2人の若鯱がトップチーム昇格内定を勝ち取った。
ジュニア時代にFWでプレーした経験を持ち、
後方からのビルドアップに定評のあるGK三井大輝。
2009年からグランパス一筋で育ち、
正確なクロスと豊富な運動量が武器のDF石田凌太郎。
彼らはいかにしてプロへの道を切り拓いてきたのか。
これまでの道程を振り返りながら、2人の変化や成長に迫った。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
来シーズンのトップチーム昇格が内定しました。内定を伝えられた時の心境を教えてください。
三井 内定を伝えられた時は素直にうれしかったですね。トップ昇格という目標を達成できて良かったです。それと同時に、「ここがスタートラインだ」という気持ちになりました。ここからが本当の勝負だと感じています。
石田 小学生の時から育ったクラブでプロになれるということで、驚きとともに抑えきれないほどのうれしさがあふれてきました。「プロになって、このクラブに恩返しをしないといけない」と勝手ながらにプレッシャーを感じていたので、本当に良かったです。まだユースの活動があるので、プロ生活が始まるまでにどれだけレベルアップできるかが大事だと思っています。
どのようなタイミングで連絡をもらったのですか?
三井 8月に入ってからですね。
石田 急に、モトさん(山口素弘アカデミーダイレクター)から「面談をするぞ」と連絡が来たんです。
三井 そうですね。どちらかが昇格して、どちらかは昇格できないのかなと話していました。
石田 個別で面談をやってから、すぐに「どうだった?」と話をしましたね(笑)。みっちゃんとは小学校6年生から一緒にプレーしてきたので、こうやって2人で昇格できたことを本当にうれしく思います。
チームメイトや家族からどんな言葉を掛けられましたか?
三井 家族からは「ここまでよく頑張ったな」と言われました。でもそれだけではなく、「レベルの高い選手が多くいるわけだから、これまで以上に努力し続けないといけない」、「プロとしての自覚を持ってやってきてよ」とも言ってくれましたね。
石田 チームのみんなから「おめでとう」という言葉をたくさんもらいました。3年生のチームメイトを代表して高卒でプロになるので、自覚を持ってプレーしていかないといけないと感じました。僕たち2人の力だけでここまできたわけではないので、みんなに感謝しています。両親や兄からも、「おめでとう」と言ってもらいました。親にはかなり迷惑を掛けてきたので、ここから恩返しをしていきたいと思います。
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