。


―U-18の古賀聡監督を兼任でトップチームのコーチに起用しました。

つなぐという意味もあります。古賀さんは時間の許す限りトップの練習に顔を出し、風間さんのいいところをアカデミーに還元し、自分の色で表現してくれています。そして今、U-18は結果を出していますし、非常に素晴らしいチームになっている。そういう意味では、兼任コーチとしてマッシモのいい部分をいい形でアカデミーへ落としこんでくれると思っています。